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HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

フェイク演奏をやってみる

2011年04月19日 | レッスン日記(小中高生)
Tくん(小6):
「大人のピアノ教本」から、先週「茶色の小びん」が宿題になっていました。
先週、テキストの楽譜はちゃんと弾けていたのですが、これはピアノ教材なので、Tくんたち小学生が学校でならった歌い方とは、少し違っていました。
ピアノテキストは「ミ、ソ、ソー、 ファ、ラ、ラー、 シ、シ、ラ、シ、ド、レ、ミー」と 三三七拍子のリズムで書かれています。
一方、小学生のみんなが歌うのは、「ふしーぎな、ふしーぎな、茶色の小びん~」という歌詞に乗せて、ミソーソソ、 ファラーララ、シシーシラ、シ、ド、レ、ミ~ と、より軽快に揺れるメロディーとなっています。
先週Tくんに、伴奏はこのままで、メロディーを 自分の知ってるノリで弾いてきてごらん、と指示してありました。
今日、Tくんは、左手の伴奏に乗せて、みごと違うアレンジのメロディーを弾いてくれました。
Tくんは男の子で骨格がしっかりしてることもあり、手のフォームがなかなかいいのです。
いいタッチで、軽いニュアンスのメロディーが弾けているので、もうひとつハードルを上げてみたくなりました。
「よくできてるね。じゃもうちょっと、さらに揺らして弾いてみて?」
先生は見本を見せました。
ブンチャ、ブンチャ、というスウィングの伴奏に、ちょびっとだけジャズっぽく装飾音をつけたり ピックアップやブリッジを飾ったり、リズムをくずしたり、という感じで弾いてみたのです。
「やってごらん。コードさえこの通り進んでいけば、どう変わってもいいよ」
そう言って、先生がバッキングをやってあげました。
Tくんは「えっ・・・」と言いながらも、臆せず弾き始め、2~3回繰り返すうちには、自分でも 音と音の間にブリッジをつけたり、リズムを揺らしたり、同音を繰り返したりして、けっこう自由な弾き方にチャレンジするようになりました。
「その調子!じゃ一人でやって!」
今度は、一人で左手も弾きながらのフェイク演奏です。
いいぞいいぞ!慣れればどんどんできるようになるよ。

なかなかいい手ごたえがあったので、次の曲は、テキストの「ゴセックのガボット」をスキップし、「茶色の小びん」と同じようにノリやすい「幸せなら手をたたこう」を宿題にしました。
今にTくんが、いろんな曲を こんなふうにささっとフェイクして演奏できるようになってくれたらいいな~

自分の演奏を分析する

2011年04月19日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小4):
「こんにちはー」
おにいちゃんのTくんと一緒に、揃ってやってきたのはいつもどおりの時間です。
「早かったね。今日は遠足だって言ってたから、おそくなるかと思ってたよ」
「そうかな。もう帰ってきたから平気だった」
雨もようの不安定な一日でしたが、何とか「多摩動物公園」の遠足に行って来れたようで、よかったです。
今日の課題は「愛のロマンス」です。
禁じられた遊び」というタイトルでよく知られていて、悲しい物語の映画の主題歌です。
※リンクをクリックするとHPの「あの曲の由来」が読めます。先週、映画の内容は説明してありました。
9才のTちゃんなりに、心を揺さぶられたようでした。
左手で分散コードの三連符の伴奏をつけながらメロディーを弾きます。
なんとか弾けているのですが、いまいちなめらかに、いまいちテンポ速く、いまいち雰囲気出して弾いて欲しい・・・
「ちょっと代わって。こんなふうに弾いてもらいたいんだ」
先生が代わって、切なく哀しい旋律を表情こめて弾きました。
「ああー」
Tちゃんは言いました。
「あたしのはうるさすぎた」
具体的にどこが違うか、とは言わなかったのに、直ちに違いを感じたのはすごい。
「じゃ、おんなじように弾いてみてよ」
ピアノの前に座ったTちゃんは、「ペダルも使った方がいいかな」と足を乗せました。
そう、楽譜にペダルの指定はないけど、先生は使ってたよ。
こうして、たちまちTちゃんの「愛のロマンス」は、柔らかく歌うような調べとなって流れ出しました。
次に「バーナム」で、テンポの速い16部音符の連続を弾いたとき、先生が「力で押さえつけないで。指を丸くして、指先を使って弾いてごらん」と見本を見せると、Tちゃんは
「あたしは肩に力が入っちゃう」と言いました。
先生の弾き方を見ただけで、自分のはどうなってるか、即座に気がつくTちゃん、お見事です。
あとはそれに気をつけて、模範演奏に近づけるよう練習あるのみ。
がんばってね。

