へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

釣り人知らず3

2021-09-16 13:54:18 | へちま細太郎

細太郎です。

チョイノリをめぐって、思わぬ方向に話が飛んで行ったぞ。
「こいつらも知っている、チョイノリを使用して講義に行くためにキャンパスをバリバリ言わせて走っているところを」
「何いうか、こんな臭いオヤジが天下の国立大学の教授なもんか」
「あんた、騙るに落ちているよ、中島教授を知らないってことはうちの関係者じゃないってこと、つまりは不法侵入した上に、外来種であるブラックバスとさらにみたところ、あんたらリリースしているじゃなか」
俺は、タモを持ったままやつらの近くにより、
「リリースしないで持って帰って食ってやれ」
と、いってやった。
「あ?そんな臭いの持ち帰れっか」
気色ばんだオヤジが言う。
「もともと人工の池だし、何が住んでたってかまわない。でも、せっかく日本産の水生植物や、めだかや川エビが育ってきたんだ。余計なものをいれんなや。ましてやブラックバスを臭いだなんて、かわいそうじゃないか」
「そうだ、なんでそんな魚を釣ってんだよ、釣ったんならお持ち帰りしろよ。釣ったものんは持ち帰るのが、魚と女性に対する礼儀だ」
研究室仲間の桑原がタモの中をのぞく。
こいつは~。。。
「吾輩は無視かい」
ぽつりと教授がつぶやく。
「むさい、くさいがモットーの中島教授は、これでも世界的に有名な植物学者だ。いうなればブラックバスだ。リリースしないで持ち帰れよ、あ、チョイノリはおいていけ」
桑原に続いて山崎も、詰め寄る。
「そのチョイノリの別についているシールあるだろ、裏っかわに、それ、俺が貼ったんだ、ヤフオクに売る前に…」
なに~?
教授も釣りオヤジもチョイノリのオレンジうさぎ以外のシールに気づく。
「ニートがのっています。。。働いたら負けだと思っている」
おっさんたちが顔を見合わせた。。。
「働いたら負け…」
「文句あるかあああああ」
山崎、名前が泣くぞ。。。
つづく