HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

演奏は 楽譜を置かずに♪

2009年09月30日 | 音楽のツボ
Nさん(大人):
十月末の発表会で弾く、ショパンの「ワルツホ短調」が、いよいよ大詰めの総仕上げにかかってきました。

もう、楽譜は全然見ずに弾けているんですが、譜面台に やっぱり楽譜は立てておきたい・・・というNさんです。
「見ないんですけど、ここにあると安心するんです。時々、危ないところはパッと見たり」
わかりますよー。 みなさんそうですからね。
でも、試しに・・・楽譜を置かないで弾いてみましょう。

目の前に楽譜があると、どうしてもピアノの音が「楽譜を読んでる音」になってしまうのは、本当に不思議です。

みなさんは、学芸会で、劇に出たことがありますか?
劇の練習のことを 思い出してみてください。
まだセリフが完全に覚えられていなくて、台本を見ながらやると、その声は「朗読声」になってしまいますよね。
また、読まなくても 台本を手に持って演じると、「台本に媚びている声」になってしまっています。ほんとだよ。
ところが、台本を持たずに演じると、セリフが、あたかも自分の心から本当に発せられたかのような自然な声になって出てきます。ねっ、そうじゃありませんか?

ピアノも同じ。
楽譜があると、どうしても「間違えないように!」と、楽譜様の顔色をうかがいながら弾いている、卑屈(ひくつ)な自分になってしまう。
いさぎよく、楽譜を置かずに弾くと、そのとたん 音に翼が生えたかのように伸び伸びとした音色に変わる。
それに、楽譜なしの方が、不思議に自分の耳に音もよく聞こえてくるし、指などに注意を払うこともできるし、ずっと弾きやすい。
うそだと思ったら、みんなもやってみてごらんなさい。

発表会などのとき、先生が「なるべく楽譜置かないで弾きましょう」というのは、そのためです。
なにも、かっこつけて「暗譜で弾きましょう」というわけじゃないのです。
楽譜なしの方が、ずーっと楽で、すてきに弾けるからなんですよ。

みんなも うそかほんとか、ぜひ ためしてみてね。

家路 ~ひとりで合唱?!~

2009年09月30日 | レッスン日記(小中高生)
Y子ちゃん(小4):
連休前に「トルコ行進曲(ベートーヴェン)」が ほとんど仕上がりになっていたので、
「これを完成させて、それから、お休みの間余裕があるだろうから、なにか簡単で短い曲・・・そうだ、『家路(ドヴォルザーク)』をやってきてごらん」というのが宿題でした。

リズミカルな「トルコ行進曲」は すぐに合格となり、さて、「家路」です。
「右手はやってみたけど・・・」
と言うY子ちゃんなのですが、簡単と思って宿題にした「家路」、思ったより弾きにくく、難しい宿題であったことがわかりました。

理由は、今までの曲は、たとえテンポが速くても、音符が細かくても、和音が複雑でも、とにかく右手は右手、旋律はひとつだけだったのに対し、この「家路」は、ごくシンプルなメロディーがゆるやかに流れるだけなのにもかかわらず、「二声部」でできているため どこがどうつながるのか、読み取りにくかったようなのです。
つまりは、右手だけでソプラノとアルトの 二つの声部を弾く、ということなのでした。
そこで、先生は、どのパートがどうつながっていくか、ということがよくわかるように 色鉛筆でルートをずっとつなぎました。
「ね? これがソプラノ。そしてこれがアルト。左右の手でひとつずつパートを弾けばわかりやすいけど、この曲は、右手だけで二つのパートを両方、ひかなきゃいけないんだよ」
「うぇ~(@o@)」Y子ちゃんはビックリしています。
「実をいうと、この右手で弾くのは、女の人の声の役わり。左手は、男の人の二つのパート・・・・テノールとバスを弾かなきゃいけないんだよ。」
「へぇ~」
「これは、昔の教会の音楽のスタイルなのよね。女の人が2パート、男の人が2パート、合計4パート。だから最低でも、4人の人が同時に歌うわけだね。ってことは、Y子ちゃん一人で、4人分の役をやるわけよ」
「\(@o@)/うわ~」
Y子ちゃん、たまげたかな (^_^;
でも、こうやって ごく簡単な曲から多声部の曲を体験していって・・・
いずれは、音楽の父バッハなど、クラシック音楽の大御所の「多声部・ポリフォニー音楽」などを弾くようになっていくんだよ・・・

