へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

減らず口の減らない人たち(改訂版)…あとから気づいて訂正しました。。。バカであるwww

2021-09-24 14:48:14 | へちま細太郎

細太郎です。

池の中に取り残され、何だったんだ、とつぶやく宮﨑たち。
「何、細太郎の研究室仲間?俺たち、美都地区№1・2の豪農コンビよ」
「へいへいへい、№2の水嶋ったあ、俺のことだ」
相変わらずな人たちだ。
「これ、知り合い?」
宮﨑がタモで二人をさせば、
「超お金持ちな先輩がさっきの警備員の人、世が世ならばお殿様、で、この人たちが豪農コンビ。ねえ、先輩、弁護士になったんですか?」
と、改めて聞けば、
「うん、なった。てか、その予定。KKがなれるんならなるべ、と軽いノリで母校の大学に学士入学したら2浪して受かった去年」
「もともと頭いいもん俺たち」
なんて人たちだ。
「詐称してんのかと思ったぞ、てか、おまえらまだ司法修習生だろうが」
「詐称だね」
俺も頷く。
「名刺みてみなよ、一応司法書士は合格してる。だから司法書士と書いてある」
小栗先輩はちっちっと人差し指を振る。
「ちゃんと見ない教授が悪いですよ。」
これだよ、でも、さっき弁護士って言っちゃってない?
「弁護士予定、といってある。詐称したらそれこそ俺たちが御用になっちまう」
どこまでしょうもない人たちなんだ、こいつ。
しかし、中島教授は取り戻したチョイノリにのっかって満足そうだ。
「教授、チョイノリ乗るのは結構ですけど、ちゃんと警察いって盗難届出したんだからあとの手続きしてきてくださいよ。このままじゃ乗れませんよ」
「そーなのか?」
「そーですよ。何なら、代わりにしましょ~か?」
「安くしときますよ」
「その手にのるもんか、この司法書士めが」
教授と豪農コンビの陰湿な漫才は続く。
「やめてくださいよ~。ねえ、お金出してくださいよ~、ニューヨーク行きたいんですよ~、フォーなんとか大学行って国際弁護士になって、恋は盲目のATM彼女を見つけるんですからあ」
水嶋先輩、さっきから連発してますけど、洒落になんないですよ、あなたのおとうさん、まさにそれだったんですから、とは口が裂けてもいえないな。
「踏み倒されちゃたまらん、そうだ、おまえら錦鯉の稚魚なんとかならんか」
「それこそ、詐欺っすよ、何が錦鯉を研究費で買ったんだよ、あれ、細太郎のクソガキが須庭寺の池から持ってきたらんちゅうと、出目金の掛け合わせじゃないですか」
全員の視線が俺に集中する。
「いやだって、住職さまが持っていけというから」
と、言い訳するも、
「よくある話だよ、うちなんか、金魚が30㎝までデカくなって近所の小学校の池に逃がしたもんな」
桑原おめ~。
「池でかうとえれーめにあうもんなあ」
「フナだしな。もっとも、中島教授の不気味な蘭に比べたらマシでしょ~が」
次から次へと悪事が暴露されていき、さっきの釣り人が聞いたら脳の血管破裂するに違いない。
「そーいえば、さっきの人はどんな罪?」
と聞けば、
「孝太郎さんがこの近くの柵が壊されていて、どうしてなんだろうと調べてたんだな。俺たち、孝太郎さんの計理士兼税理士でもあるし、一緒に調べてらこの騒動に遭遇したってわけ。桑原君にも協力してもらってたんだよ」
と小栗先輩が教えてくれた。
「桑原君、優秀だしな。宮﨑君、お金が欲しいならいいバイト紹介するけど?」
「いや、バイトでも働くの嫌っす」
中島教授は名残り惜しそうにしながらも、
「U字ロックかけときゃなあ」
と、チョイノリを撫でながらつぶやいた。
U字ロックしてなかったんかいっ!!
「U字ロックつけて売ったんだけどな。教授、捨てちゃった?」
宮﨑の問いに、
「捨てた」
おいおいおいおいおい。
みなさん、バイクにはU字ロックかけましょうね、じゃないと作者…いや教授みたいにチョイノリ盗まれますよ~。

