Sちゃん(年少):
4歳のSちゃんは、ヒバリ教室の中で一番新しい、そしていちばん小さい生徒です。
毎週元気に通ってきていますが、まだ、ピアノ教室に何をしに来ているのか、よくわかってはいないんだろうなあ、と思います。
ヒバリ先生のことは「おともだちだよ!大人のおともだち」と言って、一緒に楽しく遊ぶ相手だと認識しているようです。
「先生から何かを教わる」という気持ちで来ていないので、「これをやろう」と持ち掛けても「いやだ。こっちがいい」と言ったり、教室にあるおもしろそうなものをあれこれ触ってみたりすることもあり(おもしろそうなものがいっぱいあるんだ、これがまた。)、自分の気の向くままに動いています。
でも、そこは先生との駆け引き。
Sちゃん自身は好きなことをやっていると思っていながら、実は先生の思惑(おもわく)に沿った流れにリードされているので、最終的にはそこそこの学習をしてレッスン終了、となっていきます。
今日は、最初のうち ソファーにあったたくさんのぬいぐるみをせっせと並べていましたが、並べ終えて、先生から「『ゴーゴーピアノ』の本を見てみよう。かわいい絵がいっぱいあるんだよね」などと誘われてページを開きました。
「あっ、いちごのケーキだ!」「うさちゃんだ。かわいい!」などとイラストに引き付けられ、「この歌弾いてみる?」「うん!」と音符に目を向けます。
Sちゃんは「ドはここ?」「レは・・・ここ?」と先生に確認しながら、次々とテキストの曲を弾き始めました。
「次はどんな絵が描いてあるんだろう」という興味に引かれながらどんどんページをめくり、ドだけの曲、ドとレで弾く曲、そしてド、レ、ミ、と3つの音が使われている曲、と弾き進めていきます。
弾いたページには、大きな花マルをつけてもらいます。
動物やフルーツなど、かわいいイラストのページはもれなく弾きますが、自動車、電車など、別段かわいくない絵のページはとばします。
「ゴーゴーピアノ1」では、ド、レ、ミ、の3つの音だけが使われています。
どのページを開いても、さほどテクニックの難しさは変わらないので、Sちゃんの好きなページ、好きな絵の曲だけ弾いていてもオーライです。
「すごい。じょうずに弾けるね。この本、全部弾けちゃうかもね?!」
「うん、ぜんぶ弾く!」
驚くほど集中し、Sちゃんはとうとう最後のページまで弾いてしまいました。
「すごいね。最後までぜーんぶ弾いたよね」先生は言いながら、ページをめくっていきます。
「あれ?この、電車のページは弾いてなかったんだ?花マルついてないね」
「うん、今ひく!」
こうして、最初とばしていたページも全部花マルで埋まり、この間もらったばかりの「ゴーゴーピアノ1」は今日で修了となりました。
本当は指番号と鍵盤をリンクしながら進めていくのですが、Sちゃんは1本指です。
でも、今日弾いているうちに、ド、レ、ミの鍵盤、そしてそれに対応するド、レ、ミ、の音符を自然に覚えられたようなので、まずはそこからでもよし。
たくさん音符を読んで、たくさん集中して鍵盤を弾いて、がんばったね。
最後は元気に「はしのうえで」を歌って、弾いて、今日のレッスンはおしまいです。
さあ、この続きどんな風に、鍵盤や音符を進めていくか。
それは、また来週からの敵、いえ、Sちゃんの出方次第です。
来週もまた、ピアノで楽しく遊ぼうね。
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