白鳥の湖・完成近し

2009年09月30日 | レッスン日記(小中高生)
Hさん(大人):
先月から「白鳥の湖・情景」をレッスンしています。
泣く子も黙る 恐ろしい「二拍三連」を、いとも易々と弾きこなしてしまった「二拍三連名人」のHさん。
連休明けの今日、この オーケストラを元にした"濃い"曲を、なんと最後まで予習してありました。
左手は広い範囲のアルペジオ、右手はほとんど 最初から最後まで、オクターブか、もしくはそれにハーモニーの音を加えた 厚い和音の連続です。

「一箇所、どうしても右手のオクターブ和音が弾けないところがあります」とのこと。さもありなん。
これだけ厚い音なんですから、弾ききれない部分もきっとあったことでしょう。
「弾けないところは、音を減らすとか違う音に変えるとか、なにか手段を考えましょう」と言って、できないという部分を弾いてもらったら。
なんとその和音は、Hさんが、まん中の構成音をひとつ、間違えて弾いていたのでした。
正しい音に直したら、
「これだったら弾けます!弾けます!」とのことで、無事 全曲、楽譜通りに弾けることが判明したのでした。\(^O^)/

ピアノを始めたころは 指がまだ開かなくて、シンプルなオクターブでさえも届かなかったのに、今では こんな入り組んだ和音入りのオクターブも、しっかりつかむことができるようになったなんて。
Hさん、本当に手や指が柔軟になりましたね!

「白鳥の湖」、早くも完成にむかっています。

「おぼえているかな」

2009年09月29日 | レッスン日記(小中高生)
Mちゃん(小5):
連休前に宿題になっていた、「クラリネットをこわしちゃった」。左手2ビートの伴奏をつけ、暗譜するまで練習してありました。
いつもながら、本当に感心な小学生です。
つぎは「四季」より「秋」が課題です。同じ「四季」の中の「春」は有名で、子どもたちでも知っていますが、「秋」はそれほどなじみがなく、取っつきにくいかな、と思い、ざっと一緒にレッスンしてみました。
Mちゃんは最後まで両手で弾くことができ、曲もわかったようなので、「それじゃ来週、仕上げてきてね」ということになりました。

M3ちゃん(小5):
最近めきめきと 本来持っている良さを発揮できるようになってきたM3ちゃん。
テキストも残りわずかです。
「ドレミの歌」後半の、臨時記号がどんどん出てきて次々に転調していくところは、ややこしいですが、去年の発表会のときにみんなで練習した「ドーレミファソラシドー」の音階の指使いを思い出しながら、がんばって練習しました。
また、1ページずつで完結している小さな練習曲は、次々と初見でマルになっていきました。

レッスンが一通り終わったとき、Mちゃんが言いました。
「M3、『おぼえているかな』やってごらんよ」
それを聞いてM3ちゃんは、夏に発表会で弾いた「エリーゼのために」を、すらすらと弾き始めました。
なめらかなアルペジオはたおやかで、和音はしっかりと響き・・・
なんと発表会から2ヶ月たっているのに、発表会の日の演奏よりも ずーっと美しくすてきな「エリーゼ」になってる!
弾き終わったM3ちゃんの表情も、ほんもののピアニストみたいににっこり微笑んで すてきです

「あたしも、『おぼえているかな』やろうっと」
今度はMちゃんが自分でピアノの前に座り、発表会で弾いた「ソナチネニ長調」を弾きました。
なんとなんと、こちらもすばらしい演奏です。

分厚い重厚な和音には迷いもためらいもなく、両手を精いっぱい拡げて力強く弾ききったMちゃんの演奏は、堂々と鳴り響きました。

\(@o@)/すごい! 二人とも素晴らしい名演奏だ。ブラボー!
二人とも、ほんとに嬉しそうに笑っています。
こうやって、本番が終わってからも、いつまでも温習(おんしゅう・教わったことを、繰り返し復習すること)して弾き込んでいくのは、いちばんすばらしいことです。
みんなが、自分のレパートリーを大事にして弾けば弾くほど、曲はすてきになるし、音楽が本当にわかってくるのです。


親分の(?)Mちゃんが説明しました。
「あのね、もし『何かピアノ弾いて』って言われたときに、なんか1曲、サッと弾ける曲があったらいいでしょ。だから、いつも弾けるようにしておくんだ。去年の『渚のアデリーヌ』も、その前の『エリーゼ』も、まあまあ弾けるよ」

なるほど。 すばらしい考え方だ。
しかし、「言うは易(やす)く行うは難(かた)し」。 
みんなそうは思っていても、なかなか実行まではできない、っていうのが普通だと思うよ。
それを、ちゃんと実行しているとは。(@o@)(@o@)(@o@)
アンタたちほんとに、小学生?

