教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

みんなと来られて心の中で泣いた私

2006年08月30日 | 子ども理解
はじめてクラスのみんなとスキーをしたから楽しかった。みんなと寝て、おふろに入って、ごはんを食べて・・・よかったです。

スキーは面白かった。外国の人といっしょにスキーもできたし、リフトにも乗れたし、本当に楽しかったです。あんまり上達できていないけど、インストラクターの人にほめてもらってうれしかった。「ハの字」が一番むつかしかったです。足が思うように動かなかったから、なかなかできなかったです。2回目のスキー練習で、ようやく「ハの字」ができました。また、インストラクターの人にほめてもらえてうれしかったです。

先生にも「来れてよかったね」って言ってもらえたし、少しみんなと話せたし、楽しい思い出になりました。スキーは私の中で最高のスポーツになりました。バスレクも面白かったし、みんなでやった雪上オリンピックも楽しかったです。こんど家族と一緒に来られたらいいと思います。お母さんやお父さんに教えてあげたいです。あと、みんなでトランプができてうれしかった。はじめてみんなとトランプをしたから、心の中では泣いていました。私もほんとうに来られてよかったと思います。私の中では、一番いい思い出になりました。

あとリフトにゆられて面白かった。一番最初に乗ったときは、ゆれてこわかったです。2回目は、一人用のやつに乗ったから、ビビリました。そして次はもっとこわかったです。はじめて長い距離のリフトに乗りました。2回くらい止まってゆれたから、落ちそうになりました。スキー板をはいていたから、足が重くて落ちそうでした。リフトに一緒に乗った人とも少し会話ができてよかったです。あんまり話したことがなかったから、うれしかったです。

2日目に雪が降って最高によかったです。最後に雪の結晶が見られてよかった。また行きたいです。2年○組 ○○○○
(○○中学校生徒指導部だより『千里馬』102号2000年2月1日発行)

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学校行事に取り組む子どもたちの思いは様々です。学校生活に馴染みにくい子どもたちにとり宿泊行事はみんなとうちとけるチャンスであると同時に、心の中のハードルは、私たちが思う以上に高くそびえています。「心の中で泣いていた」という行(くだり)を眼にしたとき、彼女が大変な決意でこの宿泊行事に望んだことに改めて気づかされました。廊下で待ち伏せし、小さな声で「あの作文、載せてもいい?」とたずねた時、「いいよ」と言ってくれたあのときの笑顔を忘れることができません。

学校生活の中には、数々のドラマがあります。しかしそのドラマは見ようとしないと見えてこないのです。


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