厳寒の庭で、真っ赤なガーベラの花が一輪、凛として咲いている
闘志を燃やすような、緋色のガーベラの花が・・・
夜21時ごろ、電話のベルがなった。
え、いまごろ誰かな?と受話器をとった。
「こんばんは、遅くにすみません。おばあちゃん、明日よね マラソン大会は」
「え、あ~ S君ね こんばんは、ひさしぶりやねぇ そうよ明日よ。」
「がんばってね、俺は応援には行けんけど、無理せんでね」
なんとなんと、S君からこんな電話だった。
高校受験がまじかに迫ったS君は、最後の追い込み中、わたしも電話をかけることを
控えていたところなので、この電話が意外でとてもうれしかった。
小さいころは、きゃっきゃっ!と可愛らしい声でよく笑っていたものだが
成長するにつれて、最近はあまり笑顔をみせることもなくなり、口数も少なくなってきた。
娘にいわせると
「もう、いつまでも赤ちゃんじゃないよ。ママもそのつもりでいないと、ガックリするよ。」
なんてケロリとしている。
やはり男の子はちがうのかなぁ?
娘ばかり二人を育てたわたしには、男の子の気持の変化がわからないし、
少し心配になっていたものだが・・・
このお正月には、じいやが近くの神社で受験合格祈願のお守り袋をいただいて
お年玉といっしょにS君にわたした。
「ありがとうございます、がんばります!」
ようやく子どもの頃の可愛い笑顔をみせてくれた。
「スタートは、何時頃?」
「そうね。予定は12時15分だけど、早くなったり遅くなったりもするからね・・・」
「うん、じゃそのころに祈っているよ」と。
なんとやさしい励ましかと、涙腺が緩んでしまった
やはり、私のことをちゃ~んと気使っていてくれたんだなぁ。
「うん、ありがとう。S君も受験がんばってね、風邪ひかないようにね」
さてと、今夜は早く寝て、明日は完走出来るように、がんばろう!!