へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

結婚の話題

2021-09-28 18:09:26 | へちま細太郎

吾輩である。誰だって?片山だよ、片山。カウンセリングの忘れちゃったか?

「結婚したああ」
「誰が」
「相葉ちゃんがああああ」
「桜井翔君もだああ」
タコ壺保健室から叫び声がしている。
匿名希望の東山先生と、桜井先生の二人は嵐のファンだった。桜井に関しては、V6が本命らしいが、それでもJunior時代からのファンだったんだとか。
どーでもいいがの。
「で、相手は誰なんだろうねえ。無事な結婚生活を送ることを願っているよ」
と、さっきとは打って変わっての辛辣なお祝いの言葉が述べられている。
「祝福の言葉はもっと別な人物にあげてもよかろう?」
「だれ」
嫌に冷たい言葉だの。
「ニューヨークから帰ってきた侍」
と言ってみれば、
「松井か?」
「いや、誰だ?」
「Kだろうが」
ニューヨークからの帰国のK?とは誰だ?と二人とも顔を見合わせて呟いている。
「あ、あいつだ」
「忘れとったわ」
「失礼な話じゃないか」
やっと思い出したか、罰当たりめ。ところが、
「髪のばしたら、現金書留で1,000円送らな」
「消費税忘れてるぞ」
「今、何やっているんだ?」
「オリックスいってから引退して~」
おいおい、K違いだ、「慶」ではなくて「圭」だろうが。
「ニューヨークいうたら、慶やで」
「詰将棋広めてきただけのニューヨーク生活だけどね」
おまえら~、といった瞬間、
「優勝できるとは思うなよ」
と二人一斉に因縁つけてきた。
結局そこか、そこか~!
「悪いが、いただきだ」
我がヤクルトスワローズの優勝だああああああ。
「阪神電車と国鉄特急の燕では、勝負にならんかなもし」
鉄ヲタのはしくれの桜井がボソッとつぶやいた。
「ふん、燕は新幹線だ」
こうして会話は、結婚から程遠い方向へと向かっていくのであった。