ミュージカルの楽譜

2011年04月18日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(小2):
Sちゃんも2回目の春を迎え、もう2年生。はやいもんだ。
春休みに、劇団四季のミュージカル「夢から醒めた夢」を観につれていってもらったとのこと。
Sちゃん、いたく感動したらしく、ママの話では「号泣してました」とのことです。
楽譜を買ってもらったんだ!というので、今度見せてね、と 先週言っていました。
今日は、「ほら、これが楽譜」と持ってきて見せてくれました。
3曲、おもだった歌のピアノ伴奏つき楽譜がのっています。
「ひいてみた?」
「うーん、でもむずかしいからダメなの」というSちゃんです。
見ると、そんなにむずかしい楽譜ではないのですが、小学生のSちゃんには 何段にもならんだ楽譜は「難しい!」と見えているのでしょう。
「むずかしいから無理なの」と言いながら、歌の部分はけっこうメロディーを追って弾いています。
「ママに伴奏してもらえば、弾けるんじゃない。ママと二人で弾けば?そうだ、発表会にだって、ママと二人で弾いたらいいんじゃない」というと、Sちゃんはあわてて言いました。
「だめだめ!ママはだめなの。ママは出したくない
ふうん。おもしろいね。
女の子って、けっこう 親と一緒にパフォーマンスするのを恥ずかしがるもんです。
そういえば、私自身も、幼稚園ぐらいの時でも親と一緒、って なんかやだったな。
そこへいくと男の子は、高校生ぐらいになっても 学園祭なんかで「おーい」と親に手を振ってたりして、明るいんだなー、と思ったこともあります。
ともあれ、Sちゃんが、こうしていろんなステージなどを観て、心の中に引き出しをたくさん作っていくのはいいことだなー、と思いました。

上野の森・芸術めぐり

2011年04月14日 | その他日記
とっても暖かな「お花見日和」の今日、上野の森を「芸術めぐり」してまいりました。

そもそも、なぜ今日上野かというと、富山に住んでいるピアノ教師仲間の友人が、趣味で習っている「絵」で入賞し、芸術のメッカともいうべき上野で行われる授賞式のため 東京にやってきたからです。
彼女の授賞式は夕べ華々しく行われ、今日は一緒に遊ぼう!ということで、朝早く 公園口で待ち合わせをしました。

まず私たちが訪れたのは、「上野奏楽堂」(上の写真)。
 学校前で


現在の東京芸術大学(芸大)の前身、旧東京音楽学校と その音楽ホールで、中を見て歩くことができます。
古めかしい学校やその音楽練習室などが展示室となり、明治時代の作曲家 本居長世さんの直筆楽譜やプロフィールなどが展示されていました。
本居長世さんは、「赤い靴」「七つの子」「青い目の人形」なども作曲した人です。
最初、私たちは本居さんにそれほど興味を持たなかったのですが、その紳士的で端正な写真、丁寧に書かれた直筆楽譜などに心を打たれ、「やっぱりもらっとこうか」と 彼の年表をもらってかえりました。

そのあと、国立博物館や庭園、下町風俗博物館など、上野ならではの芸術、文化スポットを探索しました。
上野公園の中には、いくつかの大道芸スポットがあり、お花見をしながら大道芸を楽しむことができます。


