むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

ウドカズラ:独活蔓(葉に特徴) 

2016-11-21 12:48:11 | 植物観察記録
奈良春日山原始林を歩いているのに、季節はずれだったり、幹が高かったりして、なぜか葉や果実を見ることができなかったウドカズラ:独活葛(ブドウ科ノブドウ属)が、春日山北遊歩道の入口付近で見かけました。本州紀伊半島以西、四国、九州に分布する落葉性のつる性植物で他物からみついてよじ登ります。
葉がぶどうの仲間ではまめずらしい羽状複葉でウコギ科のウドに似ているからこの名があります。
よく見ると、赤や黒の果実が房状についています。夏、大形の集散花序をだし、小さな両性花が集まってついていたのが今熟しています。果実は液果で直径約7mmの球形で、赤色から黒色に変化します。
春日山原始林では、巨木、古木に這い登る葛の類が目につきます。直径が10cmを超えるような蔓をみるとこれがテイカカズラやノダフジなどといわれても実感出来ないような大きさです。そのなかでウドカズラは、幹と直角に多数の気根ともいわれる枝状のものをだすので、高いところにつく葉の形を見るまでもなく特定できます。


ニシキアオイ:錦葵(強害草の予備軍?) 

2016-11-19 18:17:17 | 植物観察記録



高槻北部の田んぼの縁に小さい紫色の花をつけた見慣れぬ草がありました。
外来種と思われるのですが、花の形や毛が生えた萼片など一見すると、ナス科のようにも見えるので、帰っていろいろ調べましたが見当たりません。
ややあって同行の仲間から、ナス科ではなくアオイ科のニシキアオイ:錦葵ではないかとの連絡がありました。
ニシキアオイは、メキシコ原産の一年草で、南北アメリカ、地中海沿岸域、豪州などの温帯~熱帯に分布します。互生する葉は三角状鉾形大小の鋸歯があり両面に毛が生えます。
花期は夏から秋、花は葉腋から伸びた花柄の先に単生し、萼は5裂し、紫色の花弁5個があります。
果実は10~20個の分果になります。
土壌の種類を選ばず畑地、道端、荒れ地などに生育するため、外国では強害草となっているそうですが、今のところ日本ではそれほどの広がりを見せていないようです。