延長15回が終り、決勝戦が再試合になる。私と同世代以上の人は34年前の青森三沢高校と愛媛松山商業の延長18回と再試合の決勝戦を思い出した事と思います。34年前の太田vs井上と同様に斉藤vs田中という素晴らしい投手戦が繰り広げられらのです。
夏の甲子園での試合が始まるまでは、斉藤は良い投手だが駒大苫小牧の田中がの方が力があるとの評判でした。実際、昨年甲子園での駒大苫小牧優勝後の秋に行われた国体準決勝(神宮球場)では、斉藤は苫小牧打線に完璧に打ち込まれ完敗したのです。
それから一年をかけ、早稲田実業野球部は何が変わったのか、みてみましょう。
第一に白川捕手の成長です。斉藤は良い投手です。投手の力の第一はスピードです。しかし140kmを超えるストレートがいくら威力があっても、それだけでは打者はやがて目が慣れてくるものです。
ストライクを取るには二つの方法があります。一つはストライクのボールを投げてストライクを取る方法です。もう一つはボールを振らせてストライクを取る取り方です。斉藤は鋭く曲がりながら落ちるスライダーを身につけ、空振りを誘うテクニックを身につけていました。
しかし打者を空振りさせるほどの投球は、例えストレートであっても捕球するのは、とても難しいのです。肩の強さを買われ投手から捕手に転向させらた白川捕手も最初のうちは斉藤投手の球が見えず、ストレートさえも捕球できなかったと語っていました。そのため斉藤投手は捕手が球をそらせるのを恐れ、昨年の神宮では低めへのスライダーを投げられなかったのです。それで相手打者にとっては狙い球が絞りやすくしなったのです。
白川君は捕球技術を高めるため、全体の練習とは別に、低めに設定した投球マシーンで毎日150球の捕球練習をし、アザだらけになりながらもワンバウンドした球を体で止め決して後ろにそらさない技術を身に付けたのです。その結果、白川捕手は甲子園で斉藤投手が投げた900球を超えるボールを、ただの一球も後ろにそらさなかったのです。
一回目の決勝戦で三塁走者がスタートしたのを見て打者のスクイズを見破った斉藤投手は、スクイズを外すためにワンバウンドの球を投げたのです。白川捕手が後ろにそらせば、この失点で早稲田実業は負けていたのです。白川捕手が絶対に止めてくれるという信頼があってあの珠は投げる事ができたのです。投手の球を生かせるかどうかは、大きく捕手にかかっているのです。星一徹が飛馬の進学先を選ぶ時に甲子園常連校を選ぶのではなく、伴宙太と言う捕手を探し出し柔道部から引き抜いて野球部入りさせたのも、うなづけます。
第二に斉藤投手のフォーム改善にあります。ボールのスピードは、指、手首、腕、肘、肩、腰、足の踏み出しと体重移動という一連の動作がバラバラでなく、一本のムチがしなるように動くことにより速くなります。ちょうと3段ロケットが各ロケットの最高のスピードに達した時に次のロケットに点火され、スピードを加速させるのと同じです。
普通本格派と言われる投手は頭上で大きく手を振りかぶります。斉藤投手は振りかぶらずに、手を胸の前で止めるセットアップでの投球に変わりました。その一方で斉藤は投球の時に上げた足を、より内側に入れる事により腰のひねりを深くし、5km程スピードアップさせる事に成功したのです。
更に斉藤は春の選抜を一人で投げぬく中で、必要なペース配分ができるようになっていました。相手の中軸打者には140km台のスピードボールを投げる反面、下位打者には120km台で打ち取るという攻め方をし、体力を温存したのです。見事というしか言葉か言葉が見つかりません。
白川・斉藤選手の成長や早稲田実業の野球部の進化の要因は、何と言っても駒大苫小牧という大きな目標があったからです。目標があったから、早稲田実業はそれまでの野球を変えなければならなくなったのです。ライバルは、自分の弱点を映し出してくれる鏡のようなものです。試合の中で露呈した自分達の課題を正しく受け止める事により、目指すべき自分達の方向が鮮明になるのです。早稲田実業は駒大苫小牧を意識することのより自分達のチームの作り替えに成功し、それが優勝につながったのです。
だからライバルは必要なのです。ライバルを尊重できない者に成長はありません。いくらショーだと言っても、相手を落としめる言動を繰り返していては、成長は難しいのです。
最後に、見ごたえのある決勝戦でしたが不満が2つあります。第1は、再試合の日程です。連投につぐ連投が、高校生の健康と投手生命を奪うのではないかという心配を誰もがしたのではないでしょうか。早稲田実業の監督も「斉藤は大丈夫としか言わないから健康管理が難しい」と愚痴をこぼしていました。将来のある高校生です。翌日再試合という日程は、ぜひ考えなおしてほしいと思うのです。第2は、斉藤投手の野球以外の記事を書きたてるその後の報道合戦です。亀田の次は斉藤ですか。子どもで金儲けをしようとする卑しい精神は報道とは無縁だと思います。
