へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

釣り人知らず5

2021-09-21 11:51:48 | へちま細太郎

細太郎です。

山崎、ドアホウだな。金が欲しけりゃいいバイト紹介してやるのに。。。食い物にも困らんぞ。ただ、そのまま就職になるかもしれないが…。しかし、ブラックバスがたんぱく源だったとは、知らなんだ…
「働いたらまけだもんな…」
何考えたんだよ、コイツ。
そう思っていたのは、釣り人のおっさんたちも同様で、
「親からの仕送りを使いまくったあげくの暴挙かよ」
とか、
「奨学金の使い道もちゃんとしとかねーと、あとで悲惨な目にあうぞ」
とか言われているが、へとも思っていないどころか、
「金の使い道を誤っているのはおめーらだ、じゃなきゃ『俺の』チョイノリ盗むわけねえもんな」
「俺のって…おまえ」
ヤフオクでうっ飛ばして教授に買わせたのは、山崎おめーだがよ。
「ふん」
山崎の独壇場に池から消えていた桑原が戻ってきて
「警備員よんだから。怪しげな奴が侵入していて、俺らの大学の所有物である池の魚を盗み取りしているって」
「なに?」
「そーだろーが、この池は俺ら理学部と農学部のものだ。大学の所有物だ。ここには、錦鯉も放してある。これは、大学の研究費用で購入したものだ。考えるにここにブラックバスがいることを外部のお前らが知っているということは、お前ら外部の人間が放流したに違いない。大学の資産である錦鯉の稚魚も食われた。つまり、お前らがこの国立大学法人つくばった大学の資産を棄損させたことに他ならない。早い話、おまえらの娯楽は、国家予算を横領したことになる。これをどう言い訳するつもりだ」
なんか、すっげーもっともらしいことを言っているが、錦鯉なもんか、巨大化したらんちゅうだ。俺が須庭寺の放生池から持ってきたもんだ。
「その通りだ」
と声が聞こえたので振り返れば豪農コンビ水嶋&小栗先輩が立っている。何であんたらここにいるの。
「どうも申し遅れました、わたくし、司法書士の手伝いの仕事をしております計理士の水嶋と申します」
へ?
「計理士に手伝いをさせている司法書士の小栗です」
は?
「で、私が警備員ですが?」
げ、孝太郎先輩。
「ななななななんでえええ?」
ああ。これで終わろうと思っていたのに~。。。つづく。。。