HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

イエロー・サブマリンとソナチネ

2009年03月31日 | クラシック曲
Mちゃん(小4):
「こんちは~! あれっ、みんなは?シーンとしてる」
「Tちゃんだけ来て、もう帰ったよ。Tくんは・・・なんでお休みだったか!」
「う~ん・・・ おたふく?!」
「あたりー」
「だーっ、おたふくかあ・・・M3は?」
「先週、『おばあちゃんちに行くからお休みする』って言ってたじゃない?」
「そっかー」
春休みだし、おたふくの欠席者はいるしで、今日はTちゃんのあと Mちゃんだけです。
いつになくゆったりした Mちゃんだけの時間ができたので、パソコンを開き、夏休みのコンサートにみんなで演奏しようと思っている「イエロー・サブマリン」の動画を見せてあげることにしました。
「へー、『イエロー・サブマリン』ってアニメなんだ」
「そうだよ。これがビートルズ。♪ウィー・オール・リブ・イン・ナ・イエロー・サブマリン~♪」
「♪イエロー・サブマリン、イエロー・サブマリン♪」
Mちゃんも、すぐに歌を覚えて、一緒に声を合わせ、二人で画面のビートルズに合わせて歌いました。
「弾いてごらん」というと、すぐピアノで再現できて、そのあとも繰り返し繰り返し弾いているMちゃんです。
「ね、この歌、止まらなくなるでしょ」
「うん、そうだねえ~」

次は ソロ曲の「ソナチネ二長調」です。
最初の1段目を右手・左手別々から合わせ、そしてペダルをつけて弾くところまでいくと、堂々とした威厳のある行進曲のファンファーレみたいになりました。
「おお~、すごい音になった!ね、お城の王様たちが登場する、ファンファーレになったよね」
「うんうん!オーロラ姫のお祝いのところだね。そして次で、魔女が登場するんだよね。『よくも招待してくれなかったな~』」
「そう。それがこの辺りだね」と、先生が弾いてみます。
「そして、この辺で(と 1ページ目の終わり頃で)王子が登場。そして(次のページにかかって)戦いとかあって、やっつける」
「なんか展開早いね?」
「だって全2ページで解決しなきゃいけないんだもんね。ほら、もう解決だ。めでたしめでたし」
「確かに!おお~、めでたし~(パチパチパチ)」と、小規模ながらも、ひととおりハラハラする、ドラマチックな騎士物語の旅をしたMちゃんと先生でした。

Mちゃんの弾くソナチネ・・・ ほんとにドラマチックな曲です。
彼女が、イメージをいっぱい心に描きながら、素敵な物語を紡いでくれるのを楽しみに・・・

のりのりTちゃん

2009年03月31日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小1):
今日も、「こんにちは~ 暑い!はしってきた」と、真っ赤な顔をしてやってきました。
「おにいちゃん、おたふく風邪でお休みだよ。だから、おにいちゃんの携帯借りてきた。それから、はい、これ。お月謝」
あらあら、Tくん、かわいそうに。
先週がんばってたから、今週期待してたのにな・・・

それにしてもTちゃんは、先週からずっと引き続き、超ハイテンションをキープしているようです。
一人で来たし、携帯も持ってるし、お月謝も二人分、代表者として持ってきたし、自信にあふれた『自立した女』です!!

「補助譜面台、つけた方がいい?もう大きくなってきたから、なくても大丈夫かな?」
と聞くと、
「いらない!だって楽譜見ないもん」
と、先週はじめて宿題になった「おへそ」を 完璧な暗譜で、しかもバリバリ力強いタッチ、軽快なテンポ、なめらかな指使いで弾きました。
「うわあ~、すごいね!新しい曲なのに!」
「もうね、40回以上弾いた!」
「え~っ、40回以上!どうりですごいと思った。じゃシール貼ってあげなきゃね」
先生は、ごほうびに、とっておきのかわいいシールを貼ってあげました。
「この大きいシール、Tちゃんがいちばんたくさんもらってるよ。いちばん上手に弾けた曲が多いからだよ」
「あっ、そうかー」
Tちゃんは顔じゅう笑顔です。
「つぎは何かなあ・・・あっ、『ハッッピー・バースデー』だ」
「弾いてごらん。できそうだよ」
♭がひとつついた、ヘ長調の「ハッピーバースデー」。
♭も、指使いも、ヘ音記号の音も、全部ミスなく、きっちりと初見で弾けたTちゃん。ほんとに実力つきました。
「あっ、おとうさんのお誕生日、4月9日だから、ちょうどいい」
「じゃ弾いてあげれば?『ハッピーバースデー』」
「いつも、おかあさんが『ハッピーバースデー』弾いてるよ」
「おかあさん、家族のお誕生日の『ハッピーバースデー』係なんだね!じゃ、これからはTちゃんが、その係になれば?」
「ふふふ・・・それもいいねえ!」

そのあとも、Tちゃんはテキストの最後の方の曲を初見で弾いてみたり、バーナムをいっぺんに3曲も制覇したりして、目を見張るような活躍をしました。
今日で3月は終わり、4月からは新2年生です。
もう 押しも押されもしない、立派なリトルピアニストだ!