これは「ダブル・ダッチ」という2本の縄を使った縄跳びのパフォーマンス。
縄を飛ぶだけではなく、ブレイクダンスも加わって、ものすごくエキサイティングなパフォーマンスです。
桜は終わりに近づいていましたが、まるで吹雪のように舞い散る「桜吹雪」は圧巻でした。



並木の終わり頃のエリアでは、中国曲技団のパフォーマンスをやっていて、京劇のメイクをし、高いはしごに登っての曲芸や、両手に持った棒で 同時に5枚ずつぐらいの皿を回す「皿回し」などもやっていて、これまた圧巻です。
お昼には もう一人のピアノ仲間(タップ仲間でもある)も合流し、風流なランチをしました。


パンダを見ようと思ったのですが、タッチの差で動物園が閉まってしまい、しかたがないので一応 西郷さんの銅像を見て、上野の散策はおわりました。
 西郷さんの犬、小さすぎ。ってか、犬に対して西郷さんでかすぎ。

入学1週間

2011年04月13日 | レッスン日記(小中高生)
Nちゃん(小1):
今日は、小学生になって2回目のレッスンです。
先週は、ちょうど入学式の日の午後がレッスン日でした。
きょうは、学校の帰りにママとレッスンに来たので、ピカピカのランドセルと黄色い帽子、という姿を見せてくれました。
最近のランドセルって、おしゃれなのねえ~
茶色い革に、ピンクのステッチが入っていて、裏地もピンク、そして「シャーリー・テンプル」のロゴが入っています。
いいなあ。大きなランドセルが誇らしげです。
レッスンしていると、ちょっと疲れてるかな、という風に見えました。
入学してちょうど1週間。
新しい生活や、その緊張で疲れがたまってきた、ということもあるでしょうし、また・・・
「お昼寝がないんで、眠くなっちゃってるようです」とママ。
そうだ。保育園では、今ごろお昼寝の時間なんだものね。
小学生になったら、そのお昼寝がないので、疲れて眠くなってしまうのでしょう。
新しい生活リズムができるまで、少々しんどい新1年生でした。

M4ちゃん(小1):
「練習してきたよ。ほらっ」
と開いたM4ちゃんの楽譜は、赤い鉛筆や黒い鉛筆で、いっぱい書き込みがしてあります。
同じメロディーを丸で囲んで区分したり、「1かいめはここをひく」とか、きをつけるところに丸をつけてあったりとか、まるで中高生のノートみたいに勉強の跡が書き込まれてあるのです。
「なーんだかいっぱい書いちゃって・・・」と ママは当惑ぎみですが、M4ちゃんとすれば「勉強してる!」という気分になって やる気がわき上がるのでしょうね。
とてもテキパキした、しっかり者のM4ちゃんなので、学年が上がるにつれ勉強もしっかりとやっていくのだろうなーと思います。
今のところは、左手の伴奏の刻みに対して 右手がいっしょに切れてしまわないように、右手はレガートでひきましょう、ということをポイントにレッスンしています。
両手で一緒にポツポツ、というのは もうマスターしているので、より音楽的な音色が出せるように。
もうすぐそれもマスターできそうです。

クラブ活動は吹奏楽部・トロンボーン🎵

2011年04月13日 | レッスン日記(小中高生)
春真っ盛りとなった今日このごろ。
夕方、猫のジルをバスケットに入れ、自転車の前かごに乗せて 近所を走っていると、前方に 制服姿の中学生が歩いていくのが見えました。
真新しい制服、そして髪を2つに結んだ その後ろ姿は・・・
「やっぱりM3だ!」
「あ、先生。今、部活に入部して、もう練習してきたの」
「何部にはいったの?」
「吹奏楽・・・楽器はトロンボーン」
やったー。かっこいいねえ。
トロンボーンならC管だから、絶対音のM3ちゃんにぴったりだよ。
「今日入部して、2時間練習して、音階が吹けるようになった」
すごいじゃん! さすがM3だ
「発表会で吹いてよ!」
「やだあ~
などと言いながら、しばらく一緒に歩きました。
M3ちゃん、着々とミュージシャンになっていきつつあります。
楽しみだ~

中学生になったよ!

