東海道自然歩道の一方の起点である高尾山は、東京都八王子市にある標高599mの山で、東京都心から近く、年間を通して多くの観光客や登山者が訪れます。ことに最近「ミシュランガイド東京」の旅行ガイド版「ミシュラン・ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン」で、高尾山が観光地として三つ星をしたことから、折からの山ガール人気も手伝って、先週登ったその日も老若男女の登山客でにぎわっていました。
高尾山は標高僅か599mの低く小さい山にすぎないのに、植物の酒類は極めて多く、1966年の調査では1508種を数え、その数は日本全国に生育する植物約5300種の約20%に当たり、イギリス全土をしのぐ数の植物が見られ、都市近郊にのこる奇跡の山といわれています。
鮮やかな新緑のなかを、4号路から頂上、頂上から6号路を下りましたが、春の花が終わって端境期にあたるのか、花の数は期待ほどではありませんでした。
イナモリソウ
道端のあちこちに咲いていたのがイナモリソウ:稲盛草(アカネ科イナモリソウ属)です。
本州関東以西、四国、九州の山地の湿ったところに生える多年草で、地下茎は細く地中を這います。葉は4又は5枚、長さ3~6㎝、葉間に托葉があります。5~6月淡紫色な花が咲き、花は長さ約2.5㎝漏斗型で、先は5つに分かれます。
道筋に咲いているイナモリソウを何枚も写真に撮って、帰って見てみると少し様子の違う花があるのに気が付きました。
ホシザキイナモリソウ
あれっと思ってネットで調べてみると、ホシザキイナモリソウ(星咲稲盛草)というのがありました。
ホシザキイナモリソウは、イナモリソウの変種で、高尾山で最初に発見され発表された植物といいます。基本種の花被片はふつう5片ですが、本種は6~7裂片に裂けることもあり、裂片は狭くて、縁がまくれているのが特徴となっています。
歩いているうちに次々きれいな花が出て来るので、無駄だと思いながら、何枚も写真を撮ったおかげで、2種類のイナモリソウに出会えたことがわかりちょっぴり嬉しくなりました。