教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

不登校対策委員会の論議から(200X年11月)

2008年03月23日 | 不登校問題
1.11月の欠席者(略)
2.各学年の欠席率(略)
  学年延べ欠席者数÷授業日数÷学年在籍数=学年欠席率

3.考察
 【問われる生徒を見守る視点】北海道のイジメ遺書問題をきっかけとして11月には、全国で子どもたちのイジメ・自殺問題がクローズアップされた。学校に行きにくい子ども、学校が苦痛に思える子どもたちの訴えは、多くの場合言葉にならない。しかし報道された事件を見てみると、死に至る「きざし」に周囲の者が気づいていたケースがほとんどである。事件になった学校の関係者も「気づいてはいたが、まさかそこまで思い詰めていたとは・・」と悔やんでいるのではないだろうか。私たちはこのような事件報道に接し、チームとして子どもたちの情報を集め、その問題解決にあたれるよう、取り組みを強めなければならない。そのため職員朝礼・学年会さらに雑談の中でも子どもたちの指導に必要な情報が共有されるようにしていきたい。

 【欠席傾向にない生徒の体調不良の増加】11月になり体調不良による単発の欠席者が増えた。1年では○/○、2年では○/○、3年では○/○が単日の欠席者である。そのうち前月に休んでいる者は1年で○/○、2年で○/○、3年で○/○であり、今まで欠席傾向になかった生徒の欠席が目立った。

 【急増した3年の欠席】10月の3年生は欠席率を減少させた。前回の会議で「3年生の欠席率の低さは①別室登校の定着②総合学習発表会・体育大会などの行事への集中とクラスの盛り上がりが影響したのではないかと考えられる。そうだとすれば今後子どもたちが進路で孤立しないための工夫が必要だと考える。」と分析した。しんどい取り組みではあったが、子どもたちの力を結集させた学校行事の成功は、欠席者を減らすことを実証した10月であった。11月になり3年生の欠席は大きく増えた。○君と○君の欠席が改善された中でもやはり増えてきた。厳しい時期を迎える3年生であるが、今後の進路や卒業の取り組みの中で、子どもたちの悩みや不安を受け止めていくことが大切である。

 【1年の欠席減少】2・3年生ともに欠席率を増やした11月でしたが、1年生だけは欠席率を○%→○%へと減らした。これはほぼ全欠状態であった○さんが別室登校を始めた影響が大きい。○さんが来なければ○%と、前月と変わらない数値である。小学6年時の欠席数を考えれば、欠席者がいつ激増するか分からないことを常に意識しなければならない。

 【家庭の支えの厳しさ】厳しい家庭環境の中で生活をしている子どもたちが増えている。○小学校を卒業した今年の1年生は一人親家庭が50%だった。府下の研究会で「4割にせまる一人親家庭で子どもたちの生活が大変」という指導困難校の声を聞くが、私たちの学校はそれを遙かに上回っている。欠席者の中にも、家庭の厳しさを抱える生徒が少なくない。表面上の落ち着いた環境に目を奪われ、子どもたちの置かれている状態の厳しさを忘れてはならない。

4.方針(略)