刈り込まれた低い垣根のボックスウッド:セイヨウツゲ:西洋黄楊(ツゲ科ツゲ属)が小さい花をつけています。
地中海沿岸(南ヨーロッパ・北アフリカ)や西アジアに自生し、日本には高知県安芸市の須藤信喜氏が北米から持ち帰り、繁殖栽培し、全国へ普及したといわれています。常緑性低木で小さい葉が密生し、刈り込みに強いことから庭木や生垣などによく用いられています。
ボックスウッドの名でよく知られていますが、“BOX”を辞書で引くと原義は「ツゲで作った箱」となっており、"BOXWOOD“では「ツゲ」または「ツゲ材」となっています。
英語で「箱」を意味する名詞 box は、俗ラテン語の buxis、更には古代ギリシア語の πυξίς (pyxis; ピュクシス)に由来するといい、さらにこの語はセイヨウツゲを指す πύξος (pyxos; ピュクソス)から派生したものだそうです。古くから細工物に使われ、セイヨウツゲの材で作られた小箱を「ピュクシス」と呼んだものが、のちに小箱一般を指すようになったといいます。
ギリシャの小箱は化粧箱のことだそうですから、日本でツゲの櫛が高級品となっていることと不思議な共通点があるといえそうです。