むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

キキョウラン:桔梗蘭(実も桔梗色) 

2015-10-31 08:56:16 | 植物観察記録

沼島のシンボルの上立神岩展望への道端で碧紫色の実をつけた草を見つけました。初めて見るこの草はキキョウラン(ユリ科キキョウラン属)というとガイドさんに教わりました。
花色がキキョウに似ていることからこの名あるというキキョウランは暖地の海岸にはえる常緑の多年草で、葉は2列に互生し、長さ50~60㎝、幅1~2㎝の広線で厚くて光沢があります。
花茎は高さ0.5~1mになり小さな線形の葉がつきます。4~7月、青紫色の花を円錐形にまばらにつけます。花被片は長さ約6㎜の狭長楕円形で反り返ります。
秋熟す果実は直径0.8~1㎝の球形の液果で、きれいな青紫色です。
1本しかなかったキキョウラン、何かないかときょろきょろしていた甲斐がありました。

ハスノハカズラ;蓮葉蔓(目を引く赤い実)

2015-10-30 08:38:29 | 植物観察記録
center>いつぞや一度見たいと思って、かつての由良要塞の砲台群が今も残っている淡路島生石岬へハスノハカズラ(ツヅラフジ科ハスノハカズラ属)を訪ねたことがありました。
西日本には比較的に多く、関東にはないというそのハスノハカズラが沼島のいたるところに生えていて、たくさんの赤い実をつけていました。
海岸に近い林のふちなどに生える常緑のつる性木本で、ハスの葉のように、葉柄がハスのように葉柄が葉の裏面に盾形についているのでこの名があります。
雌雄別株で、7~9月、葉のつけ根に淡緑色の小さい花が多数つき、果実は直径約6㎜の球形で、11月ごろ赤く熟します。花は淡い緑色で小さくあまり目立ちませんが、葉脇に沢山つく赤くつやつやした実は常緑の丸く大きい葉の間で人目をひきます。

マルバグミ:丸葉茱萸(ふっくりとした花) 

2015-10-29 08:39:05 | 植物観察記録
沼島の海辺、赤い実をつけたマルバアキグミの隣に、白い花をつけたグミの群生があり、白い花をつけていました。
く見ると大阪近辺でよく見かけるナワシログミの花に比べて、すこし感じが異なります。
昨日のマルバアキグミと同じように海岸、沿海地の林縁や崖の縁などに生えるマルバグミ:丸葉茱萸(グミ科グミ属)と見ました。
本州、四国、九州、沖縄の海岸地に分布する常緑低木で高さは2~4mになります。
互生する葉は長さ5~10㎝、幅4~6㎝の広卵形で、枝や葉脇に棘はありません。
グミの仲間の花には花弁はなく、筒状の萼片の先が2または4裂し花弁のように見えるのですが。このマルバグミの花は、同時期に咲くナワシログミに比べ萼筒が短くて萼片とほぼ同長、ふっくりと膨らんだ感じがします。
3~4月に熟す果実は長さ1..5~2㎝の長楕円形で、表面に白い鱗状毛が密生するので白っぽく見えるとあります


マルバアキグミ:丸葉秋茱萸(海岸型のアキグミ)

2015-10-27 11:10:18 | 植物観察記録
font size="2">沼島の海みも辺の砂浜に赤い実をたわわにつけたグミがありました。
大阪近辺でよく見かけるアキグミに比べて葉が丸みを帯びています。心なしか実の粒も大きくておいしそうです。
どうやら本州関東地方以西、四国、九州の海岸の岩場や砂浜などに生育するというマルバアキグミ:丸葉秋茱萸(グミ科グミ属)のようです。
葉身は長さ3~7㎝、幅2~4㎝の卵円形~広い楕円形、アキグミ比べて幅が広く、質は厚く、鱗状毛はアキグミより密生します。
アキグミの海岸型といわれ、風当たりの強い岩場にも生えます。

アゼトウナ:畦唐菜・畦冬菜 (岩場に咲く) 

2015-10-27 10:51:30 | 植物観察記録

古事記の国生み神話の地として、最も有力とされる淡路島の小島「沼島」へ行ってきました。
島に伝わる様々な歴史的な跡を訪ねる旅でしたが、ガイドさんの話を聞きながらも、例によって海浜の植物の姿を探していました。地質的に約1億年前といわれる独特の岩石よりなるこの島は、海から直接立ち上がっていて、海岸への道は少なく、時間も限られていて海辺への立ち寄りはあまりできませんでした。
わずかに近づいた海辺の岩場(緑色片岩?)に咲いていたのがアゼトウナ:畦唐菜・畦冬菜(キク科アゼトウナ属)です。
伊豆半島以西の海岸の岩場などに生える多年草で、冬場でも比較的暖かい海岸の岩場に生え、岩の隙間に根を下ろし高さは10~20cm、茎は太くて短く、根茎状になり先端に根生葉をロゼット状につけます。根生葉はふつう長さ3~10cmの倒卵形でやや肉質、ふちには鈍い鋸歯があり、そのわきから四方に側枝が分かれて斜めに立ち長さ15~20cm、やや厚い葉がつきます。
花は晩秋、舌状花からなる頭状花は黄色で、直径1.5cmくらい、総苞は1cmくらいで黒みがかった緑色を呈します。
このところ何日間も晴れて乾燥が続いていましたが、岩場にへばりついたアゼトウナは萎れることもなかったのは、この肉厚の葉が水分の蒸散を防いでいたからでしょう。
海浜植物なのに名前に田んぼの畦が入っているのはなぜなのか、調べてもわかりませんでした。

