むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

クワズイモ:不食芋(空海の七不思議)    

2014-06-21 17:45:14 | 植物観察過去ログについて

四国八十八ケ所遍路旅のバスが室戸岬に近づくころ、先達ちさんがこんな話をしました。
「むかし、土地の老婆がを洗っているところに一人の遍路(空海)がとおりかかり、お腹がすいたのでその芋をくれないかといったところ、老婆はいかにもみすぼらしい僧の姿を見て、“この芋は苦くて食べられない”といって断った。老婆がその芋を食べようとすると、苦くて食べられない芋に変わっていたそうだ。(空海の七不思議)その後この芋はクワズイモと名付けられた。」
その芋は四国24番室戸山最御崎寺(ほつみさきじ)の本堂脇に植えられていました。周辺で手入れしている地元の婦人に聞きますと、食べてみたことはあるが苦くてとても食べられたものではないとのことでした。
この名前クワズイモは、空海伝説による地元での通称かと思いながら、図鑑で当たって見るとちゃんとクワズイモ:不食芋(サトイモ科クワズイモ属)として載っていました。
四国、九州、琉球、および南朝鮮、台湾などの亜熱帯から熱帯にかけて分布し、湿った木陰に生える多年草で、高さは0.5~1m、葉の長さは60㎝位、初夏、長さ15~25㎝の花柄に下部は雌花、中ほどは不実性の花、上部に雄花をつけます。
和名の不食芋はサトイモに似ているが食用にならないことからきています。
くだんの説話は、他人にいけずをすると、その禍は自分に帰るとうことの戒めとは思いますが、空海ともあろう人が、そんな意地悪をしたという話は少々いただけない気がします。

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