志摩半島最南端の麦崎灯台の近くにカジイチゴ:梶苺(バラ科キイチゴ属)が、黄色い実をつけていました。
人家の庭先に植栽されているのをときどき見かけますが、本来の分布地は州関東から近畿までの太平洋岸や伊豆諸島など海岸か沿海地となっています。内陸の庭や公園にふつうに植栽されている植物を本来の自生地で見かけるのは何やら懐かしい感じで嬉しいものです。
高さ2~3mほどになる落葉低木で、和名の梶苺は、葉の形がカジノキに似ていることからきています。木苺にしては葉が大きいにしても、葉の形や質感は、必ずしもカジノキの葉に似ているとは思えません。
若枝にとげがあり、葉柄、花序にある腺毛、軟毛も古くなるとなくなります。
花は晩春、径約3cmで、白い花を横向きに咲きます。
初夏に熟す黄色の果実は、よそ様の庭のものでは味わうことができませんでしたが、自生地の麦崎では遠慮なくいただきました。大きい葉の割には小ぶりの苺でしたが、なかなかいける味でした。