HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

ブルクミュラー「お別れ」は白鳥の湖、「バラード」はハリーポッター

2011年03月30日 | ブルクミュラー
1曲ずつに全部タイトルがついて、親しみやすい「ブルクミュラー25練習曲」ですが、そのタイトルも よく見れば「バラード」とか「アラベスク」とか、何だかあいまいで 結局よくわからない、みたいな感じもします。
今、6年生のS子ちゃんとMちゃんが「ブルクミュラー」を学習中ですが、その際に彼女たちのイメージを膨らませるための 先生のリードは、必ずしも同じにはなりません。
弾く人によって、またその年齢や感じ方によって、曲のイメージや表現もフレキシブルに変化します。

たとえば「さようなら」という曲。
以前にS子ちゃんがこの曲を学習した時には、「ドラマや映画のような」イメージを高めながら弾きました。
大切な人との切ない別れ。
目の前の現実と、楽しかった回想、そしてまた現実に戻り、たがいに手を振り合いながら汽車はだんだん離れていって・・・FIN。みたいな。

今回、Mちゃんが 同じ「お別れ」に取り組みました。
最初、タイトルから彼女は「卒業式みたいな感じかな」と言っていたのですが、弾いているうちに「なんか、もっと悲しいお別れだね」と言うようになりました。
卒業なら、その時は悲しくても また友だちと一緒に中学へ入学する楽しみがあるけど、この曲はそうはいかないみたい・・・
そうね、先生もそう思うよ。
もっと悲しくて もっとドラマチックな運命。
「ほら、『白鳥の湖』に似てるよね」
そう言って、先生は弾いてみました。
「最初のところは、森で白鳥の群が飛んでいるのを見る王子ジークフリート。」
「お別れ」を弾きながら、「白鳥の湖」の「情景」へとつなげて演奏します。ちゃ~、ららららら~
「まん中のところは、夜の間だけ美しい王女の姿にもどったオデットと王子のパ・ド・トゥ・・・愛のデュエットよ。ところがだんだん夜が明けてきた。『もう時間です。白鳥に戻らなければなりません』! ドラド、レミレ、ドレド、シドレ、ちゃ~、らららららら~
そして最後は、オデットと王子が互いに名を呼び合いながら遠く離れていきます。
「オデット!」「王子さま!」「オデット!」「王子さま!」
そして響き渡る、悪魔ロットバルトの笑い声・・・幕。
どうです?そんな感じがしてきませんか。

また、「バラード」というドラマチックな曲、今回S子ちゃんが練習するにあたって、彼女から引き出したイメージは
「目に見えない凄みとか恐怖」みたいなものでした。
イントロの右手が、ヒタヒタと背後から迫ってくる戦慄のような。
時折パッと目の前を横切るフクロウ、そして前半の最後でついに姿を現す悪の帝王、ヴォルデモート!

以前 ほかの人が弾いたときには、絶壁の岩山を塔に向かって、暗闇の嵐をついてひた走る馬に乗った騎士、とイメージしたこともありました。
こうして、いろんな風にイメージしたり表現したりできるのは、音楽にそれだけのエッセンスがあるから。
これぞ演奏の醍醐味といえるのではないでしょうか。


大地震

2011年03月12日 | その他日記
昨日の地震は 未曾有の大震災でした。明治以来初めての大災害とのことです。
みなさん、大丈夫ですか?

