むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

ヤブサンザシ:藪山櫨子(目立つ子房のふくらみ) 

2013-04-30 09:37:56 | 日記
雄花雌花
山野でまれに見られるともいわれるヤブサンザシ:藪山櫨子(ユキノシタ科スグリ属)が、能勢高代寺への登山路でたくさん見られました。
落葉の低木で高さは約1m、葉は互生し、長さも幅も2~4cmほどで、掌状に切れ込み、ふちには欠刻状の浅い鋸歯があります。
雌雄別株で、4~5月直径6~8mmの小さな花を数個ずつ束になってつけます。黄緑色の花弁のように見えるのは5個の萼片で、本当の花弁はごく小さくなっています。
雄花の雄しべは5個、花糸は短く、葯は萼筒に直接ついているように見えます。雌花には雄蕊もありますが退化して小さく稔性がなく、子房のふくらみが目立ちます。
果実は液果で、直径7~8mmの球形、10-11月に赤く熟します。欧米では果樹としての利用が盛んで多くの栽培種があります。
キヒヨドリジョウゴの別名があります。

ミズバショウ:水芭蕉(桜の埋め合わせ?)

2013-04-29 09:29:34 | 日記
みちのく花絵巻4日間というツアーに参加しました。
開花予想を考えて日程を選んだつもりが、東北地方は開花直前に冷え込みがつづき、予想が大きく外れてせっかくの桜の名所も蕾だけという花無き花絵巻となりました。
埋め合わせということで、当初の行程になかったところへ連れてゆかれたのが、刺巻(さしまき)湿原の水芭蕉群生地でした。
刺巻湿原のミズバショウ(サトイモ科ミズバショウ属)群生は、田沢湖に近く、今では単線ながら秋田新幹線が走るJR田沢湖線刺巻駅のすぐそばで、国道46号線からも見える広いハンノキ林に囲まれています。国道や鉄道路線に近い山間湿地帯一面にこれだけの群落があるのは珍しく、学術的にも貴重なものとされています。ミズバショウとザゼンソウが混じって咲いているのも珍しいことです。
尾瀬、戸隠、栂池、天生、乗鞍、鬼無里、飯綱など各地のミズバショウ群落を見てきましたが、規模と密度において刺巻湿原はどこにも負けないものと見ました。
日暮れ近く薄っすら霧も出始めた群生地を一見して歓声を上げたツアー客は、桜はなくてもすっかり元を取った気分になっているようでした。
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トリガタハンショウヅル:鳥形半鐘蔓(苦労して撮りなおしたが)

2013-04-28 07:48:39 | 日記
能勢の山道で、仲間が目ざとく見つけたのがトリガタハンショウヅル:鳥形半鐘蔓(キンポウゲ科センニンソウ属)です。
昨年これも能勢の妙見山で同じものを見かけ”むかご”に取り上げましたが、写真に撮るのが難しく不満足なものでした。
今度こそはと、道より低い急傾斜にへばりついて、花の下からシャッターを切りました。花の外面の白い毛はしっかり撮れていましたが、苦労した割に写真はいまひとつの出来でした.
トリガタハンショウヅルは高知県の鳥形山で発見されたとかでこの名があるつる性の低木で、ハンショウヅルに似ていますが、あまり大きくならず、花は淡黄白色で、萼片は薄く、外面に白毛があります。花柄は葉柄よりもかなり短いのも特徴です。