「おかあさんに携帯かけよう」と、おにいちゃんから借りてきた携帯でお母さんにかけたTちゃん。
「おかあさん?おむかえにきて。一人だとこわいから来て」と、ちょっと甘えたおねだりをしています。
ひょっとしたら、早くおかあさんに会って、今日こんなにピアノでがんばったことを話しながら一緒に帰りたいのかな、などと思いました。

病気のTくん、かわいそうだけど、ちょっとの間、今日の花形Tちゃんにおかあさん譲ってあげてね。

カフェ・アンサンブルみんなの音楽会

2009年03月29日 | いろんな楽器
今日は、駒場のカフェ・アンサンブルさん「みんなの音楽会」当日です。
(※3/22の日記参照)

13時の開演に先立ち、11時から 会場でリハができるということで、相方のCHIHIROさんと二人で行ってみましたが、もうすでに 早くから来ていらした何組かの出演者の方がリハを始めていました。
「11時から10分間ぐらいリハやったら、駅の反対側にある「駒場公園(旧前田侯爵の邸宅跡)へ遊びに行こうね」という計画だった私たちの考えは甘かったのでした。
しかし、カフェと同じマンション内にある音楽教室が控え室になっていて、そこにもピアノがあるので、私たちはささっと簡単にうち合わせをして、
「もう練習これでいいや」と、スタコラ駒場公園へと出かけてしまいました。
(駒場公園の内容については、別館「ガーデン日記」を見てくださいね。
さて、いよいよ開演。
今回のプログラムは、とても変化に富んで 声楽のソロや二重唱、ギターや古楽器リュートなどの弦楽器、ピアノ、オーボエデュエットなど、さまざまな編成やアレンジの曲が満載で、とても楽しめました。

いつもすてきな、主催者のアンママさんは、「フィガロの結婚」から「手紙の歌」、伯爵夫人のパートを スザンヌ役のお友だちと二重唱され、とてもかわいくてすてきでした。

今回は、20代の若者たちが ギター演奏やオーボエユニット、声楽&伴奏ユニットなどで参加していて、とても瑞々しく、意欲にあふれた音楽作りをしているのが伝わってきて、本当に嬉しく、楽しいひとときでした。

え? 私たち二人の「カルメン」は?って?
へへへ、正統派クラシック中心のアンサンブル音楽会の中では ひときわ異彩を放ち、大好評を博しましたよ~♪ (ほんとだよ)
予想通り、CHIHIROさんは派手に踊っちゃうしさ。(^○^)

「カルメン」だから、ということで二人とも「黒+赤」でカラーを揃えた衣装も大好評でした。 (ほんとだってば~)

