むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

ヨーロッパアルプス周辺で出会った木本② 高地の街中編 

2013-07-29 09:27:13 | 日記

ヨーロッパアルプス山麓の町で出会った樹木のいくつかは花や実をつけていました。
正確な品種名はわからずとも、多くは日本でもおなじみのものかその仲間のようでした。

1) あちこちで街路樹として植えられているマロニエ(セイヨウトチノキ:トチノキ科)が実をつけていました。よく剪定されているのか街路樹に丁度良い大きさになっています。


2) インスブルグのイン川の畔や世界遺産ヘルシュタットの湖の畔などで、菩提樹(セイヨウボダイジュ:シナノキ科)満開の黄色い花をつけていました。
  シューベルトの歌曲で歌われたリンデンバウム(Lindenbaum)です。
日本のボダイジュは寺院などで見られるくらいですが、リンデンバウムは町の人々に親しまれているそんざいのようです。


3) 街でも山でも赤く大きい翼果をつけたカエデ(カエデ科)が目につきました。ガイドに聞くとセイヨウカエデだと当たり前の答えでした。


4) 家の庭に盛りを過ぎたフジ(マメ科)が、名残りの花穂をつけていました。色合いは日本のノダフジなどより淡い感じです。


5) バイカウツギそっくりの花もありました。日本のものよりやや大ぶりの花です。


6) アベリア(ハナゾノツクバネウツギ)もありました。これも日本の寄りは大振りの花でした。


7) 住宅の庭にアンズ(バラ科)がたわわに実をつけていました。


8) 黄色い花穂を垂れ下げた庭木がありました。マメ科のようですが、日本では見かけない木でした。
(これで花の旅でもあったチロル・ドロミテ3つのハイキングツアーを終わります。
 旅日記「むかごの高槻」も御覧ください。)

ヨーロッパアルプス周辺で出会った木本①山岳編  

2013-07-28 10:49:26 | 日記
ヨーロッパアルプスの山岳で出会った木本で今まで取り上げていないものです。



1)高地の岩礫地に小さなヤナギが、立派に花をつけていました。
日本でいうと、タカネイワヤナギなどの仲間と思われます。



2)下向きにつく球果の形から日本でのトウヒの仲間とおもわれます。


3)実をつけたナナカマド?もありました。


4)オオヒョウタンボクのような木も花をつけていました。

ヨーロッパブナ:ヨーロッパ橅(ヨーロッパで出会ったブナの木 

2013-07-24 16:48:07 | 日記
オーストリアの世界遺産メルク修道院の門前に、濃い赤紫の葉を茂らした立派な木が1本立っていました。
何の木だろうと近づいてみると、どんぐりの殻斗のようなものがついています。
枝先を少し失敬して、スーツケースに入れて持って帰りました。
帰国して開けてみると、殻斗が開いて中に3つの稜がある果実が顔を出していました。


これはと思い葉の形を仔細に見ると、葉脈が鈍い鋸歯の先端まで通っています。
この果実と葉の形からこの木はブナ(ブナ科)の仲間に違いないと考えました。
ネットで検索すると、“ヨーロッパブナの英名はCommon beech, Euiropean beechで、ヨーロッパからイングランド南部原産。ヨーロッパやカナダでは、紫葉の園芸品種の樹木がよく植栽されている。ヨーロッパブナの紫葉品種があるのにはびっくりした。紫葉は Fagus sylvatica Purpureaで、他にもいくつかの品種があり、植栽木として様々な改良が行われているらしい。”といった記事がありました。
修道院の木がブナの園芸品種としたら、納得できた気になりました。


セイヨウニワトコ(ヨーロッパアルプス山麓に咲く) 

