今年の桜は文字通りパッとさいてパッと散ってゆきました。
江戸末期から明治初期に生まれたといわれるソメイヨシノ:染井吉野は(バラ科サクラ属)は、日本の桜の代表として桜全体の8~9割を占めるといわれるほどになっています。
そんな染井吉野ですが、あまりにもありふれているためか“むかご”に登場することがありませんでした。20数年前今のところに移ったときに植えた土手のソメイヨシノがずいぶん大きくなって、窓から花見ができるほどになっています。その木は今年咲き始めてわずか5日目の雨でずいぶん散りました。
道に散り敷いた花びらもこの桜の美しさの一つでしょう。(写真)
話題の多いソメイヨシノを考えてみました。
人気の理由
・葉より先に開花し華やか。
・一重なるも淡紅、満開に至って淡色、散り際花底より紅をさす、
大輪で、花梗(萼筒)長し
・生長が早く、若木から開花。10年で開花、20年で壮木、30年で名木?
・整った樹形で、並木などに適す
・接ぎ木、挿し木が容易で繁殖に適す
・クローンで、一斉開花。本州での開花標本木に
欠点
・病虫害に弱い
(サクラテングステ病、コフキサルノコシカケ、アメリカシロヒトリなど)
・寿命が短い
・あまりにも多いので、遺伝的攪乱の可能性
諸説あるソメイヨシノの起源
・幕末ごろ江戸染井村の植木屋伊藤伊兵衛政武が開発して売り出した。はじめは吉野山にちなんで吉野桜といったが、吉野の桜と違うため明治23年(1890)藤野寄命がソメイヨシノと命名。翌年松村任三が正式に学名として命名
・大正5年(1916)米植物学者ウイルソンによってオシマザラ+エドヒガンの雑種と発表
・1965年竹中要が交配実験によってオオシマ+エドヒガン雑種説を証明のうえ、伊豆半島自然発生説を
唱える
・済州島に近似種があることから、済州島から渡来説があり、今も韓国内では主張されているが、日本の学者は否定
・北アメリカの学者が雑種起源ではなく独立種説を出すなどソメイヨシノの起源論争は今も続いている
とこんなところでしょうか。