S子ちゃん(小5):
このところ 少し練習不足が続いていて、先週 そのことを先生から指摘されました。
別に叱ったわけではないですが、今現在の演奏がダメであること、そして練習の姿勢もダメであること、どちらもはっきりと指摘しました。
優等生の彼女には、かなりショックであったことでしょう。
今日は見違えるようによく練習して、バーナムも見事なテクニックとスピードで出来、ぐずぐずしていたブルクミュラーの「やさしい花」も、前半まできちんとやってきました。
たまには喝を入れるのもいいもんだ。
「やさしい花」・・・S子ちゃんによると「これ、『やさしい花』じゃないです。『きびしい花』です」ということですが、確かにちょっと弾きにくい曲です。
左手が、「アラベスク」や「狩」などのように 和音でジャン!ジャン!と伴奏するタイプではなく、左手独自の旋律をもって流れているのです。
右手・左手 それぞれの旋律をよく練習する必要があり、なおかつ両手で弾いたときには、それぞれの旋律がきちんと独立して歌われなければなりません。
こういう曲に慣れていないと、とてもわかりにくく難しいと思います。
でも、今日のS子ちゃんは、がんばって音の流れをクリアしてきています。
あとはイメージの力で、曲に魅力を感じ 表現したいという気持ちを持てば、難しい曲も弾くことができるのです。
「最初の部分・・・右手で二つずつの音がタラッ、タラッ、タラッ、タラッ、と下からのぼって行って、次に左手の和音がふわっと加わる。なんだか、バラのつぼみがだんだん開いていって、ふわっと開花するような感じがしない?」
「ああ! ほんとに」
「するとまた、もっと高い音で、同じような音が広がる。バラの生け垣の、さっきは目の前でつぼみが開いたけど、今度はもっと右の、高いところにあるつぼみが開いた」
「ああー、ほんとにそんな風に聞こえる」
「さあ、次には右手も左手も、次々にタラララ、タラララ、タラララ、と音列が入り乱れてくる。あっちでもこっちでも、どんどんつぼみが開き始めた」
「はい!」
「じゃ、弾いてみて」
そうして弾いたS子ちゃんの表情は、やわらかく夢見るよう。体は大きく揺れて、バラの花が開くさまを心に描いているのがわかります。
ピアノの音色は さっきとガラリと変わって、うっとりするような美しい音になりました。
イメージの力は、曲を弾くための魔法の粉かもね
このところ 少し練習不足が続いていて、先週 そのことを先生から指摘されました。
別に叱ったわけではないですが、今現在の演奏がダメであること、そして練習の姿勢もダメであること、どちらもはっきりと指摘しました。
優等生の彼女には、かなりショックであったことでしょう。
今日は見違えるようによく練習して、バーナムも見事なテクニックとスピードで出来、ぐずぐずしていたブルクミュラーの「やさしい花」も、前半まできちんとやってきました。
たまには喝を入れるのもいいもんだ。
「やさしい花」・・・S子ちゃんによると「これ、『やさしい花』じゃないです。『きびしい花』です」ということですが、確かにちょっと弾きにくい曲です。
左手が、「アラベスク」や「狩」などのように 和音でジャン!ジャン!と伴奏するタイプではなく、左手独自の旋律をもって流れているのです。
右手・左手 それぞれの旋律をよく練習する必要があり、なおかつ両手で弾いたときには、それぞれの旋律がきちんと独立して歌われなければなりません。
こういう曲に慣れていないと、とてもわかりにくく難しいと思います。
でも、今日のS子ちゃんは、がんばって音の流れをクリアしてきています。
あとはイメージの力で、曲に魅力を感じ 表現したいという気持ちを持てば、難しい曲も弾くことができるのです。
「最初の部分・・・右手で二つずつの音がタラッ、タラッ、タラッ、タラッ、と下からのぼって行って、次に左手の和音がふわっと加わる。なんだか、バラのつぼみがだんだん開いていって、ふわっと開花するような感じがしない?」
「ああ! ほんとに」
「するとまた、もっと高い音で、同じような音が広がる。バラの生け垣の、さっきは目の前でつぼみが開いたけど、今度はもっと右の、高いところにあるつぼみが開いた」
「ああー、ほんとにそんな風に聞こえる」
「さあ、次には右手も左手も、次々にタラララ、タラララ、タラララ、と音列が入り乱れてくる。あっちでもこっちでも、どんどんつぼみが開き始めた」
「はい!」
「じゃ、弾いてみて」
そうして弾いたS子ちゃんの表情は、やわらかく夢見るよう。体は大きく揺れて、バラの花が開くさまを心に描いているのがわかります。
ピアノの音色は さっきとガラリと変わって、うっとりするような美しい音になりました。
イメージの力は、曲を弾くための魔法の粉かもね