2011年04月12日 | レッスン日記(小中高生)
MちゃんとM3ちゃんの「M&Mコンビ」。
そろって K中学校の生徒になりました

先週、「入学したら、制服でレッスンに来てよ」と頼んだので、今日は二人とも、真新しい紺色の制服を着てきてくれました。
ピシッとプリーツの入ったスカート&ブレザーのスーツです。 
制服を着ると、一気に大人っぽく見える!
立派だ~
これからは、レッスンも どんどん大人っぽい要求して大丈夫そうだ。

しかし二人が帰ったあとには、玄関に1台の自転車が置き去りに。
しかもカギもついたまま・・・
すっかり夜になってから、「ピンポ~ン」とチャイムが鳴って、ジャージに着替えたMちゃんが自転車を取りに来ました。
小学校は卒業しても、やっぱりウォーリーズからは卒業できないのでした・・・

珠玉のレパートリー

2011年04月09日 | レッスン日記(小中高生)
キノパパ:
お仕事その他、色々と忙しいキノパパですが、コツコツと地道に練習をされているようです。
今日はベートーヴェンの「ト調のメヌエット」中間の「トリオ」部分を中心にレッスンしました。
前回、右手と左手が掛け合いになる部分に対し「小節単位で区切らず、フレーズで区切っていくようなイメージで練習してください」とアドバイスしていました。
今日は そのアドバイスをよく守って、丁寧にフレーズの練習をしてあり、トリオ部分がほぼ完成の形になりました。
あとは、全体を通してまとめていくことになるので、そろそろ次の課題曲・・・実際には秋のコンサートでも弾くことになる曲・・・も考え始めましょう、と提案しました。
キノパパは、「少し軽快なテンポを持っている曲がいいです」と言いました。
今までは、比較的ゆったりした曲が多かったのですが、ゆっくりの曲だと本番で緊張してしまったときに、真っ白になってわからなくなってしまうというのです。
リズミカルな曲なら、なんとかリズムに乗ってつなげていけそうなので、というのがキノパパの希望でした。
「今までの曲も、レパートリーとしていつも弾いているんです」
キノパパは、楽譜もなしに 前に発表会で弾いた「タイスの瞑想曲」をさらら~っと弾きました。
本番で弾いたときより、弾き込まれてしっとりと余裕の演奏になっています。
「これもよく弾いてるんですよ。練習曲ですけど・・・」
次にキノパパは、教本の中の曲「テネシーワルツ」を弾きました。
これも楽譜なしです。

すばらしい!
ただレッスンを受けて、曲が合格してマル! というだけじゃなくて、合格した曲も、いつまでもレパートリーとして大事に保っているキノパパの姿勢に感心しました。
こうして、大好きな曲のレパートリーをずっと大切にしてくれていることが、とても嬉しいです。
ここまで弾いてもらえれば、ピアノだって曲だって浮かばれるってもんでしょうし、ピアノを習っていることの意味もぐんと深くなることでしょう。

1年生になったよ!

