計測できる温度計、持っていないし いったい何度あるのかしら、
ここへ落ちたら、地獄の一丁目一番地 クワバラ・クワバラ
「
今日は休んだのかもしれない、お客さんが少ないからなぁ・・・
おや、これはまた えら~い日焼けに、年季がはいった老写真屋さんが、2人
だま~って小屋のイスに腰を、おろしているのを見かけた。
「 だぁ~ 」 顔に書いてあるようで、申し訳ないけど通りすぎようかなぁ~
でも、足がとまってしまった。
「やはりねぇ~」
数年前の日付がはいった、新婚さんの丸い額入りの記念写真がづらりと並んでいるし、古びた机、カメラは、長い三脚をつけたままあくびをしているようだ。
どこを見ても湯気は、もうもうと立ち上がっているが、
茹でたまご屋のおばぁちゃんの姿が見つからないよ
ふいに、ぶっきらぼうな声がした。
「亡くなったよ、ばあちゃんは・・・つい最近ね 茹たまごは、あと4分ぐらい、待っとくかね? 」
かたみの古鍋 と に変身していた
右奥のほうに小さく見える人も、写真屋さん
「はいっ、4個で300円 」
熱々のたまごを軍手でつかみ、ビニール袋に入れて、紙につつんだ塩を添えてくださった。
「あのばあちゃんは まぎわまで元気やったがなぁ・・・」
しんみりと語り始めた、二人の老写真屋さん・・・
あのオバァチャンを最後に目にしたのは、もう5~6年ぐらい前かなぁ・・・
今日は、家に帰ってからと、ビニール袋のたまごを抱いて、再び湯気の中をゆっくりと歩き始めた。
「暖かいよ~」
まもなく が現れる、この話を しっかりしとこ。