三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

あわいゆくころ。

2020年01月10日 | 読書
年末から読みかけていた本。

 
東日本大震災後、
はじめはボランティアとして陸前高田を訪ね、
やがて移住して、まちの人たちの声を聞き、
変わってゆく風景を見つめ続けたアーティストの記録。

私が知っているのは
震災から5年経ってからの陸前高田で、
はじめて訪ねたときにはもう嵩上げ工事が始まっていた。
それ以前の見たことのない風景、時間の移り変わりを
少しだけ追体験するような思いで読んだ。
そこに出てくる人たちは
全然知らない人たちなんだけれど、
私が出会った人たちと同じように
やっぱりみんなやさしくて、
自分以外の人を思いやる人たちなのだった。

その前に読んだ『クロニクルFUKUSHIMA』もそうだったけど、
震災後の日々のこと、さまざまな想いが細やかに綴られている。
私にも、震災後、いろんな想いはあったけれど、
その頃はそれを記すことに尻込みしていて
実際、ブログにもほとんど何も書いていない。
自分にはそんな資格はないように感じていた。
少しずつ、震災について書かれたものを読んだり
東北の唄を自分なりに唄えるようになってきて、
その後でようやく岩手を訪ねる機会ができた。
今思えば、私にはそれだけの時間が必要だったのかもしれないし、
ただの言い訳かもしれない。

震災後、すぐに動くことのできなかった自分を情けなく思いながら、
せめてその間のことを想像できるように
本を読み、映画を見、演劇を見る。
同時に、自分が岩手に行ってもいい理由を
何かしら見つけようとしているみたいで、
それもまた情けないと思いながら。
それでも、今年もきっと会いに行きたいと思っている。


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►演奏予定
 1月25日(土) Penguin's Live
 1月26日(日) ディープ大阪ナイトカルチャー塾
 詳しくはこちら
►演奏依頼 承ります
 ステージイベント、パーティ、ブライダル、レクチャーコンサート、
 ワークショップなど、三味線出張演奏いたします。
 小さな会場でも、ご予算が少なくても大丈夫。
 ブッキングライブ、コラボレーションなども歓迎。

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