2013-07-23 12:21:11 | 日記
7月のヨーロッパアルプス山麓の山野にも町にも民家にもセイヨウニワトコ:西洋接骨木(スイカズラ科ニワトコ属が白い花をつけていました。
ニワトコは日本では庭に植えられることもなくあまり人に知られていませんが、ヨーロッパやイギリスでは春を告げる木の花としてだけではなく、人々の暮らしと関わり合いをもっていることで、ごく身近な存在となっています。
セイヨウニワトコの学名Sambucus nigraのSambucus はラテン語で、ラッパの一種の楽器がこの木で造られたことに由来します。英名のエルダーは古語のエルド(炎)に由来し、髄を抜いた中空の枝が火起こしに使われたことを物語ります。またこれで空気鉄砲(エルダーガン)を作ることも古くから子供たちに親しまれていたようです。
魔よけの木として家の近くに植える習慣があったり、木を切ると縁起が悪いといわれました。また様々な薬効に富む木としても尊ばれており、花でつくった化粧水はシミやしわを防ぐといわれ、果実を醗酵させたワインはリウマチや風邪、ぜんそくにお薬になりました。
余談ですが、じつは、宝塚歌劇のシンボル的な歌の“すみれの花咲く頃”は、もともとは、昭和4年ウイーンでつくられた“WENN DER WEISSE FLIEDER WIEDER BLUHT”(白いニワトコの花が今年も咲いた?)という歌で、これが翌年フランス語になったとき“QUAND REFLEURIRONT LES LILAS BLANCS”(リラの花咲くころ)でリラになり、さらに当時パリ留学中の白井鐵造が、宝塚歌劇で帰朝第1作のレビューで披露した時にスミレにしたという裏話があります。
独語辞書には、SPANISCHER fLIEDERというのがあり、ライラック(リラ、ムラサキハシドイ)となっています。最初の歌詞のfLIEDERが、ニワトコではなく、リラのつもりであったかどうかはわかりません
♪春 すみれ咲き 春を告げる 人なぜみな 春をあこがれ待つ・・・♪、すみれなればこそ宝塚の代表的な歌となったわけで、これがニワトコでは、これほど愛唱されることもなかったでしょうから、白井鐵造のセンスはさすがというべきでしょう。
ちなみに和名のニワトコは「ミヤツコギ」(庭に植える木)という古語に由来し、漢名の接骨木は、折れた骨がつながる薬に使われたことを表しています。
今でこそすたれていますが、日本でもニワトコを農耕神事として若枝を水田に鋤き込んだことから、ナワシロタズ、クサジキの別名もあります。
このように早春いち早く花をつけるニワトコは、洋の東西を問わず、人々にとって大事な木だったのです。
現地のガイドさんに“ニワトコの花が再び咲いた“(独)→リラの葉案咲く頃“(仏)→“スミレの花咲く頃”(日)の変遷を話したら、「この話いただく」と喜んでいました。

ヨーロッパアルプスで出会った花々 ⑧やはり目立つ赤い花 

2013-07-22 14:33:00 | 日記
黄色、青色、白色ときたヨーロッパアルプスで出会った花々、今日は赤色の花です。赤い花は広い面積で群生しているということはありませんでしたが、赤い色でよく目立っていました。
例によって種名などは類推のよるもので正確ではありません。



以上フウロ(フウロソウ科)

Gentaurea montana(キク科ヤグルマギク属)

キク科ヤグルマギク?


キク科アザミ

タデ科イブキトラノオ?

thlaspi rotundifolium(アブラナ科)?

キク科フキの仲間?

アカバナ(アカバナ科)

ヘラオバコ(オオバコ科)ツルボかと思ったら紅花のヘラオオバコでした

サクラマンテマ?(ナデシコ科)

Campanula glomerata(キキョウ科)

マtムシソウ(マツムシソウ科)?

シソ科?

オダマキ(キンポウゲ科)



イブキジャコウソウ(シソ科)

カラマツソウの仲間?(キンポウゲ科)

テガタチドリ(ユリ科)

ヨーロッパアルプスで出会った花々 ⑦ 清楚な白色の花

2013-07-21 13:09:43 | 日記
ヨーロッパアルプスで出会った白い花も種類は赤、青。黄色に負けないほどでしたが、一面に咲いているのはやや低い山麓でした。
キク科、キンポウゲ科、ナデシコ科などが多く、当然ですが日本でも見られるような仲間も多く咲いていました。
例によってほとんどは種名がわからず、種名を書いてるのも類推したもので正確ではありません。
白いお花畑
ユキノシタ科?
バラ科ヤマブキショウマ?
キンポウゲ科センニンソウ
Doraba tomentosaアブラナ科風の強い岩場に咲く
アブラナ科オオタネツケバナ?
Pulsatilla alpina
キンポウゲ科(オキナグサの仲間?)
ナデシコ科ミミナグサの仲間?
キク科デージーの仲間?
キンポウゲ科?イチリンソウに似る?
アブラナ科タネツケバナ?

シソ科オドリコソウ

Campanula barubata
キキョウ科

キク科
ラン科テガゲタチドリ?
ツツジ科コケモモ?
ラン科ツバメオモト?
オミナエシ科ツルカノコソウ?
ranunculus alpestris (キンポウゲ科)
アブラナ科
キク科ウサギギク?

