教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

卒業生の進路を聞く会

2007年04月06日 | 進路子どもの声
 ○○高校定時制課程2年の○○○○です。僕はずうっと進学したいと考えていましたが、中学3年生の夏頃はあまり真剣に進学や勉強のことを考えていませんでした。でもクラブは野球部で最後まで一生懸命頑張りました。

 僕の家はお店をしていましたが、私立高校は親に負担をかけるので受験しませんでした。公立高校だけに目標を絞っていたのです。僕と同じように公立高校の入試だけに賭けている者は他にいました。

 受験が終わり、一緒に受験した友だちと合格発表を見に行きましたが、僕の受験番号だけありませんでした。不合格だったのです。すぐに学校に報告しましたが、ものすごくショックで目の前が真っ暗になりました。みんなが声をかけてくれているのですが、僕には聞こえませんでした。自分独りだけが取り残された気になり、その場から逃げ出すように一人で帰ってしまいました。でもつらくてすぐに家に戻ることができず、家に帰ったのは夕方でした。心配した担任の先生が何度も家に来たと聞きました。その後に聞いた話やけど、同じ学校を受験した友だちが、僕の落ちたことをすごく悔しがっていたと聞きました。

 親と担任の先生と話し合って定時制高校を受験しました。今度は合格できましたが、気持ちは少しも晴れません。せっかく合格した定時制高校で頑張ろうという気持ちなかったのです。みんなより一年遅れてでもいいから、来年もう一度昼の高校を受けなおそうと思っていました。

 定時制高校は、夕方の5時半から9時まで勉強するので、昼は家の仕事を手伝っていました。でも半年ほどしてから今の会社(コピー機の販売とメンテナンス)に勤めるようになりました。職場でとても良い先輩に会うことができ、だんだん仕事にも自信がついてきました。そして一年がたった時、昼の高校をもう一度受験しようという気持ちはなくなっていました。合格した定時制高校を卒業しようという気持ちに変わっていたのです。こんな気持ちになれたのは、職場や学校でよい先輩や友だちに会えたからだと思います。

 高校進学という進路のひとつに定時制高校というものがあることを覚えておいてください。