むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

マコモ:真菰(食べられるというが) 

2013-09-30 08:44:39 | 日記

水辺でマコモ:真菰(イネ科マコモ属)の穂がゆれています。
池や沼、川口などの水中に群生する大形の多年草で、高さは1~2m、茎は太い円柱形で直径約2cm、葉は幅が広く2~3cmいなります。
8~10月、茎の先に円錐状の穂を出します。花序は長さ40~60cmで、多くの枝をだし、枝の上部に雌小穂、下部に紫褐色の雄小穂がつきます。
昔は葉をむしろ(菰・薦)に編んだことなどで真菰の名があるという説があります。
黒穂菌が寄生して肥大した若い茎は菰角といって中国では食用になり、果実も北米ではこの仲間をワイルドライスといい、七面鳥の詰め物にしたり、スープに入れたりするそうです
三橋美智也のヒット曲「おんな船頭唄」に「思い出すさえざんざらまこも」と出てきますが、「ざんざらまこも」というものがあるわけではなく、「ざんざら」は「ざわざわ音がする」という意味だといわれています。

ハゴロモルコウソウ:羽衣縷紅草(細葉と丸葉の合いの子)

2013-09-26 19:05:38 | 日記

植物園に咲いていた赤い小さな花にハゴロモルコウの名札がついていました。
葉が糸状に切れ込むルコウソウ:縷紅草(2007年9月22日記事)と葉が丸くハート形のマルバルコウ(丸葉縷紅)(2007年9月23日記事)との交雑種で、蔓性の一年草、葉は卵形で、掌状に深く裂けます。葉が深く裂けてモミジ葉状であるところから、別名でモミジバルコウソウ(紅葉葉縷紅草)とも呼ばれます
7-11月に直径2cm程の紅色の漏斗形の花をつけます。花の大きさは二つの母種よりやや大きくなります。
この仲間の花は、いずれも朝開いても昼ごろ日が当たると凋む一日花のようです。
ルコウソウのルは漢字の縷で、 細々と連なる糸筋、途切れずに続く様を表す漢語です。その意味ではマルバルコウもハゴロモルコウソウも、意味的に少々おかしいといえます。
ルコウソウはソウ(草)がつくのに、一般にマルバルコウはソウなしで呼ばれます。植物園ではハゴロモルコウとなっていましたが、こちらは一般にハゴロモルコウソウと呼ばれているようです。

マツムラソウ:松村草(秘境・西表に咲く希少種)

2013-09-25 16:43:32 | 日記

京都植物園の植物生態園の水路沿いに珍しいマツムラソウ:松村草(イワタバコ科マツムラソウ属)が黄色い花をつけていました。
日本は分布の東限にあたり、石垣島と西表島だけに分布する希少種で、絶滅危惧ⅠA類(環境省)に分類されています。
寒さに弱く、この植物園でもこれまでは露地では栽培が難しかったのを、生態園の水路に植えることで、冬季の根の凍結を防ぎ、今年初めて黄色い花をつけることに成功したといいます。
変わった和名は、明治~大正期に活躍した植物学者の松村任三を記念したものだそうです。
露地栽培で初めて花をつけたのが植物園としてもよほどうれしかったらしく、大きい説明板が立っていました。




ムラサキナツフジ:紫夏藤(薬用になる庭木)

2013-09-23 09:06:11 | 日記

猪名川町多田銀山跡の民家にムラサキナツフジ:紫夏藤(マメ科ナツフジ属)が濃い赤紫色の花をつけていました。
台湾、中国南部原産のつる性木本、葉は奇数羽状複葉で対生し、7~9月枝先に総状花序を伸ばして、暗紫色から紅紫色の蝶形花を咲かせます。
別名をサッコウフジ(醋甲藤)といい、園芸品種も多くあり、庭木にも植えられます。
猪名川町で見た翌日、大阪薬大の薬用植物園に咲いているのにも出会いました。漢名で鷄血藤といい薬用にされます。

ナガバミズアオイ:長葉水葵(何とかわかった名前)

2013-09-21 08:42:49 | 日記

最近あるイベントの宣伝チラシに載っていた淡青紫色の花が気になり、主催者に訪ねましたが、わからないとのことでした。友人に聞いても知らないといいます。
その花が、比叡山のガーデンミュージアム内の池畔に咲いていました。
改めて適当な名前を打ち込んでネット検索してみるとナガバミズアオイ:長葉水葵(ミズアオイ科ポンテデリア属というのが出てきました。
北アメリカ東部原産で、浅い水中や湿地に生える多年性の抽水植物で高さは60~150㎝、穂状に花序を伸ばし淡い青紫色の花を多数つけます。
変種にホソナガバミズアオイというのがあり、この方かもしれません。
なんにせよ、気になっていた品種名に近づけたことで、ともかくはモヤモヤが消えました。

オトコヨウゾメ(食べられない実が名前の由来?)

2013-09-15 14:17:47 | 日記

オトコヨウゾメ(スイカズラ科ガマズミ属)が赤い実をつけています。
この変わった名前の由来は定かではありませんが、ガマズミ類をヨソゾメ、ヨツゾメなどと呼ぶ地方があり、ガマズミ似ていて、本種の果実が細く痩せていて食用にならないことから男を冠してオトコヨウゾメとなったのではないかとの説があるそうです。
果実は長さ5~8㎜の楕円形で、9~11月に赤く熟し、核は長さ5~7㎜の広卵形です。
山野の日あたりのよいところに生える落葉低木で、高さは1~3mになります。葉の長さは3~7㎝で薄く、裏面脈上に白い長毛がまばらにあり、乾けば黒くなるのが特徴です。
晩春、2枚の葉のある短枝の先の長さ1~2㎝の柄の先に、薄紅色を帯びた白い花を5~10個ずつ垂れ下がってつけます。2011年4月29日記事