おばちゃんソナタ

2009年03月28日 | 音符・楽譜・テクニック
S子ちゃん(小4):
モーツァルトのソナタK545の前半(展開部の前まで)が大体できてきました。

まず、1回目は 家で練習してきたものを一通り弾いてもらいます。
ふんふん、なるほどね。じゃ、もう一度最初から弾いてもらいましょう。今度はダメ出しがあるぞ。

S子ちゃんが2度めに弾き始めて、5小節め~6小節めあたりに来たときです。
「ちょーっと待った!」
先生の声が飛びました。
「左手!1拍めのあとに、トン、トン、って休符があるはずなのに、だーっと延びちゃってるよ。ほら、ここから4小節。」
(楽譜がある人は見てみてください)
「ここは軽やかにタッ、タッ、と左手入れなきゃいけないのに、はじめだけ軽くて、後はだーっと重いよ。こんなふうになってる」
と、先生はS子ちゃんの弾き方を真似して弾いてみせます。
「タッ、だ~。 タッ、だ~。ねっ、お休みの間、ずっと延びちゃってるでしょ。これって、おばちゃんが『どっこいしょ~、あーあ』って歩いてるみたいで 重いよ!」
「うわあ、ほんとだ」
「ほら、遠足とかで見かけない? どっかの名所の高ーい石段をさ、タッ、タッ、タッ、タッ、って軽やかに登れば若々しいけど、おばちゃんたちのバスツァーとかが来てさ、その石段を『どっこいしょ~、よっこらしょ~』って登ってる」
「あー。わかる・・・」
「ね、さっきみたいに弾いたらおばちゃんくさいよ。タッタッと若々しく弾いてよね」
「はーい」
S子ちゃんは、クックッと笑いながら弾きました。左手、軽やかにタッ、タッ、と弾いて、順調に9小節目に差し掛かったとき・・・
「それで今度は何でいないーっ?」
「えっ?」
「さっきは左手長すぎたのに、今度は短すぎ!1小節伸ばしてるはずなのに、途中でいなくなってるじゃん!」
「あーっ」
「またまたおばちゃんだよ!石段ではよっこらよっこら、グズグズしてみんなを待たせたのに、上についたら ガイドさんの『みなさん、こちらがかの有名な・・・』って説明してるのも聞かず『トイレ~』って行っちゃって、いなくなってる」
「アハハ、アハハ」
「もぉ~、おばちゃんは身勝手なんだから。ちゃんとみんなと一緒に集まってお話きかなきゃ!」
「はーい」
左手かろやかに、伸ばす音はきちんと伸ばし、次のコーナーへ差し掛かる。
13小節目で左手の細やかなトリルを1小節待った後、右手の美しい第2主題が登場。
なんだけど、S子ちゃん、右手はのんびり膝の上にいたので、出番が来てあわてて飛び込んだ。なんとかセーフだけど。
「来て待ってなさいよ、ここへ!1小節も時間あるんだから!」
「あっ、はい・・・」
「ま~たおばちゃんだ。集合時間になってもいない!『みなさん、集まりましたか?』って行ってるのに、おばちゃんだけは勝手に『おみやげー』って買いにいってる。ちゃんと前もって、集合場所で待ってなきゃ、でしょ?」
S子ちゃんはもう大うけです。大笑いしながら、でもちゃんと気をつけて弾いています。
「はいっ、じゃここまでね。おばちゃんにならないように気をつけて練習してきてね」
「はーい」

と、今日は「アタック(打鍵)」と「リリース(離鍵)」のタイミングが悪いと、どんなにダサい演奏になるか、というお話でした。
みんなもわかったかな?


ホール・ニュー・ワールド

2009年03月27日 | レッスン日記(小中高生)
Kちゃん(小6):
きのう、めでたく小学校の卒業式を終えたKちゃん。
おめでとう!

今年になったくらいから、急に身長が伸び、ほっそりと大人っぽくなって、まぶしいようです。

中学生になると授業も部活もいっぱいになるし、塾にも行き始めることになり、レッスンが今までのようにできなくなる・・・と言っていたけど、なんとか月1とか月2で続ける、というKちゃんです。
夏の発表会は大丈夫かなあ、と 一緒にあれこれ考えた結果、ソロやたくさんの曲を練習して弾くのは無理だけど、お母さんとのデュエットくらいならやれるんじゃない?という結論に達しました。

今練習している、ディズニーの「アラジン」の中の有名な曲「ホール・ニュー・ワールド」を、ピアノとエレクトーンのアンサンブルにしたら素敵だよ、ということで、これをやることにしました。

先週ぐらいまでは、いつものように 右手のメロディーもつっかえつっかえ、それに左手のコードもやっとこさっとこ、足はナシ、と チンタラやっていたKちゃんなんですが。
「塾に入ったら、いきなり春期講習が始まったの。生まれて初めて勉強した」
と言いながらやってきた今日は、なんだかバカに冴えてる。

コードもずいぶん覚えて、パッと押さえられるようになってるし、今日初めて「ルート音じゃないベースが指定されてるコード」をひとつ教えたら、それ以降出るコード出るコード、100パーセント正確なベースを弾いたのには驚きでした。
「今日すごいじゃん! 初めて勉強してアタマ使ったから、アタマが動き出したんじゃない?」
「ふふ、そう。生まれて初めてアタマ使った」
「やっと使うようになったか。眠ってたアタマがやっと起きたね」

な、なんちゅう毒舌な先生だ。せっかく、生徒ががんばってるのに。

でも、この毒舌賞賛も、Kちゃんだからこそ言えるもの。
実は彼女は、とても頭がよく察しもよく、ピアノやエレクトーンもうまいし、先生のブラックジョークも 笑って受け止めてくれる器の持ち主なのです。
ただ、これまでは 努力しないでもなんとかやってこれたから、それに甘んじてグウタラしていた感があり、「もっとがんばればすごくできるのになー」と思ったこといくたびか。
それが進学に伴い、ちょっとピシッとした途端、本来の能力が発揮された、ような感じがします。

4才で出会ってまもなく9年。
ながらく待ちましたが、ついに、ついに花開く時が来たか、Kちゃん?!