返してくれ~(´;ω;`)

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釣り人知らず6(改訂版)…あとから気づいて訂正しました

2021-09-24 11:12:14 | へちま細太郎

あんたら、ここで何してんの?とツッコミ入れてる細太郎です。

突然の登場に、開いた口がふさがらない俺は、このどーしよーもない先輩たちに何と声をかけてよいのかわからん。てか、あんたら部外者だろうが。てか、孝太郎先輩なにしてんの…。
「警備員の西村です。バイトです。今、大学の関係者でない方の構内の立ち入りはお断りしておりますが」
「お、おれたちは関係者だ、ここに勤めている」
「ばああかもん、わしを知らんくせに何をいうかっ!!」
とうとう吾輩じゃなくなった。
「おい、そこにいるのは小栗に水嶋だな、西村と何をたくらんでいる」
「なんだ、なんだ、さっき計理士と司法書士っていってたぞ」
釣りオヤジも突っ込む。
「アメリカの某大学に行って弁護士の資格も得ようと思っている。金かしてくれ、踏み倒し前提だがwww」
水嶋先輩、何考えている。
「あんな、この大学で警備しているのは、俺の資産もこの大学にあるからだ。それに、今のこのご時世に休日に部外者が釣り目的で入っていいという理屈はない。関係者?ふざけるな、俺たちはこの大学の関係者、在校生、ここ数年の卒業生の顔も頭に刻み込まれている。お前たちは関係者でも卒業生でもない。しかも、卒業生も事前許可がないと構内に入れない。つまり、おまえらは不法侵入者だ。しかも、ここにどうやって侵入した。さらに、世界的に有名な中島教授のバイクを窃盗している。さっき、警察に問い合わせたら盗難届も出ていた。もはや言い逃れもできない。警察が来るまで、おい、細太郎、こいつらを捕まえて置け」
西村先輩、さすが説得力ある。
「捕まえるっておまえら警察ではないぞ」
オヤジがそれでも逃げようとするのを、後ろから回った研究室の後輩が、オヤジたちを後ろから羽交い絞めにした。
「ばあか、何も捜査機関だけが逮捕できるわけじゃない、おまえら盗難届の出ているバイクを所持していたじゃないか、持主が見つけたんだ現行犯だ」
小栗先輩がぐいっと前に出て、
「いいか、おまえら羽交い絞めはやめろ、そのままそいつらを取り囲んでいろ、殴るなよ。それ以上はするな」
と強い口調で命じてきて、さらにポケットから名刺を取り出すと、
「すいませ~ん、弁護士予定です。司法書士でもあります。ご用命はいつでも承ります」
「同じく、税理士で弁護士予定の水嶋です」
こちらも名刺を差し出し、オヤジたちを激怒させ、俺たちは呆れかえってしまった。
「なんだ、おまえら弁護士になっとたんだ」
中島教授はあきれ顔で名刺を受け取り、二人の顔を眺める。
「二人とも2回落ちました」
「来年ニューヨーク行きます、で、国際弁護士目指します、だから金貸してください、踏み倒すけど」
減らず口も変わらない二人は、これでも美都地区豪農を誇る農家の息子だ。
釣り人のおっさんたちは、駆け付けた警察官に連行されていったが
「だあれがおまえらみたいなやつに弁護を頼むか、ふざけるな!!」
と、怒鳴り散らしていた。
「バカなやつらだ」
「うん、計理士と司法書士以外は、口から出まかせなんだが、まあ、合格したのは間違いないしな、名刺も教授の見間違いだし」
孝太郎先輩は、そうつぶやき、
「どおれ、バイトにもどっか」
と、去っていった。
「なんなんだ」
俺たちは、池の中から呆然と見送るだけだった。
一応、解決したんか、これ…。

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