地震発生時、私は高田馬場にいました。
ビルの地下だったので、ここまでひどい地震だったとはその時はわかりませんでしたが、地上に出ると、そこらじゅうのビルの人たちがみんな道路に出て集まっていたので、これはかなりの地震だったんだと思いました。
駅まで行くと、改札外のモニター画面に地震のことが出ていて、駅のアナウンスで電車は全てストップしたと言っていました。
とりあえず 駅前のタクシー乗り場まで行ってみましたが、そこには長蛇の列・・・これなら歩いた方が早いなと思い、一駅歩いて、下落合の実家まで行くことにしました。
裏道を通って行ったのですが、どの道にも、ビジネスマンや学生や、電車に乗れなかったたくさんの人が歩いていました。
そんな中でも、何度か余震が起こり、道がグラグラ揺れて 頭上の電線がゆらゆら揺れました。
下落合駅に着き、駅前の踏切を渡ろうとしましたが、そこには電車がストップしたままになって踏切が閉まっていたので、もっと先まで歩いて、遠くの踏切を渡り、遠回りして やっと実家に到着しました。
実家にも被害はなく、ひとまず安心しましたが、TVに映し出されている 地震の様子や現場の映像を見るうちに、だんだんと どれほどひどい地震だったかということがわかってきました。
まるで「地獄の黙示録」か「世界の終末」のような地獄絵図が、生々しく実況中継されているのです。
東京では、実際に津波などの被害はありませんが、交通や都市機能のマヒという 都会ならではの二次災害がじわじわと進んでいます。
結局昨夜は帰宅できず、「帰宅難民」として 実家で一晩過ごしました。
今日レッスンの予定だったS子ちゃんとの約束もキャンセルしてもらうしかありませんでした。
午後になって、ようやく電車が動き始めたので、24時間ぶりに帰宅した次第です。

自然の力の恐ろしさを、改めて認識した思いです。
特に水の力はすごい。水の力の前には、家も車もゴミくずのように無力です。
誰かが言っていた・・・
「津波って、ただの波じゃないんだよ。『海』が そっくりそのまま押し寄せてくるのが、津波なんだよ」
うわあ、怖い~

M&Mの音感

2011年03月08日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(小6)とMちゃん(小6)。
毎週、キャピキャピと「ボケ&ツッコミ」を演じて 笑わせてくれるM&Mですが。
(どっちがどの役かって? それはね、M3ちゃんがボケ、Mちゃんがツッコミだよ)

一旦ピアノの前に座ると、ガラリと繊細なピアニストに変身する二人です。
M3ちゃんの「スケーターズワルツ」を聴いて驚き。
先週とはうって変わって、ふんわりと軽やかなワルツになっている。
ペダルの使い方も すっかり上手になって、1小節ごとに歯切れ良く入っている。
すっごく一生懸命に練習してきたことがわかります。
先生に言われたような音が出せるように、何度も何度も、ひとりで練習してきたんだね。

また、Mちゃんの「お別れ(ブルクミュラー)」も、感情をよくつかんだ繊細な音色が聴き取れる演奏です。
前半の最後の部分、感情がくり返し高まって感極まっていくフレーズを、何度か一緒に練習してみました。
「切な~い」と言いながら弾いているMちゃん。
「お別れ、か・・・卒業とか?」と、曲のイメージを描いています。
「そうね。卒業式の気分もするね。いよいよお別れ!って切ない気持ち」
「うんうん。初めのところは、当日だねえ」と わかってるMちゃん。
「まん中は、なんでこんなに明るいの?」と 落差を指摘しています。
「ここは、楽しかった思い出よ。『♪あんなこと~、こんなこと~、あったでしょう~』」
「ああー、なるほど!」
たちまち理解してるMちゃん、このドラマチックな曲が、ちょうど自分の卒業と重なり、きっと真に迫る演奏で仕上げてくれることでしょう。

レッスンが終わったあと、M&Mは例によってじゃれ合っています。
M3ちゃんがピアノの下にもぐりこんだので、Mちゃんがいいました。
「M3!この音、なーんだ?」
そして、ピアノの音を適当にポーンと鳴らしました。
ピアノの下から 声が聞こえてきました。
「ソ」
「あったりー! じゃこれは?」
今度は、大きく離れた場所のキーを叩きます。
「ド・・・シャープ」
「あったりー。じゃ今度はこれ!」
できるだけ離れたところの黒鍵です。
「シ・・・フラット」
やったー。すごいぞM3! 絶対音感だ!\(^O^)/
「じゃあ、Mちゃんやってごらんよ」
今度は先生が、Mちゃん相手に 音当てをやってみました。
まずはまん中へんの音。「これは?」
「うーん、ラ?」
あったりー。じゃ、うんと高音部の、この音は?
「うーん・・・レ・・・のシャープ」
じゃ、どどーんと下まで飛んで、この音は?
「シ・・・のフラット」
やったー。全部正解だよ!\(^O^)/