いつも何度でも

2009年03月26日 | レッスン日記(小中高生)
M2ちゃん(小3):
「発表会に『いつも何度でも』を弾きたい」と言って、練習を始めています。
先週は、前奏のリズムバンプ~最初のリピートまでの部分を、ゆっくりやり始めましたが、ちょっとしたリズムの切れ目や 小節間のつながりなど「えっ?」と思うようなところでつまずいてしまい、何度やってもうまくできなくて、正直「うへー、どうしよう?実はこんなの弾ける力なかったのか?」と、一瞬 ひそかに思ったりしたのでした。
が、当のM2ちゃんは つっかえても平気!落ち込んだりしません。
ヘンな音になっっちゃったり、ヘンなリズムになっちゃったりするたびに ケラケラ笑って、何回でも挑戦します。
そのたびに またヘンな音が出て大笑い・・・
なあんだ、ヘンな音も楽しんじゃってるんだ。そりゃできないさ、初めて弾いた楽譜で、なんでヘンになるのか考えたり工夫したりせずに やたらと何回も弾いてるんだもん、直るわけないよね。

けっきょく、先週は へんちょこな音のままレッスン終了。
そして今週です。

今日は、先週の不調はどこへやら、滑り出しから ピタリピタリとリズムが決まっていきます。
音が変化したり、ジャンプしたりする所は、よーく楽譜を見て、右手と左手がずれないよう、ていねいに合わせています。
まるで先週とは別人のように 真剣な目つきのM2ちゃんがいます。

こうやって、神経を集中しながら一生懸命にがんばるのもピアノの喜びだし、時には 自分の出した音がヘンだといって笑いこけちゃうようなゆとりも、また楽しさのような気がします。

昔の『ピアノレッスン』と言ったら、いつもいつも真面目じゃなくちゃダメで、ちょっとでも間違った音を出そうものなら、ピシーン!と手を叩いたり 鍵盤から払いのけたり、という先生が いっぱいいました。
生徒はものすごく緊張して、ビクビクしながら おこられないように弾いていたのです。
真面目な学習態度は感心だと思うけど、それが子どもの本心から出ているものではなく 先生の目を気にしながらの真面目だったら、それは「虚飾」であり、卑屈な演技でしょう。

昔の先生とはほど遠いヒバリ先生だけど、私はやっぱり、子どもたちに 自分の気持ちに正直でいてほしいと思います。
時には宿題やってこなかったり、体調が悪くてぐずぐずしたり、ということもあるかわり、ちゃんと真剣に集中してやる時はやるんですから。
長い目で、大きいスパンで見ていけば、必ず子どもは よい子で生きているものです。
彼らを信じていて大丈夫。笑いながら、フザけながら、その中にちゃんと、真面目で真摯な本当の姿を守っているものなのです。

・・・というか、先生が 子どもより先に笑っちゃうから、しょうがないよね・・・

いい音つづく

2009年03月25日 | レッスン日記(小中高生)
Rくん(小1):
先週、バーナムをすばらしくいい音で弾いて感心させてくれたRくんでしたが、さて、1週間たった今日はどうか?

今回のバーナムの課題は、「おかをのぼろう」という表現を使って ハ長調・ニ長調・ホ長調・ヘ長調・ト長調それぞれの主和音C・D・E・F・Gを順に弾いていくというものです。
当然♯や♭がたくさん出てきて、この課題にさしかかった子どもは少なからずビックリする、という箇所なのですが。

Rくんは ふだん通りの何気ない顔で淡々と弾いてしまいました。
「すごいね!練習してきたんだ?!」
「うん」
ほめられても、何気の顔は変わらないのがRくんらしい。
でも今日は、ちゃんと練習してきてて、いつもみたいに「むずかしい~」「こんど~」などというセリフは聞かれませんでした。
「次もできそうだよ!やってみよう」「じゃ次は?」
などという先生の誘導に引っぱられて、コード連続技のバリエーションを次々4曲、そして「先週のがすごく上手だったから、もう一度聞かせて♪」という先生のリクエストに応えての1曲も加え 合計5曲の課題を弾いたのでした。

今日は、先週時間切れでできなかった「ポケモンの主題歌」も最後まで先生の伴奏と一緒に弾き、充実したレッスン時間を過ごすことができました。

指が長く力もあり、スポーツも得意らしくかけっこはクラスで1番だというRくん、そのカラダをピアノに生かしてくれたら、どんなにかかっこいいだろうと思うんですが、いかんせんめちゃめちゃ甘えんぼ・・・