10才までのチャレンジ

2009年09月29日 | レッスン日記(小中高生)
T君(小4):
先週の金曜日、9月25日が10才のお誕生日でした。
ちょうど あと数曲で「バーナム1」と「大人のためのピアノ教本1」が終わりそうになっていたので、このチャンスを利用してみようともくろんだ先生が、
「10才になる前に、この本おわらせようよ」と持ちかけたのは 9月の半ば・・・シルバーウィークに入る1週前のレッスンのときのことでした。
その後、レッスンがないのに一人で全曲をしあげてくるのは 成功して喜ぶより 失敗に終わって挫折感が残る可能性のほうが高いかも、という 先生の図星な予測により 目標は緩和され、期日が「9月いっぱい」に延期されたのでした。

今日が その約束の「9月最後のレッスン日」です。
T君、クリア成るか?!

まず「大人のための教本1」の方ですが、こちらはクリア成りませんでした。
Gのキーによる「ユーアーマイサンシャイン」、Fキーのコード練習、そしてFキーによる「かわいいあの子」が残りの曲でしたが、そこそこ練習のあとは見えるも、詰めがあまいです。
ミス多発、修得不足ありあり。
合格への唯一の道は、必ず弾ける、という状態になるまで100回でも練習すること。練習あるのみなのです。逆に、練習してマスターさえしておけば、絶対合格できるのです。
T君の場合は、そこそこやってみた段階で「いちかばちか、チャレンジしてみよう」というスタンスでしたので、ここは無情に「不合格」を宣言しました。
博打(ばくち)で成功は得られません。とくに男の子は、山師(やまし)であることが非常に多いので、お若いうちから「博打で世間は渡れない」ということを学んでもらわなければいけません。

そして「バーナム1」。みんなの通称「ピンクのバーナム」です。
これも、連休前にチャレンジしたとき「熟達より運」に多くを頼っていたT君だったので、先生は涙をのんで「不合格」にしたのでした。
こういったチャレンジは、どんなにかわいそうでも、おまけで合格にしてあげるわけにはいきません。
おまけしてあげれば、子どもは「これでもいいんだ」と思うでしょうし、「運がよけりゃミスなく弾けるかも」とか、何より「新しい本に進むこと」を自分の目標、と思い違いをしてしまうでしょう。ほんとは「本が進まなくても、完成度を高める方が大事」なのに。
合格させるためには、子ども本人にもはっきり「できた」と確信させる「形」が必要です。
そこで先生は、ただひとつ不合格で残っていた、最後のスケール練習曲を、「25秒以内で弾けたら合格」と、具体的な合格ラインを提示しておいたのです。
25秒以内で弾き終わるためには、まずミスタッチしていたらそこで時間を食います。
また、指を間違えたり音を探したり、リズムを外したりしても25秒以内には弾ききれません。
この曲も、最初はわりと山師的な取り組み方だったT君ですが、「本番前の予備練習」段階で 地道に弾くことのみが合格への道、ということを思い知らされ、先生の「指を立てて!」「番号を正しく!」「折り返しで間があかないように!」などのポイントレッスンをアタマと指にたたきこみ、繰り返し練習して(この場で数分ですが) 何度か時間オーバーしたあと、ついに21秒台で弾くことに成功しました。
\(^O^)/「やったー」飛び上がって喜ぶT君。
結局は、先生も手伝っての最後のすべり込み地道レッスンが 成功へのカギとなったんだけどね。ま、短い時間でも、集中してがんばったんだから良しとしよう。
新しい「バーナム2」は 緑の表紙。そしてこれからは、ピンクのバーナムを「ルーレット・アトランダム練習」に使うことになります。
「おおっ、そういうことか~」T君ますますご満悦。
ずっと前から、いつあげられるかと思って用意しておいた「緑のバーナム」なんだからね。
「大人のためのピアノ教本2」も、とっくに用意してあるんだから。
来週、こっちの本も合格してよね。
「は~い (^O^)/ 」と帰ってったT君・・・ ほんとに大丈夫だろうね・・・?