M3ちゃんもMちゃんも、絶対音感が身についていることがわかりました。
中学に入ったら、M3ちゃんはブラスバンド部に入るんだと言っています。
絶対音感の人は、便利なこともありますが不便なこともあります。
M3ちゃん、クラリネットとかホルンとか、そういう「移調楽器」は、アタマが発狂するのでやらないようにね。

たしかに上手だけどね

2011年03月08日 | レッスン日記(小中高生)
「オレも早く弾けるようになったよ!」
妹のTちゃんが スピード弾きをがんばった後、Tくん(小5)も やる気満々でピアノの前に座りました。
本を広げたTくんに、先生が言いました。
「今日は『黒い瞳』を両手で弾いてくるんだったよね?」
するとTくん、
「あ・・・」と 一気にしぼんだ様子です。
「オレ、まちがえて『雪の踊り』やってきちゃった・・・」
なあんだ。そりゃ上手になったでしょうよ。
だって先週も上手だったんだもん。
ここがTくんのおもしろいところ、というか男の子らしいところ、というか、笑えるところ、というか・・・
上手に弾ける曲をがんばって練習する」というのが、男の子の特徴なんだよね。
決して「下手な曲をがんばって上手になれるように練習しよう」という発想はない。
「上手だから、何回も弾こう」という考えしかないのが、男の子のアタマであります。
ま、せっかく弾いてきたんなら、それを弾こうじゃないか。
というわけで、「雪の踊り」は 先週にも増してステキに連弾されました。
それで。
「『黒い瞳』も、先週やったよね。思い出した?」
「ああー、思い出した」というので、もう一度、右手・左手をそれぞれ確認し、両手で合わせるところまでやってみました。
「この曲ね、最初は ゆーっくり弾くの。そうして、くり返しながら、だんだんだんだん、テンポ上げて、最後はすごい早さで弾くんだよ」
先生は言って、お手本を見せました。
最初は ゆーっくり、ゆったりとした舞いのように。そして中盤から、徐々に徐々にテンポを上げ、最後は狂おしいテンポのステップを思わせる大迫力で ジャン!
「こんな感じよ」と、横で見ているTくんを振り返ると、彼の顔がニ~ッとほころんでいます。
内心、「かっこいい」と思い、それを自分が弾くんだ、と嬉しくなったんでしょうな。
Tくん、来週こそ、「黒い瞳」かっこよく弾いてきてね・・・

天国と地獄 がんばったよ

2011年03月07日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小3):
「天国と地獄」を、運動会みたいに、できるだけ早く弾いてくる、という宿題でした。
本を開き、「ほら、本持つと、自然にこのページが開いちゃうんだ」とTちゃん。
ひょ~、それって、いつもいつも練習してたからじゃないの?
「うーん、ピアノの上に開きっぱなしにしてたから」と、ちょっと謙遜のTちゃんです。
「弾けるかな」といいながら弾いてみると、うわあ、がんばったじゃない!
いきなり前向きな、早いテンポでの伴奏。ドソミソ、ドソミソ、シソレソ、シソレソ・・・
「早い早い!そうだ、時間はかっちゃおっと。何秒で弾けるかな」
と、携帯のストップウォッチを用意する先生。
「え~!ドキドキする~」

いっせーの、せっ

でスタートしたTちゃん。順調に飛ばしてる・・・あっ、つまずいた。がんばれ・・・
あっ、うろたえた・・・迷子になったらロスだぞ~
「何秒?」
「32.6だったよ。よしっ、30秒以内が目標だ」
「え~」
「だって、今、つっかえたから32秒かかっちゃったけどさ。間違えなければ、2秒ぐらい縮められるよ。」
「うん・・・たしかに」
それっ、もう一度。

・・・という具合に、何度か失敗したり、疲れてヨロヨロして時間食ったりしながらもチャレンジをくり返し、何度かのトライアルののち、Tちゃんはめでたく 28秒台で弾ききることができました。
やった~\(^O^)/

「クラリネット」うたったよ♪

2011年03月07日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(小1):
先週、メロディーを弾いて(どーしよう)「コラ!」(どーしよう)「コラ!」と歌った「クラリネットをこわしちゃった」。
「きょうは、じょうずに弾けるようになったよ!」と元気よく弾いたので、先生が軽快な伴奏をつけました。
1回、最後まで全部弾くと Sちゃんは言いました。
「今度は歌うからね!はいっ、先生、弾いて?!」
「えっ、何、弾くのは先生だけなの?」
「うん!」
それじゃあ、ってことで、先生がうきうきするようなテンポで調子よくピアノを弾き、Sちゃんは歌に専念。元気いっぱい、声を張り上げて歌いました。

オパ、キャマラド、パ キャマラド、パオ パオ パンパンパン、
    オパ、キャマラド、パ キャマラド、パオ パオ パ!