2011年04月06日 | レッスン日記(小中高生)
M4ちゃんとNちゃん:
ともに、保育園の「おひさまぐみ」でしたが、いよいよ小学校1年生になりました。
しかも、今日が入学式!
これまでは同じ保育園でしたが、小学校は区域が違うので、それぞれ別の小学校に入学です。
今日レッスンに来た二人は、まさに入学ほやほやの「ピカピカの1年生」でした\(^O^)/
先に来たのはM4ちゃんでした。
「学校いってきたよ。お友だちできた。二人!」
と 元気いっぱいに報告してくれました。
後から来たNちゃんも「お友だちできた。二人!」と、負けないぐらい元気に教えてくれました。
へー、二人とも、もうお友だちできたのか~ みんな積極的なんだねえ。
楽しそうでよかった。
「今度、ランドセルしょってきてよ」と約束しちゃいました。

ピアノの方も、指や読譜が着実に身についてきてる二人。
もうこれからは、しっかり小学生としてやっていけるよ。

勇ましい乙女

2011年04月06日 | ブルクミュラー
S子ちゃん:
明日は中学校の入学式で、今日が春休み最後の日です。

先週、ブルクミュラーの「バラード」に入りました。
冒頭の部分が、今までの曲と違って左手がメロディー、右手が8分音符の小刻みなバッキングなので弾きにくく、両手のバランスがなかなか合わずにバタバタしていたのですが、今週はびっくりするほど上手に弾けるようになっていました。
「すごい!たくさん練習したんだね」
「この部分が好きだから・・・」
ミステリアスなバラードは、S子ちゃんのお好みです。

前半がこんなに上手に弾けているのに比べ、中間部の夢見るような柔らかなメロディーは どうもブッキラ棒で美しくない。
「なんだか可愛いげがないねえ・・・」という、男前な弾きっぷりです。
何度か練習して、なんとか柔らかな演奏に近づいてきました。

今日はブルクミュラーの他にもう1冊、「ピアノの叙情詩(キャサリン・ロリン)」という楽譜を持ってきていました。
前に「悲しくて切ない曲が好き」といって、この中から「初めての悲しみ」という曲を弾いたことがあったので、
「ちょっと、楽譜を見ながら思い出して弾いてみてごらん」といって 弾いてみてもらいました。
左手が淡々と四分音符を刻みながら、その上に大変切ないメロディーが乗っていくのですが・・・
四分音符が ジャン!ジャン!ジャン!ジャン!と力強く、右手のメロディーもしっかりたくましく、勇ましい。
「ちょっとー、これじゃ勇ましすぎでしょ。『初めての悲しみ』っていうより『初めての怒り』とか『初めての革命』って感じだよ」
そうして、先生が「悲しみ」の模範奏と、S子ちゃんのマネをした勇ましい演奏を 弾き比べて見せました。
「アハハ、アハハ」とS子ちゃんは大受け。
「行進曲みたい~
「でしょ?S子ちゃんのは、どうも何弾いても勇ましくなっちゃうねえ~」
まあ、元気いっぱいなのはいいことだ。
心身ともに元気な証拠だ。
もう中学生になるんだから、もう少ししたら しっとり柔らかな曲も、それらしく弾けるようになってくるんじゃないでしょうか・・・

T&Tきょうだい 4月のレッスン

2011年04月05日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小3):
先週は春休みでお休みだったので、2週間ぶりの登場です。
新学期はまだだけど、もう4月になったので、フレッシュな気分です。
バーナムの緑、そしてバーナムのピンクでランダム弾きと進めていきます。
ピンクのバーナムは、一度は合格した曲を、ルーレットで番号を選んで弾いていく、という「ヒバリ教室システム」なので、
「一度は弾いた曲なんだから、なるべく速く弾くように」ということになっています。
みんなは時々、そのことを忘れて、しかもどんな曲だったかも忘れていて「アレ?アレ?」などと のろのろ弾いたりするのですが、Tちゃんは 曲は忘れていても(?)「なるべく速く弾こう」という姿勢をいつも保っていて、お利口だなあ、と思います。
8分音符や16分音符の連続などを、がんばってベストを尽くして弾いているのは感心です。
指も大分しっかりと動くようになってきました。
「大人のピアノ教本」は、春休み前ということで あっさりと「一週間」連弾の第1パートを宿題にしてありました。
先生の弾く第2パートの伴奏に、両手ユニゾンでメロディーを合わせていく、というものなので、今日はそれをにぎやかに連弾して、レッスン始めとしました。

