1曲ずつに全部タイトルがついて、親しみやすい「ブルクミュラー25練習曲」ですが、そのタイトルも よく見れば「バラード」とか「アラベスク」とか、何だかあいまいで 結局よくわからない、みたいな感じもします。
今、6年生のS子ちゃんとMちゃんが「ブルクミュラー」を学習中ですが、その際に彼女たちのイメージを膨らませるための 先生のリードは、必ずしも同じにはなりません。
弾く人によって、またその年齢や感じ方によって、曲のイメージや表現もフレキシブルに変化します。
たとえば「さようなら」という曲。
以前にS子ちゃんがこの曲を学習した時には、「ドラマや映画のような」イメージを高めながら弾きました。
大切な人との切ない別れ。
目の前の現実と、楽しかった回想、そしてまた現実に戻り、たがいに手を振り合いながら汽車はだんだん離れていって・・・FIN。みたいな。
今回、Mちゃんが 同じ「お別れ」に取り組みました。
最初、タイトルから彼女は「卒業式みたいな感じかな」と言っていたのですが、弾いているうちに「なんか、もっと悲しいお別れだね」と言うようになりました。
卒業なら、その時は悲しくても また友だちと一緒に中学へ入学する楽しみがあるけど、この曲はそうはいかないみたい・・・
そうね、先生もそう思うよ。
もっと悲しくて もっとドラマチックな運命。
「ほら、『白鳥の湖』に似てるよね」
そう言って、先生は弾いてみました。
「最初のところは、森で白鳥の群が飛んでいるのを見る王子ジークフリート。」
「お別れ」を弾きながら、「白鳥の湖」の「情景」へとつなげて演奏します。ちゃ~、ららららら~
「まん中のところは、夜の間だけ美しい王女の姿にもどったオデットと王子のパ・ド・トゥ・・・愛のデュエットよ。ところがだんだん夜が明けてきた。『もう時間です。白鳥に戻らなければなりません』! ドラド、レミレ、ドレド、シドレ、ちゃ~、らららららら~」
そして最後は、オデットと王子が互いに名を呼び合いながら遠く離れていきます。
「オデット!」「王子さま!」「オデット!」「王子さま!」
そして響き渡る、悪魔ロットバルトの笑い声・・・幕。
どうです?そんな感じがしてきませんか。
また、「バラード」というドラマチックな曲、今回S子ちゃんが練習するにあたって、彼女から引き出したイメージは
「目に見えない凄みとか恐怖」みたいなものでした。
イントロの右手が、ヒタヒタと背後から迫ってくる戦慄のような。
時折パッと目の前を横切るフクロウ、そして前半の最後でついに姿を現す悪の帝王、ヴォルデモート!
以前 ほかの人が弾いたときには、絶壁の岩山を塔に向かって、暗闇の嵐をついてひた走る馬に乗った騎士、とイメージしたこともありました。
こうして、いろんな風にイメージしたり表現したりできるのは、音楽にそれだけのエッセンスがあるから。
これぞ演奏の醍醐味といえるのではないでしょうか。
今、6年生のS子ちゃんとMちゃんが「ブルクミュラー」を学習中ですが、その際に彼女たちのイメージを膨らませるための 先生のリードは、必ずしも同じにはなりません。
弾く人によって、またその年齢や感じ方によって、曲のイメージや表現もフレキシブルに変化します。
たとえば「さようなら」という曲。
以前にS子ちゃんがこの曲を学習した時には、「ドラマや映画のような」イメージを高めながら弾きました。
大切な人との切ない別れ。
目の前の現実と、楽しかった回想、そしてまた現実に戻り、たがいに手を振り合いながら汽車はだんだん離れていって・・・FIN。みたいな。
今回、Mちゃんが 同じ「お別れ」に取り組みました。
最初、タイトルから彼女は「卒業式みたいな感じかな」と言っていたのですが、弾いているうちに「なんか、もっと悲しいお別れだね」と言うようになりました。
卒業なら、その時は悲しくても また友だちと一緒に中学へ入学する楽しみがあるけど、この曲はそうはいかないみたい・・・
そうね、先生もそう思うよ。
もっと悲しくて もっとドラマチックな運命。
「ほら、『白鳥の湖』に似てるよね」
そう言って、先生は弾いてみました。
「最初のところは、森で白鳥の群が飛んでいるのを見る王子ジークフリート。」
「お別れ」を弾きながら、「白鳥の湖」の「情景」へとつなげて演奏します。ちゃ~、ららららら~
「まん中のところは、夜の間だけ美しい王女の姿にもどったオデットと王子のパ・ド・トゥ・・・愛のデュエットよ。ところがだんだん夜が明けてきた。『もう時間です。白鳥に戻らなければなりません』! ドラド、レミレ、ドレド、シドレ、ちゃ~、らららららら~」
そして最後は、オデットと王子が互いに名を呼び合いながら遠く離れていきます。
「オデット!」「王子さま!」「オデット!」「王子さま!」
そして響き渡る、悪魔ロットバルトの笑い声・・・幕。
どうです?そんな感じがしてきませんか。
また、「バラード」というドラマチックな曲、今回S子ちゃんが練習するにあたって、彼女から引き出したイメージは
「目に見えない凄みとか恐怖」みたいなものでした。
イントロの右手が、ヒタヒタと背後から迫ってくる戦慄のような。
時折パッと目の前を横切るフクロウ、そして前半の最後でついに姿を現す悪の帝王、ヴォルデモート!
以前 ほかの人が弾いたときには、絶壁の岩山を塔に向かって、暗闇の嵐をついてひた走る馬に乗った騎士、とイメージしたこともありました。
こうして、いろんな風にイメージしたり表現したりできるのは、音楽にそれだけのエッセンスがあるから。
これぞ演奏の醍醐味といえるのではないでしょうか。