土の中から一瞬猟奇事件か思わせる人間の手首状のものが突き出ていました。
よく見ると土から顔を出したばかりのハチク:淡竹(イネ科モウソウチク属)の筍でした。
節ごとに互生する竹の皮がまだ広がらず筍の先端にかたまって水平に並んでいるのが、ちょうど人間の手の指のように見えていたのです。
ハチクは、もともと原産地の中国から渡来し、本州から九州に植栽されたものが広がったとされますが、山中に野生化したものがあるので、もともと日本に自生していたという考えもあります。
マダケより一回り細いハチクは材が緻密で粘りがあるので、茶筅やすだれなどに用いられ、モウソウチクヨリ少し遅れて出てくる筍は、香りがよく、モウソウチクの筍より美味という人もいます。
少し隣に伸び始めた筍があり、普通の形をしていたので何やらほっとしました。