むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

ハマヒサカキ(実と花が同時に) 

2015-01-17 08:57:35 | 植物観察記録

公園のハマヒサカキ(ツバキ科ヒサカキ属)に赤、紫、黒の実がついていたので近づいて見ると、そばに白い花も咲いているのが見えました。
本州千葉県以西、四国、九州の海岸地に生え、庭木にもされる常緑低木~小高木で高さ1.5~6mになります。
互生する葉は厚くつやがあり、長さ1.5~3cmの倒卵形で、ふちにやや浅い鋸歯があり、葉先はまるく、ふちは裏に反り返ります。ヒサカキと同じように強い臭気があります。
果実と花が同時に見られたので、シロダモなどのように、前年の果実と今年の花が一緒に見られたのかと思いましたが、図鑑では、花は晩秋から翌春とあり、ハマヒサカキの場合は花期が長いので、同年の果実と花が同時に見られるもののようです。

ハナミョウガ:花茗荷(日本一の瀧に実る) 

2015-01-15 18:58:45 | 植物観察記録
14日、熊野那智大社に初詣し別宮である飛瀧神社のご神体の那智の滝を参拝しました。
初穂料300円を納めて滝壺展望所へ登る途中、足元に真っ赤な実をつけたハナミョウガ:花茗荷(ショウガ科ハナミョウガ属)を見つけました。
暖地の林の中などに生える常緑の多年草で高さは30~60cm、根茎は分枝し、茎の節には鱗形状葉があります。長さ15~40cm、幅5~8cmの広披針形の葉の裏面には軟毛が多く、ビロードのような手ざわりです。5~6月、10~15cmの花穂を立て、白地に赤い筋の入った卵形の唇弁の花をつけます。
晩秋、長さ1.5cmほどの広楕円形で赤色の果実を熟します。中にある種子を伊豆縮砂と呼び健胃などに用います。
展望所に登る観光客が誰ひとり気づくこともないハナミョウガは、日本一の那智の滝の滝壺のすぐ側で、赤色の実と青い葉の鮮かな対比をみせていました。

ブッシュカン:仏手柑(奇妙な形で幸運を呼ぶ?) 

2015-01-09 13:28:08 | 植物観察記録

初歩きで京都南禅寺前の通りを歩いているとき、料亭の玄関に立派な門松が立っており、鮮やかな黄色のブシュッカン:仏手柑(ミカン科ミカン属)が飾られているのが目を引きました。
インド原産で江戸時代に中国を経由して渡来したといわれています。
仏手柑の名は、真ん中で割った形が合掌する両手に見立てることができるので「仏の手」と美称したものとされます。この形は柱頭が奇形的に異常に発達したものです。
果肉はほとんどなく、果皮は砂糖漬けなどにして食用にされます。
門松に飾られているのを初めてみましたが、ブッシュカンは、アジア地域では古くから不老長寿の妙薬と信じられたり、現に漢方薬として胃痛、嘔吐、疲労回復などの薬効があるとされていることもあり、縁起物として門松に飾られてもおかしくないものといえそうです