Tくん(小5):
「黒い瞳」を、
1コーラス目は とってもゆったりと 
2コーラス目は ゆっくり弾き始めて 徐々にテンポを上げていき
3コーラス目は すごいスピードで弾いて、最後はいきなりポーズ~アルペジオでドラマチックに終わる
という演出で弾くように、と宿題を出していましたが、春休みだし、どうせ忘れてるんだろう、と思っていました。
ところが、Tくんが弾き始めると、以前迷っていたコードも指使いも、しっかりと弾きこなし、堂々とした演奏になっているではありませんか。
2コーラス目でテンポが速くなっていき、3コーラス目はもっと速く狂おしく。
そして最後は、落ち着いたアルペジオを上昇させて・・・・キメ
やったー。すごい。大人っぽい~ と絶賛されて、Tくんは にま~とほころびそうになる口元を むりやり引き締めています。

「ところで、学校はいつから?」ときくと、妹のTちゃんが
「6日だけど・・・おにいちゃんは入学式も行くんだって」と説明しました。
「あっ、そうか。今度、6年生だもんねー。最上級生だもんね。新1年生の面倒見たりするの? 手を引いて連れてったり」
「うん」と さりげに答えたTくんですが、またもや口元が にま~ と・・・
ああ、男の子って、ホントに無邪気。

好きな歌をひいてみたい

2011年04月04日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(小1):
曲集の中から、「これがやりたい」と言って「君をのせて」を弾いてきました。
ジブリの映画の中でも根強い人気のある「天空の城ラピュタ」の主題歌です。
「左手は難しいから、右手だけなの!」
いつもながら、好きな曲のメロディーをとにかく弾いてみたい!というスタンスのSちゃんんです。
でもそれでいいと、私は思います。
自分も小さいとき、TVの歌や学校で習った歌、映画を観て心に残った曲などを、自分でも弾いて見たくて いっしょうけんめいピアノで再現したものです。
「ちゃんと楽譜どおりに弾かないとダメでしょう」とか
「右手だけじゃなく、きちんと伴奏も勉強して弾きなさい」などと、昔の先生や大人は言ったものですが、それじゃ このわくわくした気持ちには追いつかないのです。
たとえ自分では右手だけしか弾けなくても、それどころか部分的にしか弾けなくても、演奏を始めれば心の中には、ちゃんとTVや映画で見たとおりの 大迫力の音楽がはっきりと響いているのですから。
それなので、ヒバリ教室では、まだそのレベルに達していない楽譜であっても、「弾きたい」という気持ちがあれば できる範囲で弾かせています。
足りない伴奏や難しいところは、先生が一緒に弾いてあげれば、ほうら、ちゃんとオリジナルと同じ演奏になった。

Sちゃんの「君をのせて」は、最初 あわてたように早い弾き方でした。
どうしても、年齢の低い子どもはテンポが早くなってしまう傾向があります。
「もうちょっと、ゆっくり弾いた方が『ラピュタ』らしくなるよ」と言って、先生が 情感たっぷりの伴奏を一緒に弾きました。
すると、Sちゃんもたちまちそのテンポにゆったりと同化し、うっとりと体を揺らしながら弾いています。
「早いでしょ!」「もっとゆっくり!1、2、3・・・」などと指図するより、うっとりするような本物の音楽の中に引き込んであげれば、小さな子でもちゃんと、音楽性の高さや美しさを感じて、それに見合った演奏ができるものです。

「今の演奏、とってもすてきにできたね。左手、弾かなかったけど、ほら、ここのところはそんなに難しくないんじゃないの?」
と、和音のみで伴奏するようになっている部分を示すと、Sちゃんは「ここだったらできるかもしれない」と、練習してくる約束をしました。

好きな曲を弾く、というのは、こんなにも子どもの夢や意欲を引き出し、結果的には難しかったはずのレベルまでがんばって到達することも可能にしてくれる、すてきな練習方法だと思います。