<その4のつづき>
家庭園芸は、気ままな作業。やるべき作業を今日やってもいいし後日に延ばしても、さほど差し支えない。作業が1時間で終わることもあれば、半日することもある。作業時間よりも休憩時間が長いこともある。
若かりし頃、雪がちらつく中、みかん採りをしたこともあった。親から引き継いだ「みかん作り」、週休2日制でなかったころ、勤めながらの兼業農家を家内の協力で何年か頑張ったことがあった。すでに「みかん山」は山林となっている。そういう経験からすると、家庭園芸は、お遊びか道楽にみえて当たり前。
そういう気楽な家庭園芸でも、直売所に出荷する商品では、1日が終わればグッタリし、体力を使い果たすこともある。筋肉痛が数日つづき、夜には足が痙攣することもある。
今、直売所に出荷中の安納芋。保管スペースや容器が限られていることもあって、倉庫には2~3週間程度の在庫しかない。また、芋の特性上、収穫後、最低でも1週間以上は貯蔵しておくようにしている。このため、予想外に売れると、急遽、畑での収穫作業に迫られる。出荷できなければ、販売を中断してもいいのに、なぜか、そういう気持ちにならないのも不思議。
今、出荷している「さつま芋」は1畝(約40株)も掘ると、たっぷり1日かかる。まず伸びた蔓を切り整理し、覆っているビニール・マルチを取り除く。それから、さつま芋を傷つけないように、大きく外回りからスコップで掘り進めていく。スコップで土を掘る回数は半端ないことは間違いない。掘り起こせば、連なったさつま芋を、座った姿勢で1つ1つはさみを使って切り、丁寧に「コンテナ」に移す。傷や虫食いがあれば別コンテナに区分けも必要。大きな泥を落とすため洗い場に運び、傷つけないように「シャワー」で1つ1つ丁寧に洗い落とす。終われば、大きさで区分けしながら、新聞紙を引いたコンテナに1つ1つ揃えていき、倉庫で保管する。掘った後のマルチの引き直しやコンテナの洗浄など後始末も。こうした一連の作業、途中で終わるわけには行かない。終わった頃には、暗くなっていることもある。昼食も時間が惜しくて、畑で家内の出前料理を頂くこともある。こういう作業を1日ビッシリすれば頑張ったという充実感に浸りながらも、鍛えていない体が悲鳴を上げる。
鍛える努力をしなくても、直売所は体を鍛えてくれる「すぐれもの」だ! <つづく>