高尾山自然研究4号路が頂上近くになるころ、路の両側にイヌブナ:犬橅(ブナ科ブナ属)の成木が目立ち始めます。
一帯は高尾山北斜面の森を代表する自然林で、イヌブナを中心とするので、イヌブナ林とも呼ばれています。
ブナより少し標高の低いところに生え、太平洋側のやや乾燥したところに多く、中部地方以北の多雪地帯にはほとんど分布しません。
高さ25m、太さ直径70㎝にもなる落葉高木で、萌芽力が旺盛なところから、主幹が枯れてもひこばえが成長することによって個体としての生命を維持するといわれています。
道理で高尾山のイヌブナも、多くは根元からひこばえを伸ばしていて、手の届くところで若く大きい葉を広げていました。