ヤシャゼンマイ (ゼンマイ科ゼンマイ属) はゼンマイにごく近縁なシダで、外見は非常によく似ていますが、異なる点は葉が細いことで、特にゼンマイの小羽片は、基部が丸く広がり、耳状になるのに対して、本種は狭くなっており、植物体も一回り小さくなっています。
日本固有種の夏緑性多年草で北海道南部から九州東部にかけて分布します。栄養葉は長さ30~50cm、胞子葉は春早く栄養葉に先立って高く立ち多数の胞子嚢を密生します。
ヤシャゼンマイは、流水に耐える形をもったいわゆる渓流植物の特徴を備えています。生育環境ははっきりしていて、必ず渓流の脇の岩の上の、増水すれば冠水するようなところに生えます。ゼンマイも湿ったところが好きですが、渓流のすぐそばには出現せず、ヤシャゼンマイとは住み分けています。
和名はゼンマイよりも痩せているからヤセゼンマイとか、ヤシャゴからきているとかの説があります。
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