ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

ドングリ讃歌*日々のつれづれ*

2015年10月15日 | Weblog

森を歩いていました。

所々に雲のある青空の下、木漏れ日がこぼれ落ちる森の小道を。

色とりどりの落葉が舞い降りて、カサリ。

森いっぱいの、秋の香り。





落葉を彩るように、可愛らしいドングリが、ここにも、そこにも。

ポトリ、ポトリ。

音楽のよう。




ちょっと太めのドングリ。

まんまるいドングリ。

細長いドングリ。

ちっちゃなちっちゃなドングリ。






ふと、わたしの足元に、ポトリ。

森が、かみさまが、与えてくれたかのようなタイミング。

嬉しくなって、拾い上げました。




それは、ちょっと小さめの、形のきれいなドングリ。

両手に包んでみました。

片手に握りしめてみました。




なんて嬉しいんでしょう。

なんてワクワクするんでしょう。






以前、知人から尋ねられたことがありました。

「ドングリ拾って、どうするの?」


わたしがあんまりドングリが好きで、たくさん拾ってしまう、という話をした時でした。





わたしは、不意に、言葉が見つかりませんでした。

「ドングリがある、というだけで、嬉しいの。」

そんな風にこたえたでしょうか。







でも、そのこたえが、今日、わかった気がしました。

落ちてくるドングリを拾い上げたその時に、わたしは、何やら原始的な幸せを感じたのです。







古代の人々にとって、ドングリは大切な食料でした。

秋を待って、大喜びで、甕いっぱいに拾い集めたことでしょう。

それは、子どもや女性たちの仕事だったでしょうね。





わたしには、その原始的な衝動や喜びが、残っているように思えたのです。

食料にするわけではないけど、


ああ、ドングリだわ、

こんなに、こんなに・・・。


と、ただただ、拾い上げ、しげしげと見つめることが、嬉しいのです。

幼に子どもたちと同じように。









帰り道、わたしのポケットには、いくつかのドングリが、コロコロ、コロコロ。


しばらく飾り、眺めたら、そっと森へ返しましょう。


ありがとう、と返しましょう。










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