淀川右岸高槻鵜殿の下流側に、ヨシ再生のために、淀川の水面に近づくように切り下げられた広い土地があります。切り下げられただけに、湿地状になった部分があり、長年地中にうずまっていた種子が、切り下げにより地表に出て芽生え、絶滅したと思われていた希少種が復活したといううれしい話も聞きます。
一方、様々な外来種も抜け目なく進出してきています。その一つで、目立っているのがコゴメイ:小米藺(イグサ科)です。
図鑑では1990年ごろに、関東、中部、近畿の沿海地の河川敷で発見され、その後各地に急速に分布を拡大した、原産地と学名が不明な、外来多年草となっています。
茎の高さ80~150㎝、円筒形で多数の縦筋があり、葉は葉鞘のみで葉身はなく、葉鞘の上部で直径2~5㎜になります。
畳に使われるイ(藺草)は、灯心草といわれるほどで、茎の内部に白い髄が詰まっており、また全体にさわやかな香りがあります。藺草で作った畳の柔らかいクッション性と香りが、「なんとかと畳は新しいのがいい」といわれるゆえんです。
ところが、コゴメイの髄は階段状で空隙が多く弾力性はありません。いい香りもしません。
もちろんコゴメイは畳にはなりませんが、改めて「畳は藺草に限る」です。