Silene vulgaris(マンテマ)萼片の白っぽいのもある
セリ科
ナデシコ科(タカネ)ミミナグサ?


ヨーロッパアルプスで出会った花々 ⑥ 鮮やかな青色の花 

2013-07-19 20:18:17 | 日記
ヨーロッパアルプスで見た青や紺の花の多くは深く鮮やかな色をしていました。
当たり前ですが、日本でもよく見るような花も多い中で、ここでしか見られない花も結構あって楽しめました。
例によって殆どの正確な品種名はわかりませんでしたが、一見する限りではシソ科が多いように見えました。


Gentiana clusii (リンドウ科)アルプス3大名花の一つ

アルプスの名花ゲンチアナには種類が多く、花の大小、花筒の長短、萼片の形などによって区別するといいますが素人には難しいようです。

Myosotis sylyvatica
ムラサキ科)ワスレナグサ

Myosotis alpesris
ムアラサキ科(シルバチカより草丈は短い)

キンポウゲ科ハンショウヅルの仲間?

Campanula scheuchzeriキキョウ科(ヘアベル・ベルフラワー)

マメ科クサフジ?

Veronica fruticunsゴマノハグサ科(クワガタソウ属)ヒヨクソウ?

Veronica chamaedrusゴマノハグサ科(クワガタソウ属)

Campanula glomerata(キキョウ科)

スミレ

シソ科ウツボグサ


Phyteuma
キキョウ科シデシャジン属(悪魔の爪と呼ばれる仲間)





ヨーロッパアルプスで出会った花々 ⑤ 数も面積も優先していた黄色い花

2013-07-18 09:10:37 | 日記
ヨーロッパアルプスの山麓は黄色い花が目立ちます。
特に広い野一面を黄色のお花畑としているのがキンポウゲの仲間です。
キク科も多くありましたが面積比では圧倒的にキンポウゲ科のようです。
寫眞に撮った黄色い花は種類も多く、図鑑で調べることも殆ど断念せざるを得ませんでした。
そんなことで、おおかたはコメント抜きでの紹介となりました。

山麓を彩るキンポウゲ科の花
Trollius europaeus
キンポウゲ科(半開き球形)でグローブフラワーとも









キク科タンポポ


ユリ科コバイケイソウの仲間

Papaver alpinum
ケシ科
ケシ科クサノオウ?
Sedum rupestre
ベンケイソウ科(ミヤママンネングサノ仲間)
アブラナ科ヤマガラシの仲間

ゴマノハグサ科シオガマの仲間

イラクサの仲間


スミレ科キバナノコマノツメ

ヨーロッパアルプスで出会った花々④ バラ科(似たものが日本にも)

2013-07-17 13:16:33 | 日記
 ヨーロッパアルプスで撮った写真が数百枚。種名がわからず、科名の類推もままならないなかで整理に大苦戦です。
 バラ科らしい花をいくつか拾いましたが、いずれも日本で見るものとあまり違いがなく、何やら親しみやすい感じでした。


1) 日本ではタカネバラ?
ゲーテの詩にシューベルトやウエルナーが曲をつけたの名曲「のばら」の荒野に咲く赤いノバラ(Röslein, Röslein, Röslein rot,Röslein auf der Heiden.)はこれだったかも


2) 薄紅色だが日本でのノイバラ?


3)Dryas octopetara
 8枚の白い花弁。日本のチョウノスケソウにあたる


4) ヘビイチゴの仲間?


5) 白花のヘビイチゴ?


6) 木苺の仲間



7)キンロバイ(金露梅)?

ヨーロッパアルプスで出会った花々③ 牧草地に多かったマメ科の花

2013-07-16 16:59:29 | 日記
      ヨーロッパアルプス山麓の牧草地は、そのまま高山~亜高山植物のお花畑になっています。
      ここで見たマメ科の花のいくつかを紹介します。残念ながらその多くは品種名がわかりません。
      (記載の品種名は不正確です)

1) Lotus alpinus マメ科(ミヤコグサの仲間)


2) Onobrychis viciifolia マメ科(レンゲノ仲間?)


3) trifolium pretense マメ科(アカツメクサの仲間)


4) カラスノエンドウの仲間?


5) スイートピーの仲間?


6) ?


7) レンゲノ仲間?


8) anthyllis alpestris マメ科
細長く伸びた茎の先に黄色い花を球状につける


9)クララに似た花つき


10) 黄色いハギ