ぼくは、川を泳いでいたんだ。
まわりにもたくさん、泳いでいる人がいた。
でも、ぼくは、まわりのみんなとは違っていた。
みんなにはあって、ぼくにはなかったもの、
それは、防水性。
ぼくは、川で生きることができないんだ。
ぼくは、川から上がった。
上がってみたら、そこには、崖があった。
信じられないほど高くて、急な崖が。
それ以外、何もなかったから、
登ることにした。
大変だった。
足場がない。
どこにも、つかまるところが、足をかけるところが、ない。
まったく進めない。
川を振り返った。
みんなを羨ましく思った。
あんな風に生きられたら、どんなに楽だろう。
でも、戻りたいわけではなかった。
川は、ぼくの道ではないから。
ぼくは、再び、崖でもがいた。
長い時間、
長い時間。
そうしていたら、気がついた。
だんだん、見えてくる。
ほんの僅かな足場が。
ぼくは、そこを探して、ゆっくりゆっくり、登っている。
まだ少ししか登っていないけど、
この崖の上には、きれいな景色が広がっていると思う。
ぼくは、それを、見たいなあ。
たぶん、
ぼくの父と母も、この崖を登っている。
難しくて辛い道だけど、
父は、なんだか面白そうだし、
母は、何やら感嘆しているから、
心強い気持ち。
ぼくたちは、家族だけど、仲間なんだ。
だから、登っていく。
今日も、登っていく。
まわりにもたくさん、泳いでいる人がいた。
でも、ぼくは、まわりのみんなとは違っていた。
みんなにはあって、ぼくにはなかったもの、
それは、防水性。
ぼくは、川で生きることができないんだ。
ぼくは、川から上がった。
上がってみたら、そこには、崖があった。
信じられないほど高くて、急な崖が。
それ以外、何もなかったから、
登ることにした。
大変だった。
足場がない。
どこにも、つかまるところが、足をかけるところが、ない。
まったく進めない。
川を振り返った。
みんなを羨ましく思った。
あんな風に生きられたら、どんなに楽だろう。
でも、戻りたいわけではなかった。
川は、ぼくの道ではないから。
ぼくは、再び、崖でもがいた。
長い時間、
長い時間。
そうしていたら、気がついた。
だんだん、見えてくる。
ほんの僅かな足場が。
ぼくは、そこを探して、ゆっくりゆっくり、登っている。
まだ少ししか登っていないけど、
この崖の上には、きれいな景色が広がっていると思う。
ぼくは、それを、見たいなあ。
たぶん、
ぼくの父と母も、この崖を登っている。
難しくて辛い道だけど、
父は、なんだか面白そうだし、
母は、何やら感嘆しているから、
心強い気持ち。
ぼくたちは、家族だけど、仲間なんだ。
だから、登っていく。
今日も、登っていく。