近隣の農家は、寒かろうが暑かろうが雨が降らない限り畑にでかける。家庭園芸だと、今日のような暖かい陽射しの日でないと、畑に出る気が湧いてこない。寒風の中に飛び出るか、やるべき作業をやらなかったり遅らせたりするかの二者択一では、後者が勝つ。規模の大小よりも、プロ意識の違いだと思っている。それが仕事だとしても、いつも農家の人はすごいと思う。
父が残した八朔とネーブルの木。数十年来、毎年おいしい果実を頂いてきたが、管理不十分のため、数年前より樹勢が弱くなってしまった。でも、人間で言えば、もうお年寄り。ゆっくり休んでもらおうと、八朔2本、ネーブル1本、思い出を噛みしめながら伐採した。これで、父が残した果樹が1本もなくなってしまった。「親父、ごめん」「また、植えるから」
伐採に使うチェーンソー。年に1回、使うか使わないかなので数十年来使っているチェーンソーは、いつもエンジンがかからない。使う都度、農機具店に走り手入れをしてもらっていた。
1昨年、親戚から、誰も使う人がなく倉庫で眠っていたチェーンソーを貰い受けた。「HITACHI」製で数十年前の製品。とりあえず、貰い受けて燃料を入れると一発でかかってビックリ。今、このチェーンソー、1年に1回使うか使わないかなのに農機具店の世話にもならず、エンジンが始動してくれる。ただ、マシーンの重さと伐採の姿勢が不安定になることもあって、1日も使うと、食事の時、コップを持つ手が小刻みに震える。でも、20㎝以上の大木を小刻みに「のこぎり」で伐採するなんて、とても、そんな根気も体力もない。後で手が震えようが、事故の危険があろうが、大木伐採はこのマシーンに頼らざるを得ない。