夏の甲子園での試合が始まるまでは、斉藤は良い投手だが駒大苫小牧の田中がの方が力があるとの評判でした。実際、昨年甲子園での駒大苫小牧優勝後の秋に行われた国体準決勝(神宮球場)では、斉藤は苫小牧打線に完璧に打ち込まれ完敗したのです。
それから一年をかけ、早稲田実業野球部は何が変わったのか、みてみましょう。
第一に白川捕手の成長です。斉藤は良い投手です。投手の力の第一はスピードです。しかし140kmを超えるストレートがいくら威力があっても、それだけでは打者はやがて目が慣れてくるものです。
ストライクを取るには二つの方法があります。一つはストライクのボールを投げてストライクを取る方法です。もう一つはボールを振らせてストライクを取る取り方です。斉藤は鋭く曲がりながら落ちるスライダーを身につけ、空振りを誘うテクニックを身につけていました。
しかし打者を空振りさせるほどの投球は、例えストレートであっても捕球するのは、とても難しいのです。肩の強さを買われ投手から捕手に転向させらた白川捕手も最初のうちは斉藤投手の球が見えず、ストレートさえも捕球できなかったと語っていました。そのため斉藤投手は捕手が球をそらせるのを恐れ、昨年の神宮では低めへのスライダーを投げられなかったのです。それで相手打者にとっては狙い球が絞りやすくしなったのです。
白川君は捕球技術を高めるため、全体の練習とは別に、低めに設定した投球マシーンで毎日150球の捕球練習をし、アザだらけになりながらもワンバウンドした球を体で止め決して後ろにそらさない技術を身に付けたのです。その結果、白川捕手は甲子園で斉藤投手が投げた900球を超えるボールを、ただの一球も後ろにそらさなかったのです。
一回目の決勝戦で三塁走者がスタートしたのを見て打者のスクイズを見破った斉藤投手は、スクイズを外すためにワンバウンドの球を投げたのです。白川捕手が後ろにそらせば、この失点で早稲田実業は負けていたのです。白川捕手が絶対に止めてくれるという信頼があってあの珠は投げる事ができたのです。投手の球を生かせるかどうかは、大きく捕手にかかっているのです。星一徹が飛馬の進学先を選ぶ時に甲子園常連校を選ぶのではなく、伴宙太と言う捕手を探し出し柔道部から引き抜いて野球部入りさせたのも、うなづけます。
第二に斉藤投手のフォーム改善にあります。ボールのスピードは、指、手首、腕、肘、肩、腰、足の踏み出しと体重移動という一連の動作がバラバラでなく、一本のムチがしなるように動くことにより速くなります。ちょうと3段ロケットが各ロケットの最高のスピードに達した時に次のロケットに点火され、スピードを加速させるのと同じです。
普通本格派と言われる投手は頭上で大きく手を振りかぶります。斉藤投手は振りかぶらずに、手を胸の前で止めるセットアップでの投球に変わりました。その一方で斉藤は投球の時に上げた足を、より内側に入れる事により腰のひねりを深くし、5km程スピードアップさせる事に成功したのです。
更に斉藤は春の選抜を一人で投げぬく中で、必要なペース配分ができるようになっていました。相手の中軸打者には140km台のスピードボールを投げる反面、下位打者には120km台で打ち取るという攻め方をし、体力を温存したのです。見事というしか言葉か言葉が見つかりません。
白川・斉藤選手の成長や早稲田実業の野球部の進化の要因は、何と言っても駒大苫小牧という大きな目標があったからです。目標があったから、早稲田実業はそれまでの野球を変えなければならなくなったのです。ライバルは、自分の弱点を映し出してくれる鏡のようなものです。試合の中で露呈した自分達の課題を正しく受け止める事により、目指すべき自分達の方向が鮮明になるのです。早稲田実業は駒大苫小牧を意識することのより自分達のチームの作り替えに成功し、それが優勝につながったのです。
だからライバルは必要なのです。ライバルを尊重できない者に成長はありません。いくらショーだと言っても、相手を落としめる言動を繰り返していては、成長は難しいのです。
最後に、見ごたえのある決勝戦でしたが不満が2つあります。第1は、再試合の日程です。連投につぐ連投が、高校生の健康と投手生命を奪うのではないかという心配を誰もがしたのではないでしょうか。早稲田実業の監督も「斉藤は大丈夫としか言わないから健康管理が難しい」と愚痴をこぼしていました。将来のある高校生です。翌日再試合という日程は、ぜひ考えなおしてほしいと思うのです。第2は、斉藤投手の野球以外の記事を書きたてるその後の報道合戦です。亀田の次は斉藤ですか。子どもで金儲けをしようとする卑しい精神は報道とは無縁だと思います。