宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

沖田瑞穂(1977-)『すごい神話』(2022)3.「脱皮して若返る人間たち――オセアニアの『脱皮型』神話」:人間は「脱皮」をやめ、あるいは「脱皮」のチャンスを失い「死ぬ」運命となった!

2023-08-20 12:47:49 | Weblog
(1)
メラネシアのソロモン諸島に死の起源についての「脱皮型」神話がある。人間は、以前は蛇のように「脱皮」をして若返ることができた。そして永遠の青春を楽しんでいた。ある日、祖母が孫娘の面倒を見ていた。祖母は若返ろうと思い、孫娘から離れ「脱皮」して古い皮を川岸に捨て家に戻った。ところが孫娘は若返った祖母を、自分の祖母と思わず泣きやまない。しかたなく祖母は川に戻って古い皮を再び身に付けると、孫娘は泣きやんだ。これ以来、人間は「脱皮」をして若返ることができなくなった。
(2)
メソポタミアの神話にも「脱皮型」死の起源神話がある。英雄キルガメシュが苦労して手に入れた「若返りの草」を蛇が食べてしまい、蛇は「脱皮」し若返り不死となったが、人間は「脱皮」できず、若返ることなく老いて死なねばならなくなった。

《感想1》死の起源神話のうち①「バナナ型」神話はバナナ(甘美な生)と死のセットを人間は選び、不死だが無味な石は選ばなかったと述べる。②「カメ型」(「カメと石」)神話は人間は「カメ」のように子どもをもつことを願ったので不死でなくなった、つまり「石」のように不死だが子どもをもたないことを人間は選ばなかったと述べる。
《感想2》③「脱皮型」死の起源神話は、蛇の脱皮を「若返り」つまり「不死」ととらえ、人間は「脱皮」することを自分からやめ(ソロモン諸島の神話)、あるいは「脱皮」するチャンスを失い(メソポタミアの神話)、かくて人間は「死ぬ」運命となったと述べる。
《感想3》現実には蛇の寿命は最長でも30年程度のようだ。
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