コードをならったよ

2009年09月29日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小2):
「あのね、こないだのおにいちゃんのお誕生日の日、『ハッピーバースデー』ひいてあげたよ!」と言うTちゃん。
そうそう、先週の金曜日(25日)は、お兄ちゃんT君の、10才のお誕生日だったんだよね。
T&Tきょうだいん家は、家族のお誕生日には「ハッピーバースデー・トゥー・ユー」を家族みんなで歌ってお祝いするようで、とてもすてきですね。
以前はその際の伴奏ピアニストはお母さんだったのですが、このごろはTちゃんがその役をやってる?!
ますますすてきな、T&T家のバースデーパーティーです\(^O^)/

さて、Tちゃん、バーナムが簡単な和音のところだったので、ちょっとコードの説明をしました。
「音に、ひとつひとつ、英語の読み方がついてるの。ラの音がA。だからA、B、ときて、ドは『C』っていう名前なの。Cの音を一番下にして、1個おきに3つ音を重ねた、『ドミソ』。これは『Cのコード』っていう名前なの」
先生は、Tちゃんの楽譜の「ドミソ」の上に、C、と書きました。
一見複雑そうなコードの説明も、子どもたちはみな すんなり「わかった」と受け入れてくれるものです。
なので、どの子もふとした折りをみて『コード理論』を教わることになります。
Tちゃんも、今日 コードの説明をきいて「へぇ~、英語なんだ!」と目を丸くして、けれど「かっこいいな~」というように、嬉しそうにうなずきます。
「ここにもう一つ、シレファソ、っていう和音があるでしょ。これは、こういうコードなんだけど」
先生は、G、と書きました。「『ジー』だよ。だけど、それだけじゃないんだ。これがつくの。読める?」
先生がGの横に添えたのは、7 という数字です。
「なな?」「英語で言える?」
「えーと・・・ワン、ツー、スリー。フォー、ファイブ、シックス・・・セブン!」
「G7、とつなげて!」「ジーセブン!」
このやりとりは、これまでも何人もの子どもとやってきた流れですが、コードの入門時の、最高に盛り上がる瞬間です。
何回やっても、生徒も先生も「やったー\(^O^)/」という喜びで爆発!
子どもは「英語で習うんだー英語で答えられたー大人みたい!」とだし、それを見ている先生も 子どもの気持ちが手に取るようにわかって、いっしょにうれしい!
これからは、普段のレッスンでも ふつうにCとかGとかセブンとか、英語の専門用語が飛び交うレッスンに、Tちゃんも進んでいくことになるのです。
大人だね~\(^O^)/\(^O^)/

駒場アンサンブル・オーケストラ

2009年09月27日 | クラシック曲
都立駒場高校に「駒場フィルハーモニー部」通称「駒フィル」という部活があります。
今日は、その「駒フィル」のOBたちをメンバーに、大学生が中心となって立ち上げた「駒場アンサンブル・オーケストラ」という 初の演奏会を聴きにいってきました。

※ 上の写真は、演奏に使用したピアノが待機しているところ。



開演前のステージのようす。

場所は八王子市の、南大沢文化会館です。
都心から出かけたヒバリにとって、初めての南大沢はとても広々とした気持ちのいい街でした。
駅前広場や噴水のある公園を抜けてすぐに、文化センターはあります。

さて、プログラムは 前半 小編成のアンサンブル演奏、そして後半はピアノとオーケストラによるシンフォニック・ジャズ「ラプソディー・イン・ブルー」の堂々たる演奏でした。
アンサンブルは、初めに金管楽器によるファンファーレとカンツォーナ・クヮルタ、弦楽アンサンブルによる「ハウルの動く城」「星に願いを」、オーボエと弦楽によるモーツァルトのカルテット、そしてオーボエ・ギター・カホーン・弦バスという異色の組み合わせによる「リベルタンゴ」「ブラジル」が演奏されました。

いろんな時代、いろんなスタイルの曲が並び、どのアンサンブルも美しいハーモニーでとてもきれいでした。
「リベルタンゴ」と「ブラジル」というラテン音楽2曲の間に挿入された「赤とんぼ」が、斬新なコード使いで とても美しかったです。

さて、後半は 本日一番の大曲「ラプソディ・イン・ブルー」です。
アメリカのジョージ・ガーシュインが1924年に作曲した、クラシックとジャズが融合したような リズムとハーモニーにあふれる迫力満点の曲。
一人のピアニストが オーケストラ全員を向こうに回し、20分以上独演する、「ピアノコンチェルト」といってもいい作品です。
本日は わがヒバリ教室のOBでもあるJUNPEIさんがピアノソリストをつとめ、オーケストラをバックに堂々たる演奏を披露してくれました。
「ラプソディー」の写真は、後ほどUPします♪

ブルクミュラー「狩り」

2009年09月26日 | ブルクミュラー
S子ちゃん(小5):
先週は、前日に帰ってきた修学旅行の疲れが出たようで・・・とのことでお休みでした。
「久しぶりだね!先週はお休みだったもんね。だけど、ほかの曜日のみんなも、ほら、『シルバーウィーク』で ずーっとピアノはお休みになってたんだよ。だから結局、みーんな久しぶり!」
「あっ、なーんだ」S子ちゃんは笑いました。

