昨日の朝は青空がみえていた。
軒下の縁台でタバコをくゆらしていると、隣地の八朔畑で薬剤散布が始まった。他地区に住む80代半ばの農家の人だった。周辺では現役農家の最高齢の人。
八朔の木は背丈の3倍はあるので、薬剤散布も鉄砲で飛ばさないとカバーできない。太陽が昇り始めたばかりの早朝とは言っても、カッパを着るとサウナ状態のはず。
そんな頑張る姿に感動しつつ、思わず庭木越しに写真をパチリ。
昼食後、残っている庭木剪定にとりかかろうと思っていた矢先、急にバケツをひっくり返したような雨が降り出した。その猛烈な雨の降り方に唖然とするばかりだった。西の空には青空が見えているのに・・・
思わず、今朝から薬剤散布していた隣地のことが思い浮かんだ。散布後、乾いたから一定の効果はあったかも知れないが、この雨の降り方だと、いくら展着剤が入っていても葉っぱから薬剤が洗い流されているに違いないと思った。
今は一斉防除期間中。アチコチから動力噴霧器のエンジンの軽やかな音が聞こえてくる。散布作業の大変さもさることながら、高価な薬剤が洗い流される口惜しさを痛感している農家が多いに違いないと思った。
1時間毎の天気予報では曇りになっていた。農家も、まさか局地的な大雨がやってくるとは思ってもいなかったに違いない。気の毒としか言いようがない。
我が家は今や家庭園芸と称する自給農家。一斉防除するほどの樹木もない。でも、農家の心情は痛いほど伝わってくる。
彼らと顔を会わせば、「昨年の今頃は、猛威をふるった台風21号で倒壊した『みかんの木の修復』に追われていたことを思えば、どうってことない」と慰め、気を取り直してもらうことぐらいしかできない・・・