むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

カラスシキミ:烏樒(シキミの名がついているが) 

2017-06-18 09:23:48 | 植物観察記録

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美山の里大久保の樹林下にカラスシキミ:烏樒(ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属)が青い実をつけていました。
日本固有種で、鳥取県以北の日本海側、北海道に分布し、やや高い山地の林内に生育します。
互生する葉は、長さ4~12㎝、幅1~2.5㎝、縁は全縁で表面には光沢があり、葉脈はへこみ、そのぶん裏面の主脈は著しく隆起します。
雌雄別株で、6月ごろ新枝の先端に白色の花を数個頭状につけます。
果実は液質の核果で、7~8月に赤く熟しますが、有毒です。
赤く熟す果実がミカン科のミヤマシキミに似ているので、カラスシキミの名がついたといわれます。


アサクラザンショウ:朝倉山椒(葉も実も大ぶり)

2017-06-11 16:44:33 | 植物観察記録
美山の里大久保のベニバナヤマシャクヤクを見にいったとき、隣に大きい葉をつけたサンショウを見かけました。
アサクラザンショウ:朝倉山椒(ミカン科サンショウ属)です。
兵庫県八鹿町朝倉の自生品がもとになり、接ぎ木で全国に広まりました。枝に棘がなく種子がサンショウより大きく収穫しやすいのでよく栽培されています。
大久保でもサンショウが栽培されているそうですので、栽培用の接ぎ木苗が逸出したものかもしれませんが、もともとの自生地は日本海側の多雪地帯といいますから、大久保もこれに当てはまるのでもしかしたら自生のものだったかもしれません。

オニヒカゲワラビ:鬼日陰蕨(山菜の雁足?)

2017-06-07 14:25:44 | 植物観察記録



山菜となる新芽

美山大久保のベニバナヤマシャクヤク群生地の傍らにこれも大事にされている気配のシダの群落がありました。
オニヒカゲワラビ:鬼日陰蕨(イワデンダ科ヘラシダ属)です。
山地のやや陰湿な林下に生じる常緑性シダで、北方のものは夏緑性となることがあります。
根茎は太く横走し、葉は混みあってつき、葉柄は長さ30~60cm、緑色~わら色、基部は汚褐色で鱗片があり、 鱗片はやや密につき、狭披針形、先端は細長くとがり、黒褐色~茶褐色、膜質、縁に突起があます。
地元の人はこの新芽を採集して、ガンソク(雁足)の名で山菜として出荷するといいます。
新芽はコゴミに似ていますが、表面はつるつるしていて、噛むと粘りがあり、しっかりとした独特の味わいがあるといいます。
新芽を摘んでも後から後から出てくるとか、地元の人の小遣いに稼ぎになっているらしいオニヒカゲワラビの新芽は名の通り少しいかつい感じです。