前歯が2本ない「スキッパー」であるにもかかわらず、「パ」の連続の歌詞を ちゃーんと歌いましたよ~

パーカッション・ミュージアム コンサート

2011年03月06日 | いろんな楽器
小田急線・成城学園前にある成城ホールに、「パーカッション・ミュージアム」という楽団(?)のコンサートを見に行きました。
演奏楽器はすべてパーカッションばかり、というので、なんかおもしろそう。
ヒバリはパーカッションとかリズムが好きなので、同じくパーカッション好きな、タップ友だちのNさんを誘って、一緒に行きました。

オープニングは、カバレフスキーの「道化師のギャロップ」でした。
マリンバの音が目まぐるしく駆け回り、これぞマリンバ!という楽しい演奏です。

「パーカッション・ミュージアム」=「打楽器の博物館」みたいな意味になりますね。
その名の通り、たくさんのマリンバやシロフォンや、ティンパニ、バスドラム、スネアドラム、トライアングルやカスタネット、ウッドブロック、タンバリンや鈴、木魚 その他ありとあらゆる打楽器を駆使して、たった6人の楽団員が大活躍します。

プログラムは、音楽史の時代順に演奏され、古くは中世のフランスで演奏された ティンパニだけで演奏される行進曲から、バロック時代・バッハの「G線上のアリア」、新しいものはストラヴィンスキーの「兵士の行進曲」や ビゼーの「こどもの遊び」からのパーカッションアレンジなども演奏されました。
現代日本の作曲家 池辺晋一郎による 「雨のむこうがわで」という曲では、4人の演奏者が 台の上にずらりと並べた打楽器を、目にも留まらぬ早さで持ち替え・置き換え、取っ替えひっかえ、文字通り八面六臂(はちめんろっぴ)の大活躍でした。
また、おもしろかったのはJ.ケージ作曲(?)の「リビング・ルーム・ミュージック」というもの。
4人の演奏者が リビングルームに座っていて、いきなりスキャットが始まります。
スキャットは掛け合いになり、意味があるようなないような言葉がおっかけ、重なり、リズムをきざみ・・・
もちろん伴奏などはないので、演奏者にはものすごいリズム感が要求されます。
アレはおもしろかった。マネしてやってみたいよ\(^O^)/

コンサートの最後は、ラヴェルの「マ・メール・ロワ」全曲でした。
「マ・メール・ロワ」は、おとぎ話をもとにした組曲で
 眠れる森の美女のパヴァーヌ
 おやゆび小僧
 バゴダの女王レドロネット
 美女と野獣の対話 
 妖精の園
 
の5曲から成っています。
オリジナルはピアノの連弾で、管弦楽アレンジバージョンやバレエバージョンも有名ですが、今日の演奏を聴いて、「マ・メール・ロワは パーカッションで演奏しなきゃダメでしょ」と思ってしまった
シロフォンやマリンバの 妖精的な音色のメロディー、トライアングルや鈴がそれにいっそう魔法的な効果を上げています。
マ・メール・ロワは圧巻でした!
フィナーレの後、アンコールでは「天国と地獄」が演奏されて、にぎやかにコンサートは終了しました。

今日びっくりしたのは、打楽器の人は 他の楽器の人とちがって、一人でいくつもの楽器を持ち替えて演奏しなければいけないということです。
その手際の良さは、見ててスカッとしますが、やってる方は大変でしょうね。
それから、プログラムが進むたびにステージに走り出て、楽器を入れ替えたりむきを変えたりする「舞台係」の人もスゴイ。
きっと楽団員の人なんだろうけど、アレをアタマに入れて、次々こなしていくのは、それだけでひとつのパフォーマンスとも見えました。
見て!この写真。
コンサートが終わった後、舞台の床に貼ってあった おびただしい量の「バミリテープ」を見てびっくり。
思わず駆け寄って、写真を撮ってしまいました。
※「バミリテープ」は、放送・舞台用語などで「場を見る」つまり、演者や楽器などの立ち位置や置き位置を決め、そこに貼っておく目印のテープのことです。
こんなに色とりどりのバミリテープを見たのは初めて!