ウスノキ・臼の木(臼に似る凹んだ果実)

2015-10-18 10:43:17 | 植物観察記録

山道の足元にすこし紅葉した低木の葉陰に小さい真っ赤な実が見えました。
近づいてよく見ると、実の先端が5角形に凹んで面白い形です。
葉を噛むと酸っぱいスノキ:酢の木の仲間で、果実の先端がやや角ばった凹形になるので、これを臼に例えてウスノキ:臼の木またはカクミノスノキ:角実の酢の木と呼ばれるツツジ科スノキ属の落葉低木です。
日当たりのよいところに生え、よく枝分かれし高さは1m程になります。
5~6月に長さ約6㎜の鐘形の花をつけます。花はスノキに似ていますが、ウスノキは萼に5個の稜があります。
同属のスノキ(酢の木)と、木や、花や、葉の形がよく似ていて普段はすこし区別し難いのですが、秋になればスノキは黒紫色であるのに対し、ウスノキは赤く熟し、形もユニークですから区別は容易です。
ウスノキもスノキも実は熟せば食べられます

オオミムラサキコケモモ:大実紫苔桃(きれいな果実は観賞用) 

2015-10-15 18:54:20 | 植物観察記録

高槻北部神峰山の森自然園の遊歩道に、紫色の実をつけたつる状の草がびっしりと張り付いていました。
何年か前に入口付近に生えていたのがいつの間にか消えてしまったと思っていたのに、場所を変えて以前より盛んに茂っていたのです。
熱帯アジアの原産で、常緑の匍匐性多年草で7~10月淡紫色のミゾカクシやロベリアに似た花をつけます。
パープルクランベリーの名で流通していますが、クランベリーは果実が菓子やジャム、クランベリージュースなどの原料となるツツジ科スノキ属ツルコケモモ亜属に属する常緑低木のことで、本種とは全く異なります。名前にコケモモやベリーの名がついていても、形だけのことでオオミムラサキコケモモの果実は食べられません。きれいな果実はもっぱら観賞用です。

ヤマミズ:山みず(茎頂にも咲く)

2015-10-13 09:45:54 | 植物観察記録

比叡山山頂の道端にヤマミズ:山みず(イラクサ科ミズ属)が花をつけていました。
本州関東地方以西、四国、九州に分布し、山地の木陰で湿り気のある場所に生え、草丈10㌢~20㌢になる1年草で、葉は対生し、有柄で、長さ4~6㎝の広卵形、先は短い尾状で、縁には粗い鋸歯があります。
9~10月、上部の葉腋に2~3㎝の柄をだし、淡緑色の花を雌雄混生して密につけます。
ほかのミズ類はと違って、ヤマミズは茎頂を含めた上部の葉脇に花序を出すことが特徴です。
比叡山頂で見たヤマミズの群落は、高さが揃っていて、上から見るとある種のパターン模様を呈していました。

サンインヒキオコシ:山陰引起こし(アキチョウジに似る) 

2015-10-12 10:31:20 | 植物観察記録

比叡山から坂本側へ下る道のひとつの、頂上すぐ近くの木陰に淡青紫の花をつけたシソ科の花を見つけました。
葉など全体の形はヒキオコシ:引起こしに似ていて、花はアキチョウジ:秋丁子に似ている感じです。
仲間とともにいろいろ調べた結果、サンインヒキオコシ:山陰引起こし(シソ科ヤマハッカ属)ではないかということになりました。
サンインヒキオコシは北陸地方の西部から山陰地方・九州北部に分布する多年草で、夏緑広葉樹林の林床や林縁などに生育します。茎は高さ40~80cm、葉は対生し、基部は楔形になり、葉の縁には尖った鋸歯があり、表面には毛が散生し、中央脈上にはねた毛が密生します。
花は8月から10月、淡紫色で、花冠の上唇は4裂し上方に反り返ります。花の後部にはぷくっとふくれた距のようなものがあるのも特徴のひとつです。
花だけ見るとヒキオコシというよりアキチョウジに感じがします。

アケボノミヤマシキミ:曙深山樒(変種か個体差か) 

2015-10-10 18:14:43 | 植物観察記録
紅色花

白色花
比叡山山頂を縦に通じる東海道自然歩道を歩いていると、ミヤマシキミ:深山樒(ミカン科ミヤマシキミ属)の群生に出会いました。
多くの株がつぼみをつけ、ところどころに赤い果実も見えます。
同じところにありながら、葉の巾が違ったり、つぼみの色が普通白いのに、紅色を帯びているのがあったりしました。
単なる個体差かと思って気にもとめなかったのですが、帰って調べてみると、“花が淡紅色を帯びるのをアケボノミヤマシキミという”とありました。
アケボノミヤマシキミは、ミヤマシキミの変種で、高尾山で発見され、関東地方以西に分布し、ミヤマシキミに比べて萼と花柄が紅色を帯び、花弁とつぼみもやや紅色を帯びるとなっています。
さだかではないにしても、アケボノミヤマシキミらしき木に出会えたのは、比叡山頂縦走の収穫でした。個体差と片付けて写真を撮ることも怠りましたので、同行の友人の写真を使わせていただきました。
このブログを始めて以来10年たちますが、他人の写真を使わせてもらったのはこれが2度目の出来事でした。
果実