へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

え、縁起でもない

2009-11-20 23:24:35 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

部活にいけないぼくは、朝からごはん作りに洗濯そうじとバタバタと駆け回っていた。 おじいちゃんはリカの散歩、藤川先生は庭はきと忙しい。
で、2階は立入禁止の上おとうさんも降りてくるな、というわけで、部屋に閉じ込めてしまった。
さて、おひるごはんはどうするかなあ、と藤川先生と台所ですったもんだしていると、玄関の方で騒がしくなりリカが吠えている。
「散歩から帰ったんなら庭から入ればいいのに」
ぼくはおじいちゃんとリカを迎えに玄関を開けると…。
「ぎえええ
ぼくは悲鳴を上げると思わずドアを閉めてしまった。
「何事だ?」
と、藤川先生も駆け付けてきて呆然としている僕を押しのけて玄関を開けた。
「げえぇぇ~っ、な、なんだっ、てめぇら」
玄関先に立っていたのは、
「はあい」
ポーズを作ってあいさつする棒斐浄寺の尼御前さまと、苦虫をかみつぶしたような表情のそのヤンキーの弟、そして、
「何であんたまできたの」
「いや、主婦のいない家庭を慰めてしんぜようとな」
と、にこやかな笑みを浮かべた須庭寺の住職が立っていたんだ。
しかも、何でみんなお坊さんのかっこなのぉ~。
開いた口がふさがらないぼくの背後の階段から、凄まじい音が聞こえてきた。
「おとうさん…」
上からのぞいていたおとうさんが、3人に驚いて滑り落ちてひっくり返っていた。
「大丈夫?」
駆け寄れば、
「いてぇ~っ」
と足を抑えてなきべそをかいていた。
「何じゃ、どうしたのだ?」
住職がトボけた声をかけたけど、痛みは治まんなそうだった。
「いてぇ」
ほんと、何しにきたんだ、このお坊さんたちは…。
「悪いか」
ヤンキーがぼそっと言った。
悪いよ…

おとうさん、新型にかかる

2009-11-19 17:33:19 | へちま細太郎

へろ~、藤川だ

こ~いっちゃんが、新型に感染した。ウイルスは、のぶちゃんから事務の田原へ、田原と仲の良いこ~いっちゃんへと移動した。
おさまらないのは細太郎だ。
「何回自宅待機をさせれば気が済むんだ」
と、カンカンだ。
「変われば変わるもんだ、4月当初はあんなに嫌がってたのに」
タミフルと解熱剤で、一見元気になったかに見えたこ~いっちゃんは、自室のこたつのにあたりながらホットミルクを飲んでいた。
「おまえね…」
俺は教師だから一応学校へはいったが、細太郎は元気いっぱいの12歳だ。いつまでもつまらないことで学校をサボったりするようなことはない。
が、
「細太郎もなんだな、よく立ち直ったなあ」
と、のんきなもんだ。
「おまえね、みんなから誤解を受けるような行動はやめたらどうだ。俺なんかもすっかり浅田の恭子ちゃんとナニしちまったのかと思ったよ」
「ばあか、なんで俺が梨香以外の女とつきあわなきゃいけないんだ」
「バカはどっちだ」
「バカで結構だね。お互いバカな男と女なんだから、ほっといてくれる?」
そう言われちゃもともこもないが、いつからバカがさらにバカになったんだか、ま、俺はどうでもいいがな。
俺は、女ッ気のないこの家で、家事洗濯に追われる羽目になるってだけで、うっとおしい思いをしていた。


運のないやつ

2009-11-18 22:06:23 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

今日昼間、タコ壺の先生と片山教授が通りかかったぼくに、
「細太郎、とうちゃんがな、熱出して倒れよったでぇ」
と、声をかけてきた。
「熱?高いの?」
ぼくはびっくりして聞き返すと、
「インフルエンザ、誰かなってる?」
と、逆に質問してきた。
なんか、いやな予感。。。
「入院中のおばあちゃんがインフルエンザだって、でも新型じゃないよ」
「おばあちゃんだけ?」
「その前は慶子おねえちゃん、新型」
「あ、桜ヶ丘の野菜サラダか」
鬼嫁なんだけど…
「これから病院に連れて行くんだけど…」
「ちょっと待って、連れて行く?」
ぼくはあわてた。
「熱が高くてねえ」
一人じゃいけねえのかよ、バカおやじぃ。 ぼくは情けなくて、また深くため息。
「はは、心配するな、ぼぉくが連れて行ってやるからなあ」
片山教授がわらっている
「片山教授は完治したから平気だし」
二人に慰められても…。
が、もっと落ち込ませる出来事が…。
「もし、新型だったら濃厚接触者だから、自宅待機ね」
またかよっ
何回、自宅待機にさせる気かあっ
「つくづく運のないやつだな」
そりゃないよ、教授~ぅ

