むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

マンゲツロウバイ:満月蝋梅(微妙な改良が進む) 

2015-02-23 11:41:21 | 植物観察記録
よい香りがする方向を見ると、道端に黄色い蝋梅の花が咲いていました。
ロウバイ:蠟梅(ロウバイ科ロウバイ属)は、中国中部原産で、江戸時代後水尾天皇のときに渡来し、真冬に咲く黄色い花と香を賞して好んで庭に植えられる落葉小木です。花は前年枝の葉脇に1個づつつき12月~2月、葉に先がけて開きます。花の径2~3cmで、花被片は多数、外側は淡黄色、内側の花弁は短くて本来は暗紫色です。
中国では迎春の花として重んじられ、絵画の中で蠟梅と水仙あるいは蠟梅と南天が配された構図が”歳寒の二友“として好んで描かれるそうです。
蠟梅の名は黄色く透き通った花が蝋細工に似ているところからきたとされていますが、臘月(12月)に咲くから臘梅だとする説もあります。
蝋梅はだんだん改良されて、中心部の花弁も黄色い素心蝋梅や、花の中心に紫褐色の輪が入り、花弁が丸くて香りも強い満月蝋梅というのが現れています。その中でも中心部も黄色というのも出て、丸い弁のものを満月蝋梅と呼ぶようになっているようです。
園芸業者によると蝋梅は実生で繁殖するのがおおいので、素心蝋梅からも満月蝋梅からも多くの選別品種が生まれて、同じ名前で売られていても多少異なるものが多いといいます。
古くからある我が家の蝋梅は、原種に近いらしく、中心に黄褐色の花弁があり、花の大きさも、香りも最近のものにくらべ劣っているような気がしますが、逆に流行を追っていないのだからと、大事にしたい気持ちが強くなっています。

ハリツルマサキ:針蔓柾(ハートの木)

2015-02-21 18:59:07 | 植物観察記録

野外の観察対象も少ない冬枯れの時季は、やむなく植物園の温室を訪れることが多くなります。変わった形の珍しい外国の植物が目につきますが、なかなかなじめないものです。
その中で、いくつかの絶滅危惧種と掲示された植物が目を引きました。
ハリツルマサキ:針蔓柾(ニシキギ科ハリツツマサキ属)もその一つです。
この聞きなれない植物は、南西諸島、台湾、中国南部などの海岸の石灰石の上に生える常緑の低木で、枝は地上を這います。
赤く熟す直径約6㎜の果実はハート形をしているので「ハートの木」の名で、園芸品種として流通します。よく見立つ場所に何鉢も並べていたので、準絶滅危惧種としてよほど大事にしているのかなと思ったりしましたが、考えてみると今月はバレンタインの月、それで「ハートの木」なのだと思い当たり納得しました。

ブロッコリー (花にも味わい)

2015-02-18 09:33:46 | 植物観察記録

公園の野菜コーナーにブロッコリー(アブラナ科アブラナ属)が早い花をつけていました。
は、アブラナ科の緑黄色野菜で、花を食用とするキャベツの一種が、イタリアで品種改良され現在の姿になったとされています。和名はメハナヤサイ、ミドリハナヤサイなどといわれて、普通は、食用にされる緑色の蕾の塊しか見ることはありませんが、淡い黄色の花に、灰緑の蕾が混じった花の姿は結構絵になる感じでした。
庭のプランターにブロッコリーの苗を植えて育てているのですが、発育の状態はいまいちで、楽しみにしている収穫は、苗代にもならないのではないかと心配です。
この花を見て、いっそのこと、食べるのをあきらめて、観賞用に切り替えようなどと考えているところです。

オクナ・セルラタ(花も実もあるミッキーマウスの木) 

2015-02-14 10:06:48 | 植物観察記録

公園の小さな温室にミッキーマウスの木で知られるオクナ・セルラタ(オクナ科)が黄色い花をつけていました。
秋にほかの場所でミッキーマウスに似るという果実の写真を撮っていたのですが、ネットなどでミッキーマウスの木で検索しても情報量が少なく、お蔵入りとなっていましたが、これに花が加わるとそれだけでも記事になると取り上げました。
果実は最初緑色で、熟すと黒くなります。果実やがく片の色合いや姿からミッキーマウスノキの名前があります。葉は長楕円形で長さ4cm縁に細かい鋸歯があります。
果実で有名ですが、黄色いい花もなかなかのものです。

クリスマスローズ 本物はクリスマスに咲く

2015-02-02 12:48:47 | 植物観察記録
1月中ごろ、街角のグリ-ンコーナーに少し盛りが過ぎたクリスマスローズ(キンポウゲ科クリスマスローズ属)を見かけました。
学名のHelleborus nigerは、「小鹿の黒い食べ物」または「殺す黒い食べ物」という意味で、黒い根は、ギリシャの昔から狂気に効く霊薬または霊感を授ける妙薬として劇作家や哲学者に愛用されました。ある種の麻薬的効果があるのではないかと考えられています。
日本で最近広く普及しているのは、正しくは「春咲きクリスマスローズ」、学名はHelleborus Orientalisという品種で、決してクリスマスには咲きません。レンテン種ともいわれる春咲き種は、キリスト教で、四旬節、受難節などといわれる復活祭前の40日間の時期に咲くということを意味しています。
間違いもこれだけ広がると、すっかり定着してしまったようで、専門家がいるはずの万博公園で、春先クリスマスローズに、学名のniger付でクリスマスローズの名札がついていました。