六甲高山植物園にキレンゲショウマ:黄蓮華升麻(アジサイ科キレンゲショウマ属)が咲いていました。
キレンゲショウマは、奥多摩御嶽神社付近に多いキンポウゲ科のレンゲショウマ(08年9月6日記事)に似て、花が黄色なのでこの名がありますが、レンゲショウマと異なり、アジサイ科でかつ独立の属であるキレンゲショウマ属の大形多年草で、西日本の石灰岩帯に特産し、やや湿った林下や傾斜地に生え、高さは60~120cm、茎は分岐せず、葉は対生し、掌状で径12~15cm、長い柄があります。夏、茎の頂部から花柄をだし5弁の鐘形の美しい黄色花を下向きにつけます。雄蕊15本、雌蕊の花柱は3~4本あります。
先年、宮尾登美子の小説”天涯の花“に出てくるレンゲショウマに惹かれて、2度目になる四国尾剣山(1955m)へ見に行ったことがあります。(‘12年8月12日記事)
剣山の厳しい岩場に咲くキレンゲショウマは、捨て子という幸薄く生まれた“天涯の花”の主人公珠子が、自らの手で幸せをつかんでゆく姿に重なって見えて、美しさと厳しさがあり印象深いものでした。剣山の群生地は平成12年世界的な希産植物として天然記念物に指定されています。
こちら六甲高山植物園のそれは、だいじに育てられているためか、心持ちまろやかな穏やかな様子に見えて、剣山で見たキレンゲショウマほどの感激は湧いてはきませんでした。