教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

3年間の取り組みを振り返って〜年度末反省より

2013年03月10日 | 生活指導
・危機感を抱いての2010年の学年スタート
 38期生のスタートは、①生徒指導上の課題を残したまま卒業させてしまった35期の反省と②連絡会で伝え聞いた小学校の困難な状況を背景とした危機感から始まった。その危機感の中で、直接新入生の姿を見ようとし、五小学校の卒業式に三年職員が全員で参加した。半歩でも先に新入生38期生への指導を始めたいという思いで始めた取り組みである。
・出だしで学年の姿勢を保護者・生徒に示す
35期生では一部の保護者と溝を残したままの卒業となった。「公務員は既得権益にしがみつくヤル気のない集団」という前知事の認識は、残念ながらその知事を選出した保護者の意識でもある。「教員が我が子のためを思って働いている訳がない」という意識は、一定の保護者の中にある。そのため入学式の場で時間をとり歓迎の挨拶=学年目標(①学ぶ力②働く力③仲間と手を結ぶ力)を説明し、職員の心意気を示そうとした。特に茶髪で入学式に臨んだ生徒がいるなかで、職員の姿勢を示すことは大切だと考えた。
・一年目の指導で重視した『ルールを守る力』
この学年目標には、実はもう一つ隠された目標があった。それは④ルールを守る力である。①〜③の目標は3年間をかけての目標であったのに対して、この④番目の目標は、一年生の間に身につけさせるものとして全力で取り組んだ。特に茶髪、遅刻を繰り返す、生徒間の暴力、イジメ・いやがらせの指導については、学年総力をあげ取り組んだ。また校外学習・キャンプなど学年全職員と全生徒が向き合う行事については、その取り組みの成否が三年生となったときの学年規律のあり方につながるものと考えて取り組んだ。なかでもキャンプの就寝指導は、一晩中盛り上がりたいという生徒の思いと、事故を防ぎ子どもたちの健康をと規律を守りたいという職員の思いが真正面からぶつかるものと考え、就寝指導の徹底には力を割いた。(就寝四原則:消す・起こさない・声を漏らさない・出ない)
・小学校との連携〜小学校を敵に回さない、できたら味方にしたい
 中学校進学に不安を抱く保護者に対して、小学校担任が「○中に行くなら心配ない」と語るか、「そうですね、○中は心配ですね」と答えるかで、中学校への印象は、大きく違ってくる。(これは高校進学でも同じ)高校からの情報提供があれば進路指導がしやすいのと同じで、中学校から小学校への情報提供は必要と考える。そう考え、職員紹介、学年目標、入学式以降の取り組みを紹介すると同時に、子どもたちに中学校生活の様子を手紙に書かせ、成長した姿を小学校に伝えた。
・学年教師集団の形成〜子どもを荒れさせないために
 生徒指導を担当することとなった大堂先生を除く一年担任の全てが三年学年集団に残ることができたことは、指導の継続性につながり、恵まれた三年間であった。同時にこのメンバーで三年間やっていこうと我々自身が思うために以下の点を大切にしながら学年運営を行ってきた。
 1.最悪の状態を想定し、そうならないための手をあらかじめ打つ
 2.盛り上げる指導をする際には、ハメを外させない指導を考える
 3.目標設定は具体的にし、何ができたら成功または失敗かの根拠を明確にする
 4.授業規律を個人の問題にせず、学年集団の問題と考える
 5.職員自身が支えられている感の持てる学年→手の内を見せ合う・競争主義との闘い
 6.生徒を過保護にはしないが親切に対応する
 7.日常的な情報交流を基礎に職朝・会議では次の方針を確認する
 8.今の子とその進路を知るため卒業後の繋がりを大切にする