久しぶりの今日は、ブルクミュラーの「狩り」をやってきてね、という宿題が出ていたんですが。
「これ、宿題になったときに、先生に弾いてもらいませんでした」だから弾けませんでした、みたいなニュアンスのS子ちゃんです。
あっ、そう? 確かずっと前に、弾いてあげたことあったよね?
一人でも音をとって、弾けるはずなんだけど、この曲から初めての見開き2ページ、8分の6拍子、と揃った新曲、「難しそう!」と引いてしまったのでしょうか。

先生は一通り、弾いてあげました。こんな曲だよ。思い出した?
それから、少しずつ 一緒にやってみました。
「最初の『タタン!タタン!』という部分、これはどんな場面だろうね?」
「馬・・・?」
「そうだね、狩りをする人たちが馬に乗って、パカッ、パカッ、て森の中を走っていく。それから、次のところ・・・左手の重音のフレーズは、角笛だよ。カスピアン王子の角笛みたいな。『獲物がいたぞ~』ってね」
「ああ~、わかります」
こうして、部分ごとに少しずつ読み取っていくと、その都度S子ちゃんは、難なく新しいフレーズを弾くことができました。
難しそう、とおびえないで、ゆっくり少しずつやってみれば、意外に簡単なのです。
「そうして、また角笛だ。『しとめたぞ~』『そっちはどうだ~』とかね。そうして次の場面へ・・・そのあとはまた、ほら、角笛だ」
「ああ、何回も出てくる。」
「前にあったね?こういうふうに、同じメロディーが交互に何度も出てくる・・」
「トルコ行進曲とか?」
「そうそう。『エリーゼ』もそうだったでしょ? こういうのは、なんという形式だったでしょう?」
残念・・・答えられませんでした (*_*)
ロンド形式ですよ。覚えておいてね。
「ああ、そうだった!A-B-A-C-A・・・って続く・・・」
「そうそう。パッと見てロンド形式だったら、曲の半分くらいはAなわけだから、一気に半分ぐらいはクリアできちゃうお得な形式」
「うんうん」
「だってさ、ほら、1ページ目にはA-B-Aまで出てるじゃない? AとBだけ練習したら、次のレッスンで先生に『1ページ目の最後までやってきました』って言えるじゃない」
「あははー♪」
こうして、S子ちゃんは一気に、全曲弾くことができました。
あとは来週まで、スラスラ弾けるように練習してきましょう (^_^)b

また1年間がんばったよ♪

2009年09月25日 | レッスン日記(小中高生)
大型連休「シルバーウィーク」が終わって、最初のレッスンはM2ちゃん(小4)でした。
いつもと全く変わらず、元気に「M2でーす♪」とやって来ました。

こうやって、長い休日があったりした後、大人だったら
「いや~、出かけて疲れました」とか
「なんか休みボケしちゃって」とか
「練習がすっかりお留守になって・・・」とか言ったりするもんですが、子どもにはそんなことが一切ないのがさわやかで、気に入っています。

お休みが続こうがどこかへ出かけようが、子どもたちは皆、ピアノはピアノの時間、と いつも変わらない生き生きした様子でやって来ます。
その元気な笑顔は とてもすてきだと思うし、
「ああ、子どもは常に『今を生きて』いるんだなあ」と実感します。

さて、M2ちゃんはテキスト「ピアノで歌を3」の後半を、快調に消化していっています。
今日は宿題だった「たきび」を 思わず拍手したくなるほどしっかりと練習してきたのをはじめに、次々と4曲の課題に○をもらいました。
しかもみな、初見です。ずいぶんしっかりしたと思います。考えてみれば、もう4年生も、9月で半分終わるわけですからね。しっかりもするんでしょう。