押してもダメなら引いてみな

2011年03月05日 | 音楽のツボ
キノパパ:
「ト長調のメヌエット」、あんなに苦労した前半が おどろくほどなめらかに、堂々とした音で弾けるようになってきました。
すごくいっぱい練習したんだろうな・・・

そして今日は、トリオの部分。
前半よりテンポアップして、右手が軽やかに飛び回るような、まあ曲の「見せ場」といった部分です。
真面目なキノパパなので、右手も左手も、きちんと練習してきた跡がよくわかります。
ところが、両手合わせると なかなかうまくいかない・・・ギクシャクしてしまうのはどうしたわけでしょう?

実は、そこが大ベートーヴェンの曲であるゆえんです。
一見シンプルで簡単そうに見えますが、右手と左手の「呼吸」が それぞれ独自のフレージングをもっているため、同時に弾くとギクシャクしてしまうのです。

キノパパは、フレーズというよりも 小節線で機械的に縦の線を合わせようとしていたので、その辺に無理が出ていました。
ピアノでも、ダンスでも、なんでもそうですが、力を入れるのではなく、逆に力を抜くことがコツです。
力がスッと抜けていれば、次の音へ ごく自然にその力を乗せることができるのです。
テニスとか、ゴルフとか、野球とか、なんでもみんなそうでしょう。
「力を抜いて!」と言われても どうしたらいいのかわからず、どうしても力がはいってしまう・・・
そんな経験がある人もたくさんいると思います。
練習をするうち、しらずしらずのうちに余分な力が抜けていき、いつの間にか楽にプレイできるようになって、気がついたら あれほど苦労した「力を抜くこと」が 自然にできていた・・・
ピアノもおんなじです。

力をいれて押すばっかりじゃダメなの。

押してもダメなら引いてみな。

コレなんですよ~
この言葉は、ピアノに限らず 人生すべて楽しく乗り切っていくことができるおまじないなので、覚えておきましょう。
「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」と同じくらい効き目があります!
(意味わからない人は、映画「メリーポピンズ」を見ること。)

卒業式の準備

2011年03月05日 | レッスン日記(小中高生)
S子ちゃん(小6):
先週、学校で 6年生を送る「お別れ会」がありました。
在校生たちが歌や合奏などを演奏してくれるのですが、送られる6年生も お返しに演奏をするのだそうです。
今年、S子ちゃんたち6年生の演奏曲は、ハリー・ポッターから「ヘドウィグのテーマ」でした。
ピアノ伴奏係になっていたS子ちゃんは、すごく読みにくく弾きにくい伴奏譜を、がんばって練習してきたのです。
その本番が 先週終わってるはず・・・ うまくいったのかな。

今日、レッスンに来たS子ちゃんに
「ハリーはどうだった?」と聞くと
「大成功でした!」とのこと。
よかったよかった。

で、またすぐに、今度は本番の卒業式での演奏「With You Smile」にとりかからなきゃいけないのです
(倖田 來未の「With Your Smile」とは別もんで、学校で卒業時によく歌われているようです。)
この曲は、S子ちゃんはシンセサイザー担当なので、バッキングのみ弾けばいいそうです。
ピアノ伴奏よりは楽そうだ。
ただ、伴奏が終始 分散和音なので、指使いをどうするかがよくわからない、とのことなので、今日はひとつひとつ、指番号を決めていきました。
曲の前半まで 指決めの作業が終わり、来週また続きを決めよう、ということにしました。
なんとか 卒業式までには間に合うでしょう。

