ばあやの のんび~り日記  

還暦をむかえてからパソコンの勉強を始めて
傘寿も越えてしまいました。
いつまでパソコンできるやら・・・

徘徊か?

2014年11月01日 | ばあやの本棚

ようやく熟れはじめました
我が家の八朔の実が・・・

メガネ屋さんからの帰り道、話し込んでいたら何時のまにかあたりは真っ暗に。
帰り道は、久しぶりの夜道運転になり
用心しながら閑静な住宅地を走っていたときだった。

ライトに照らし出された、ふたつのもつれたような人影に
おもわず車をとめてしまった。
エンジンを止め、降りて近づくとタクシーが止まっていた。
その横で老人らしい男性を運転手さんが抱き上げて、立たせようとしていた。

故?!
「どうしましたか?、大丈夫ですか?」
その時、老人が顔を上げて私をチラリ、顔面の右ひたいあたりから瞼にかけて
血が流れていてすごい形相におどろいた。

「救急車呼びましょうか?」
「いらん!」ぎょろりと目をむいた。

右脇をかかえて運転手さんと二人で支えようとするが、立ち上がれないでいる。
重い!・・・

すると、すぐそばの家の勝手口から若い女性がでてきた。
「あら、どうもすみません!」といって、ちかづいてきて一言。
「たちあがらんと、また救急車呼ぶよ!」と言い放った。

すると、老人はよろよろとたちあがって、女性の手を振り放って
勝手口の壁をつたいながら一人で敷居をまたぎ、家の中にはいっていった。
脚をひきずりながら・・・

歩けた・・・

ここは高級住宅街の一角、家は古いが大きなたたずまいをしていた。
かっては、この家の大主人様ではなかったろうか。

タクシーの運転手さんが言った。
「道を歩いていた人が、急に倒れたので・・・玄関の呼び鈴をおしたのですよ」
老人は自宅のそばまできてから、倒れたらしいのだった。
そばに大きな紙袋も転がっていたが、それはボロボロでなにか軽いものが
いっぱい詰まっていた。

運転手さんは、ズボンの中から白いシャツがはみだしていたが
膝の泥をはたきながら、ホッ!として話してくださった。
よほど力をいれて、老人を助けようとしていたのだろうな・・・

当市では人口率の割には高齢者が多くなり、100歳以上も数十人と聞いた。
徘徊者援助なるシステムが組まれて実施中、市民の協力が展開されて
いる最中の出来事だった。

わたしも、いつこのようなことになる時が来ても、決しておかしくはないと思うと、
他人事では済まされなかった。  

それにしても、うら悲しい情景が頭から離れないでいる。

コメント (10)
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