「M2ちゃん、出席カードにシール貼った?」
「あっ、もってくるの忘れた」
「なーんだ~。今日、最後のシールが貼れる日だったのに。9月の、最後の日なんだよ? ほらっ、これあげるね」
先生がM2ちゃんにあげたのは、消しゴム。
音符やト音記号の絵がついていて、大事に使うと夢が叶う「おまじない消しゴム」なのです。
「わぁ~、すごい♪ いいの?」M2ちゃんは大喜び。
「だって、前にM2ちゃんが提案したじゃない。『1年間、ピアノにちゃんと来て出席シールがいっぱいになった人には、景品あげれば?』って。M2ちゃんは10月からピアノに来てるんだから、また1年たって、景品をもらう人になったわけよ」
「あっ、そうか!」
「せっかくシールが満杯になるんだったのに、残念! 来週もってきてね。あと、お月謝袋も新しいのをあげなきゃ。どれがいい?」
ヒバリ教室には、いろんな色、いろんな絵のついた 何種類もの月謝袋があります。みんな、1年がすぎるごとに、自分の好きな袋を選びます。
ピンクのやブルーのや、可愛い猫の絵がついたのや・・・といろいろあるなかで、M2ちゃんが「これにする!」と選んだのは、なんと一番クールな、黒いピアノ鍵盤に黒いト音記号が描かれているもの。
意外に、この月謝袋が、子どもたちに人気で、おもしろいな~と思います。
「じゃ、来週はこれに名前書いて、お月謝もってきてね。」
「はーい♪」
ピアノ始めて、丸2年たったM2ちゃん。
大人っぽく黒い月謝袋を使って、これからますます成長していくことでしょう。

ハモプリ9月の練習

2009年09月19日 | レッスン日記(小中高生)
月1回の コーラス「ハモプリ」の練習日。
例年なら、夏休み気分も抜けず まだまだ調子を取り戻してない、という時期ですが、今年はハモプリ唯一の発表の場「チャティーコンサート」が クリスマスからハロウィーンに繰り上がったため、夏休み明けながら本番1ヶ月前、という切迫した時期となっています。

いつもハモプリの練習の時は、2台の譜面台を出して組み立て、準備をしておくのですが、今日はあえて 譜面台を用意しませんでした。
もう、楽譜も歌詞も、全部覚えてるよね、みんな?!

今年は'70年代 ABBAのヒット曲で、「ダンシング・クィーン」と「マイラブ・マイライフ」の2曲を歌います。
一通り歌ってから 録音してみました。
ヒバリは「音楽シーンもキレイに録音できる」というSONYのボイス・レコーダーで。その他のメンバーも、それぞれの携帯の録音ボタンを一斉に押して、さあ、歌うよ!

歌いながら「うわ~、ヘタだ~」と思ってしまうぐらいボロボロ・・・
歌詞は忘れる、出はハズす、声はしょぼい・・・
歌い終わって「終了」ボタンを押したとたん、一斉に
「緊張しちゃった~」と 歌声より数段大きな声が・・・

ともかくも 今録音したのを聴いてみようではないか。
ふ~ん、思ったよりヘタじゃなかったかも。
意外ときれいにハモれてるじゃないか?
声もけっこう出てる。っていうか、かわいい♪
「ダンシング・クィーン」にはピッタリの、元気いっぱいでかわいいコーラス♪
歌詞の通り「セブンティーン」のぴちぴちギャルズが歌ってるみたいです。(ビデオじゃないんで、画像は入ってないからね)
とーっても、平均年齢○○歳とは信じられないコーラスです。

ところが、このカワイさが、次の「マイラブ・マイライフ」では仇(あだ)となるのです。
思い切りはじけて歌えばよかった「ダンシング・クィーン」と違って、「マイラブ・マイライフ」は別れを歌ったバラードです。
恋人の心が もはや自分から離れてしまったことに気づき、悲しみや辛さをこらえて 自分の方から「もう別れましょう」と静かに別れを歌い上げる、大人の女性の歌。

これを歌ってるハモプリの声も、元気溌剌(はつらつ)と可愛らしく、とても平均年齢○○歳とは思えない・・・(-_-;)
一応、自分たちとしては「ダンシング・クィーン」はあくまでも前座、メインは「マイラブ・マイライフ」というつもりなので、なんとか大人っぽく、かっこよく歌いたいと思ってるのですが、どうもなかなかうまくいかないようだ・・・

練習が終わって 我らは下北沢の街に繰り出し、駅前の「クレアーズ」でお揃いのハロウィーン衣装を買いました。
オレンジと紫の、思いっきりキャピキャピの衣装です(^◇^)

これじゃ「大人っぽくかっこよく」は 到底無理な目標かも(*_*)

ソナチネは アルト・ハイデルベルク

2009年09月19日 | クラシック曲
キノパパ(大人):
ハロウィーンコンサートで弾く「ソナチネヘ長調」を、一生懸命練習しています。
「今週は、いろいろ忙しくてあまり練習できませんでした」と恐縮していますが、日頃 本当に地道に 少しずつ練習しているんだなあ、ということが感じられる演奏です。
キノパパは真面目なので、弾いていてつっかえたり音が転んだりすると、懸命にやり直して ちゃんと弾かなきゃ、とがんばってくれます。
きっと「レッスンなんだから、ちゃんと弾かなきゃ申し訳ない!」と思ってくれてるのかも。

