むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

シロバナホトケノザ:白花仏の座(さほど珍しくもない?) 

2014-03-29 16:05:22 | 植物観察過去ログについて

花見には少し早い28日の八幡市背割り堤で見かけたのがシロバナホトケノザ:白花仏の座(ソソ科オドリコソウ属)です。
普通のホトケノザの花は紅紫色で、茎も葉も赤色を帯びているの対し、こちらは花は純白、葉や茎も紅色を欠いて薄緑が勝っています。
いわゆる白花変種といわれるもので、顕花植物の中で、本来は色のついた花を咲かせるはずの種で、花弁において色素が形成されず、白い花を咲かせる個体にあたるものと考えられます。カルコン(黄色)、フラボン(淡黄色)、アントシアン(赤や青)などの各色素の発現に関わる遺伝子の異常に起因して生じ、花弁の細胞は一般に葉緑体が発達せず透明に近いので、雪と同様に光の乱反射で白く見えるとされます。
この種の白花は、和名に「シロバナ」を冠するもの(シロバナタンポポなど)は基本的に変種または別種であり、白花変種は「種名(白花型)」のように表記されます。ただ、白花変種に「シロバナ○○」といった和名を与える場合もあるのでややこしくなります。
シロバナのホトケノザは種名となっているかどうかはさだかではありませんが、ネットではシロバナホトケノザの名で数多く紹介されていましたのでこれに倣いました。
一般に植物でのアルビノは光合成組織に欠陥があるもので、白花変種が慣習的にアルビノと呼ばれる場合がありますが、正確には別のもので、植物のアルビノはクロロフィルが合成できずに光合成組織が白化した個体で、このような個体は独立栄養が営めないため、種子中の栄養を使い切ってしまった時点で枯死することになります。
白変種は、アルビノと異なり、正常な個体なので、遺伝情報に白花である事が既に含まれており、遺伝的には安定しているとされています。1年後、このシロバナホトケノザの生育状況がどうなっているか、同じ場所で確かめたいと思っています。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