Sちゃん(高2):
この数回レッスンしている「You' ve Got A Friend In Me(君は友だち)」。
耳コピ 〜 ピアノアレンジ 〜 演奏 という流れで、今日は完成形を聴かせてもらう、という予定です。
「さあ、どうかな?!」
「はい」とピアノの前に座ったSちゃん。
「弾けるかな…ドキドキしてきた…」
「いいからサッサと弾いてごらんよ」
実はSちゃん、いつもは大口開けて笑うような太っ腹キャラなんですが、いざ弾くという時になると おじけづいてなかなか弾き始められないという、弱気キャラなところがあって困ったもんです。
「間違えたっていいんだから弾いてごらん、発表会じゃないんだから。ほら、ここで練習しないで」
音が出ないように鍵盤の上で指の動きをやってみてる(笑)
「あのー、またイントロのところを、ちょっとアレンジ変えたので…」
「はいはい、わかったから弾いて」
やっとSちゃんが弾き始めました。
ホホゥ、イントロのベースラインが、オリジナルの通りメロデックな「ウォーキングベース」になってるんだ。アレンジ変えた、ってココのことだったんだね。
よく聴き取れて、そして再現できたね。
上出来上出来。
曲全体も、ブロックコードやリズムブレイクを効果的に使い、迫力のあるかっこいいサウンドに仕上がっています。
あんなに怯えてグズグズするけど、実は上出来なのです。
せっかくここまでできたので、もう一つ注文を出しました。
「あのね、左手、ベースの音は今のポジションでいいから、ブン・チャッ のチャッの方だけ、1オクターブ上げられる?けっこう難しくなっちゃうかもなんだけど…こうすると、もっとずーっとかっこよくなるんだ」
先生がお手本を弾いてみました。左手が、3オクターブ近い幅で行ったり来たりするので、ジャンプの難しさが倍増します。
「どう?イヤ?」
「あ、やります。確かにこの方がいいし」
さすがSちゃん、太っ腹。それに彼女の実力なら、そして彼女の長い指なら、この伴奏で大丈夫。がんばって弾きこなしてくれ。
大きくジャンプを繰り返すこの伴奏形、ジャズピアノ用語では「ストライド奏法」と言って、1900年代初頭ぐらいのラグタイム音楽とかが進化していったものです。
古いカントリー調の「You' ve Got A Friend In Me(君は友だち)」にはピッタリかと。
興味のある人は「ストライド奏法」「ストライドピアノ」でYouTubeなど検索してみてね。
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