キノパパが弾き終わって、私は思わず聞きました。
「弾いてるときは、どんなことを考えて弾いてるんでしょう?曲の流れや音の変化など、楽しみながら弾いてるんでしょうか。それとも『間違えないように』と思うだけでいっぱいいっぱいなんでしょうか?」
それというのも、今弾いてくれたキノパパの演奏の中に、チラッと「あ、楽しいな♪」と思わせる一瞬があったからです。
キノパパ自身は、それを意識してたでしょうか。もしも、そんな一瞬に気づかず、「間違えないように!」という努力に終始してたんだったとしたら、とてももったいないと思ったのです。
キノパパは答えました。
「自分だけで練習してるときには、確かに 楽しいな、とか きれいだな、と思ったりしますよ。だけど、やっぱりレッスンの時は、まちがえないように、と思うだけで精いっぱいかもしれません」

そりゃそうですね。
レッスンの時に「間違えないように!」と思うのは当然だと思いますが、ただ、いつもそればかりでは、せっかくのソナチネがもったいない。
ソナチネやソナタは、歌曲などに比べて 音域も広く曲調も自由に拡がり、山あり谷あり、転調もたくさんあり、ものすごく奥深い美しさやドラマを感じさせるものなんですよね。
間違いを恐れず、曲の展開を楽しんで弾きましょう♪

このソナチネヘ長調から、私がイメージしたものは こうです。
時は19世紀ごろ、とあるヨーロッパの街・・・まあ、ウィーンとかハイデルベルクとかね。
一人の若者が この街の大学へ入学して勉強することになり、希望に燃えてやってきたところです。

力強いバスの響き、輝かしい主題のメロディー、途中のキラキラした高音などは、若々しい力や、晴れた空や、小鳥のさえずりなどを思わせます。
意気揚々と 新しい街へやってきた若者にとっては 何もかも珍しく美しく、抑えきれない喜びがわき上がってきます・・・

これは、今日突然、キノパパの弾くのを見ながら 心に浮かんだイメージです。
ということは、キノパパの演奏に、そんなものを思わせるところがあったということでしょうね。
音楽は「正確に弾く」ために存在するものじゃなく、それによってしみじみ人生に感動し、その喜びを弾き手・聴き手ともにシェアするもの\(^O^)/
みんなも「間違えたら先生に怒られる」などと思わず、自由にのびのびと、音楽を楽しんでひきましょうね~

ねこふんじゃった・ピアノ遊び

2009年09月17日 | レッスン日記(小中高生)
M2ちゃん(小4):
以前に比べて、指がしっかりしてきたなあ、と思います。
リズムもよく理解して、正確に弾けるようになってきました。

今日は、テキストとテキストの合間に ふとM2ちゃんが弾いた「ねこふんじゃった」のメロディーを捉えて、一緒に遊んでみました。
「『ねこふんじゃった』って、輪唱になるんだよ」と先生。
「輪唱って?」とM2ちゃん。
「輪唱って、『♪かえるのうたが~、かえるのうたが~、』とか、後から追っかけて歌っていく歌だよ」
「ああ~、わかった。」
M2ちゃんは、輪唱の意味がわかったようです。
「じゃ、M2が先に弾くから、先生、あとから弾いて!」
「いいよ♪」

♪ねこふんじゃった、ねこふんじゃった、ねこふんじゃ、ふんじゃ、ふんじゃった

までMちゃんが弾いたら、先生が♪ねこふんじゃった、ねこふんじゃった、と弾き始めます。
二人は、ピッタリ8小節ずれたメロディーを、一緒に並行して進めていきます。
これはかなりの大合奏になりますよ。みなさんもやってみてごらんなさい。

「ね?おもしろいでしょ。二人だけじゃなくて、もっと大勢でも、順々にずらして、一緒に輪唱できるんだよ」
「へえー、すごいね。えーと・・・」
M2ちゃんは ピアノの上の 黒鍵が二つずつ並んでるところ・・・「ねこふんじゃった」の「ねこ」と弾く鍵盤が、何箇所あるか 端からジャン!ジャン!とさわって数えていきました。そして
「四人は一緒に弾けるな!」と結論を出しました。
「じゃ、今度お友だちとやってみてごらん」
「うん」