おばあちゃん、インフルエンザにもなる

2009-11-17 22:36:56 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

寒い一日だったねえ。
おばあちゃんのお見舞いに行ったら、
「インフルエンザにかかってますから、会わない方がいいですよ」
と、言われた。
「季節性だから心配ないから」
慰められてもなあ。
おばあちゃんのいない生活って、こんなに大変だって、慶子おねえちゃんをみてつくづく思い知らされた。
おばあちゃん孝行するから早く治ってよ~。
…と藤川先生も言ってるからねぇ。
でも、入院してインフルエンザにかかるなんて、ど~いうことだろう。。。


ごはん(-"-;)

2009-11-16 21:59:03 | へちま細太郎

ぼくたちは、鍋と称するものを真ん中にして、ア然としていた。
「聞いていい?」
「どうぞ」
「これ、何鍋?」
「闇鍋かな、強いていえば」
「闇鍋って…」
う~ん…。
「どうする?」
「どうするって…」
「食べなきゃ、殺されるぞ」
「うわっ、この色]」

どうしよう…。
慶子おねえちゃんの鍋…。
どんな鍋かは想像して。
へちま細太郎でした。
あ~、やだ。


役に立たない人たち

2009-11-15 22:14:24 | へちま細太郎
「ごはんまあだ?」
「まだだよ」
「ねえ、今日のごはんなあに」
「うどん」
「そば」
「天ぷらぐらいつくんでしょうね」
「いちいちうるせえな」
「天ぷらくらい自分で作れよ」
ほんとだよ。 ぼくらがバタバタ台所で支度をしているのに、何なんだよ。
エプロン姿のぼくと藤川先生、広之おにいちゃんと3人で台所でごはんの支度でおおわらわ。 なのに、おじいちゃん、おとうさん、慶子おねえちゃんは、ごろごろしていて文句ばかり言ってる。
わかっていたことだけど、何かムカつくなあ。
へちま細太郎でした。

おばあちゃんもギックリ腰になる

2009-11-14 23:15:09 | へちま細太郎
ピカイチだ。 今日もテニスから帰ると、家中が大騒ぎになっていた。 いったい、どうしたんだ。
「おふくろさんが大変だ」
バカ殿がふとんを出してきて、庭に飛び出していった。
「なんだなんだ」
俺も庭に走り出てみると、おふくろが庭でひっくり返っている。
「ギックリ腰だよ、ギックリ腰」
おやじがおふくろのからだについた土を叩き落としている。
「ギックリ腰?」
「くしゃみした瞬間になっちまったんだとさ」
「く、くしゃみ~?」
なんだよ、中島教授じゃあるまいし。
おふくろは目をつぶって痛みを堪えている。そして、ピクリとも動かない。
全く痛いなら痛いと言え、頑固者。ほんと、細太郎によく似ている。
「ほんと、頑固なばあさんだ」
「冷静だ、と言って欲しい」
おふくろはおやじの頭を小突いた。
「こ~いっちゃん、頭を持って、毛布にのせるから」
バカ殿がまるで自分の母親のように、大切におふくろをいたわってくれている。
う~ん、息子としてはイマイチ複雑だけど、いっとくがマザコンじゃないからな。
そんなこんなで、おふくろは入院し、家族3人、居候1人、みんな男でこれからどうすんだって。
え?慶子?ありゃ、広之より役に立ちゃしないぜ。

さみ~

2009-11-12 22:55:40 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

今日は寒かったあ。
ぼくは濃厚接触者だったけど、感染しなかった。
はるみはまだ休み。
キチローも休み。
来なくていいし…。
部活はいつも以上に走り込みが多くて、どうもつくばった駅伝に備えての練習みたいだ。
「仮装の練習はしなくていいの?」
と試しにきいてみたら、
「そんなのは先生たちに任せておけ」
と、先輩たちはいやそうな表情で答えた。
「よかったあ」
ぼくはホッと胸を撫で下ろした。
あんなかっこで走ったら、今日の寒さより寒いよ、きっと。

婚活にご用心

2009-11-11 22:04:56 | へちま細太郎
「バカ殿、奥方選びはどうした」
「そんな気ね~よ」
「気をつけろよ、最近身ぐるみ剥がされた上、命までなくしてしまうみたいだから」
「身ぐるみならはがしている、得意だよ~、俺」
「そんなんだから相手がみつからないんだ」
「おまえはど~なんだよっ」
「余計なお世話だ」
「なら俺だって余計なお世話だ」

何考えてんだ、バカ息子どもは…。
身ぐるみ剥がされるほど、大金持ちじゃなかろ。
俺なんか、小遣い月三万円だ
悲しいなあ~。
じいちゃんだ。