むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

オオバヒョウタンボク:大葉瓢箪木(瓢箪にはならない)

2018-03-24 10:11:15 | 植物観察記録

植物園にオオバヒョウタンボク:大葉瓢箪木(スイカズラ科スイカズラ属)が咲いていました。

別名アラゲヒョウタンボクともいわれ、本州の脊梁山脈の山地に多く見られる落葉低木で、高さは1~2mになります。対生する葉は両面ともに毛があり、縁や裏面の脈上、葉柄には開出する長い毛が多くつきます。

この仲間は、真っ赤に熟す果実が2個くっつくので、多くはヒョウタンボクの名がつきますが、オオバヒョウタンボクは2個並んで付き合着はしません。

 


アメリカハナノキ:亜米利加花の木(花はいまひとつ) 

2018-03-22 17:24:56 | 植物観察記録

万博公園日本庭園の門前にアメリカハナノキ:亜米利加花の木(ムクロジ科カエデ属)の雄花が咲いていました。北米東部原産の落葉高木で、高さ15~20m、大きいものでは40mにもなります。枝には白い皮目があります。

雌雄別株、花は橙紅色~濃紅色で、前年枝の葉脇に束生します。万博公園には雌雄並んで植えられていますが、雌花の方はまだ咲いていませんでした。

日本のハナノキは隔離分布で知られていますが、極めて近縁とされているアメリカハナノキとは、氷河期陸続きであったべーリング海(地峡)を挟んで北アメリカと東アジアに分布していた同じカエデ属を祖先としているという話があり、現在も両者はベーリング挟んだ隔離分布といえるでしょう。

赤い花が美しいハナノキの別名がハナカエデ、紅葉が美しいアメリカハナノキはベニカエデということは、写真のようにアメリカハナミズキの花はそれほどでもないということでしょうか。


ケクロモジ:毛黒文字(違いは花にも)

2018-03-21 10:07:10 | 植物観察記録

春先の植物園にケクロモジ:毛黒文字(クスノキ科クロモジ属)の花が咲いていました。

本州、四国、九州の山地に生える落葉低木で、高さは3メートルほどになり、葉は狭倒卵形で、長さ8~16センチで全縁。葉には名前の由来である短毛が密生し、葉脈が裏に著しく隆起する特徴があります。

雌雄別株で、早春葉と同時に小さい黄緑色の花を付けます。

花は普通のクロモジに比べて密についていて(‘06年4月11日記事)あたかも新芽が花に包まれて伸びだそうとしているようです。クロモジとの違い葉だけだはなさそうです。


ヒスイカズラ:翡翠蔓(珍しい翡翠色の花) 

2018-03-16 11:26:50 | 植物観察記録

各地の植物園では、時季時季によって今咲いている面白い花を取り上げて紹介しているものです。3月初めの宇治い植物公園では、それが温室にい咲いているヒスイカズラ:翡翠蔓(マメ科ヒスイカズラ属)でした。

フィリピンのルソン島、ミンドロ島などの雨林や小川のそばなどの樹木に絡みつくつる植物で、植物の中では珍しい翡翠色の花をつけます。花は直径約6cm、偽総状花序は3mになることもあります。受粉の媒介はコウモリで、コウモリが蜜を貰うために花にぶら下がると雄しべ、雌しべがあらわれ、その際に花粉がオオコウモリの頭につき、違う株の花粉を運ぶ役をします。共進化の分かりやすい例とされています。1つ1つの花は長さ6~8センチの爪形で、翡翠のような青緑色をしています。和名のヒスイカズラは英語のJade vineの直訳です。開花は数日で終わり、花はぼとぼとと落ちます。宇治市植物公園でもすぐ落ちるので手を触れないようにと注意書きがありました。

葉は3出複葉で、小葉は楕円形で先がとがり革質です。

原産地では森林の伐採により自生のものは全滅寸前といわれ、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリスト(絶滅危惧種)に登録されています。