実際には、手をクロスさせたり、広い音域を使ったりするため 1台のピアノで四人が同時に弾くのはちょっと無理だと思います。
しかし、今そんなことをM2ちゃんに言ってあげるのは、余計なお節介というもの。
まずやってみて、そして「四人じゃ無理だ」と気づいたらいいのです。
そのとき、子どもたちは柔軟な頭で、ダメだった原因を考えたり、次なる手段を編み出したりして、遊びを発展させていくでしょう。
交代に弾く、という工夫をするかもしれないし、片手ずつ分担すれば 大勢で弾けるよ、などとなるかもしれない。
または音楽室なら、何台も楽器をつかって弾くかもしれない。

遊びの原点は"試行錯誤"!\(^O^)/
小さいみんな、たくさん「アレ?ヘンだな」という経験をして、たくさん工夫をして、たくさんワクワクしてね。
遊び心は すごい高度な脳の活動なんだから

ショパン・ワルツホ短調

2009年09月16日 | クラシック曲
Nさん(大人):
ショパンのワルツ・遺作ホ短調が、大分出来上がってきました。
指の細かい動きなどはきれいに揃い、テンポも上がり、暗譜もできました。
あとは、譜面には書かれていない微妙なニュアンスをつけていくこと・・・ 
口では説明しにくいのですが、「タメ」とか「ゆらぎ」とかいう言葉が近いかもしれません。

本で言えば「行間を読む」といったような、この表現や解釈こそ、演奏で最も大事な部分になってきます。
すてきな「大人の演奏」が仕上がるように、演奏を磨いていきましょう♪

トルコ行進曲

2009年09月16日 | クラシック曲
Y子ちゃん(小4):
先週からトルコ行進曲(ベートーヴェンの方です)を練習して、2週目の今日は、もうほとんど完成となりました。

「トルコ」という国は 当時のヨーロッパの人々にとって、見知らぬ遠い東洋の国。そのトルコへのあこがれと想像を込めて、ベートーヴェンの他にも「トルコマーチ」とか「トルコ風の」などとタイトルについた曲がいくつも作られています。
みなさんも、モーツァルトのトルコ行進曲などは知っているでしょう。

トルコマーチは、左手の「ブンチャッチャッチャッ、ブンチャッチャッチャッ、ブンチャ、ブンチャ、ブンチャッチャッチャッ、」というリズムが特徴です。
これが、当時の「トルコ風」のイメージだったのです。
「へぇ~、そうなんだ」とY子ちゃん。
「そう。大きな太鼓を持って、ブンチャ、ブンチャ、ブンチャッチャッチャッ、って行進するイメージよ」
Y子ちゃんは「わかった」とニコニコしてうなずきました。
トルコ行進曲は、もうすぐにも仕上がりそうです。
来週のお休み中には、一人で仕上げられる曲、ということで 短い「家路」も練習しておいで、ということにしました。
「トルコ行進曲」と2曲、休み明けに聞かせてもらうことに。
どんな仕上がりになるか、楽しみです。

マントを脱いで

2009年09月15日 | その他日記
M3ちゃん(小5):
夏に発表会を終わってからこっち、M3ちゃんの真価が徐々に発揮されてきていると ヒバリ先生は見抜いています。

初めてヒバリ教室に来た当時は「音符読めない」「練習きらい」「難しいのできない」と三拍子そろっていたM3ちゃんですが、発表会で「エリーゼのために」に挑戦して以来、見違えるように前向きになってきました。

というより、本当はもともと、美しいものが好きで音楽もピアノも好きなM3ちゃんなのです。
「音符よめない」「練習やりたくない」などと言っていたのは、たとえて言えば 「防寒マント」であったのではないかと 私は思っています。
それを着ていれば、寒さも風当たりも防ぐことができ、ぬくぬくしていられる 分厚いマント・・・
以前にピアノを習っていたけれど、練習がきらいで苦労したというM3ちゃん。
その頃に、だんだんと分厚いマントを重ね着していったのでしょうか・・・

ヒバリ教室に来てからの1年ちょっとで、M3ちゃんのマントは、少しずつ少しずつ 薄くなっていくのが感じられていました。
羽毛のたっぷり詰まったダウンコートから 薄いキルティングマントへ、そして一重のマントも だんだん薄い素材へ、そして透けるようなものへと変わり・・・
最近では、たくさん着ぶくれていたマントがなくなり スリムな(でもないか)M3ちゃん自身が ちゃんと自分の力で風を受け止められるようになってきたと感じるようになりました。

今日も、「ピアノで歌を・3」の楽譜を、先生の「次も弾いてごらん。できるから」という言葉に引っぱられ、次々と何曲も初見で合格していきました。
ほらね! できるんだよ、M3ちゃん。
ほんとは、こんなに力があるんだよ。
来週はピアノお休み。その間に、一人で弾くようにと出された宿題、がんばって弾いてきてね