大人の教本 快調にとばしてます

2011年03月01日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小3):
「大人のためのピアノ教本2」に入って、最初の曲「ジャンバラヤ」が あっさり上手に弾けるようになりました。
「ジャンバラヤ」はアウフタクト(弱起)の曲なので、リズムが調子に乗っているときはいいのですが 途中で止まったりするとなかなかうまく戻れなくなりがちです。
しかしTちゃんは、さすがにきちんと弾いていくことができました。
すぐに次のページへ進めてみると、
「ここまでは練習してみた」という感心な姿勢で 「指のクロッシング」とその応用曲「マイボニー」がたちまち合格しました。
「すごいね!もうできちゃったよ」と大絶賛してみると、Tちゃんは思わぬ大躍進にニコニコしました。
この勢いで自信つけて、どんどん躍進してもらいたいもんです。
次のページは ハ長調の音階です。
「バーナムとか『はじめてのおつかい』で練習してるんだもん、簡単だよね?」と誘い、すぐに合格させることができました。
次の曲は「天国と地獄」です。
「こんな曲だよ」と弾いてあげると、
「あっ、運動会とかでやってる曲?!」
Tちゃんは目を輝かせました。
「弾けるかもしれない・・・」
コードネームを見ながら、左手の伴奏形も読みとり、そして右手のメロディーと指番号を見て、Tちゃんは慎重に弾き始めました。
ゆっくりゆっくり、ちゃんと最後まで、両手で弾くことができました。
「うわあ、弾けた!・・・でも、ゆっくりだと違う曲みたいに聞こえちゃう・・・」
弾き終わってホッと息をついたTちゃんは言いました。
「そうだねえ。もう弾けたんだから、来週まで、速く弾けるように練習してきてよ」
「どれくらいの速さで?」
「そうねえ。このくらいかな」
先生は、ちょっと軽快に弾いてみせました。
「うわあ、速い!」
さっき自分が弾いた速さを思い出して、Tちゃんは目を丸くしました。
「そうかな。もっと速くたっていいんだよ。運動会だもん」
先生は、もっと速く弾きました。
「うわあ~」
「もーっと速く、こんなんだっていいよ!」
先生は猛スピードで弾きました。目にもとまらぬ早業で!
「うわあ~~~\(@O@)/\(@O@)/\(@O@)/」
「こ、ここまで速く弾かなくたっていいよ・・・ でも、できるだけ速く弾けるように、毎日練習してみてね」
「はあい」
さあ、Tちゃん どれくらい速く弾けるようになるか、楽しみだな

軽音むきTくん

2011年03月01日 | レッスン日記(小中高生)
Tくん(小5):
「大人のためのピアノ教本2」に戻り、今日はちょっと前に弾いた「雪のおどり」を、もう一度弾いてみました。
先生との連弾なのですが、テンポが速くて、指使いをちょくちょく変えなければいけないので けっこう緊張を要する曲です。
1度弾いて曲を思い出し、2回目に弾いたとき、Tくんが楽譜を見たのは 最後の音が出るのと同時に一度だけでした。
すぐに曲を覚えたということになります。
「雪のおどり」が弾けたので、テキストを進め「黒い瞳」に入ることにしました。
「黒い瞳」はニ短調、Dマイナーの曲です。
曲の譜面の上に、この曲で使うコードが一覧にしてあります。
理論派のTくんには理解できると思うので、大人と全く同じ言葉使いで、全てのコードを確認させました。
「まずDmは 基本形だから簡単だね。次にAとA7の第2転回形。どういう配置になる? それからGmの第1転回形」
全部のコードを、正しい形で確認させたあと「難しい?」ときいてみたら、Tくんは
「全然。」と軽く答えてくれました。よしっ
それから、先生の弾くメロディーに合わせ、実際にTくんに伴奏を弾いてもらいました。
的確にコードを弾いていくことができます。
最後に、Tくんにメロディーを弾いてみてもらいました。
普通、新しい曲をやるときはメロディーから練習することが多いと思いますが、Tくんの場合は 逆の方が合っていると思います。
メロディーを何度か続けて弾いてみると、Tくんは2回目ぐらいでほぼパターンをつかみ、3回目には暗譜していました。
こんな能力がある、おもしろいTくんなので、軽音とかやっていくにはもってこいなのです。
早くもうちょっと成長して、セッションとかやってくれないかなあ。


こんなに快調なTくんなので、さぞかし上手なレパートリーがどんどん増えていくかと思うかもしれませんが、世の中そうそううまくはいきません。
Tくんの場合、この先の
「じゃ、よく練習して仕上げておいてね」という部分の能力が手薄なため、やっぱりレパートリーは増えていかないのでした・・・