カレが「かっこいい男になりたい」「かっこいいピアノが弾きたい」と目覚めてくれるのを、気長に待つわたくしです。

スポ鑑ギャル (^O^)/

2009年03月25日 | レッスン日記(小中高生)
Hさん(大人):
バリバリのキャリアウーマン時代を経て、リタイア後にピアノを楽しんで続けている女性です。
言葉の端々に教養がにじみ出て、今のギャル語などとは違う美しい日本語を話される すてきな大和撫子です。
いつも忙しい中、わずかな時間を見つけてはピアノを練習しているのですが。

「今週は全然練習できてません~」
と言いながらピアノの譜面台に楽譜を広げたHさんです。
「だってWBCでずっと大変だったんですもの!」
とは意外なお言葉 (@o@)
「あ~、すごかったですよね~。野球ファンなんですか?!」
「そうですよ~、六大学野球からですの!叔父が慶応だったので見始めて。わたくしは藤田が好きだったので、慶応の後は社会人野球、その後プロ野球でしょ。ずーっと見てましたよ」
「見にいってたんですか?!」
「もちろん!全部行ってましたよ、いっつも一番前で!新聞に写真が出たこともあったんですから。『声援を送る女性ファン』って」

うっひゃ~(@o@) Hさんにそんな趣味があったとは・・・お見それしました。

野球ばかりじゃなく、ラグビーも行ってたそうですが(@o@)
「でもラグビーはそれほどね。やっぱり野球のほうが」
「なるほど」
「それで、ほら、今週はずっとテレビにくぎ付けで」
「ピアノどころじゃなかった」
「そうなんですそうなんです」

実は何をかくそうわたくしヒバリは、以前アルバイトで 神宮球場のプロ野球BGMのオルガンを弾いていた時期があったので、その時のこととか野球バナシで、すっかりHさんと二人、盛り上がってしまいました。
さんざん盛り上がったあと、ふとヒバリは心配になって聞いてみました。

「あのぉ・・・お相撲はどうですか? 今、始まってますけど・・・」
「そうなんですよ~、今度はお相撲!」
「またしてもテレビが忙しくなって・・・」
「はいはい!」

そうなのでした。楚々とした大和撫子Hさんは、元祖スポ鑑(スポーツ鑑賞)追っかけギャルだったのでした!
人は見かけによらないもんだ!


デュエット

2009年03月24日 | レッスン日記(小中高生)
先週「おたふく風邪」で休んでいたM3ちゃん(小4)も、今日は元気に復活しました。
Mちゃん(小4)、M3ちゃんの二人でやる「拝啓・十五の君へ」も、今日はまた一緒に練習できます。
前半の弾き歌いの部分、事実上このユニットのリーダーであるMちゃんは、心からこの歌が好きなようで、ピアノも、コードも、そして二番までの歌詞も、一生懸命に覚えて練習しています。

前半部分は、Mちゃんの活躍により 大体形になってきたので、今日は、その続き・・・途中転調して、「人生は~♪」という歌詞で始まる中間部の練習に入ることにしました。

この部分では、歌を中心に きれいにハモッてもらいたいと考えています。
曲調も変わり、手拍子なども入ってきます。
なので、ここから以降は 先生がピアノ伴奏を引き継いで、二人には歌に専念してもらいたいと、デュエットの楽譜を作って渡しておきました。
「さあ、ここからハモリだよ」
「あたしソプラノ~♪」とM3ちゃん。
「あたしアルト~♪」とMちゃん。
「はいはい、じゃこんな風に・・・」と、先生は全体の音をピアノで弾いて聞かせました。それを聞いたMちゃんは、驚いたように言いました。
「ねえ、これってさ、ソプラノじゃなくてアルトがメロディー歌うんだね?!」
そうなんだよ。よく気がついたね、Mちゃん。
「そう。普通 合唱っていうと、たいていの場合はソプラノがメロディー歌って、アルトがハーモニーつけるよね。だけどこれは、アルトがメロディー。Mちゃん、メロディーだからね」
「うん、わかった!」
「そしてM3ちゃんはソプラノで、メロディーの3度上を歌う。」
M3ちゃんは「わかった。えーと、なんとかって言うんだよね、こういうの・・・」
「オブリガート」
「オブリガート!そうだそうだ!」M3ちゃん、Mちゃん、二人ともその言葉を思い出してうなずきました。
二人は合唱団に入ってるので、こうした知識もあるのです。

歌ってみると、3度のインターバルでのコーラスは、たちまちピタッと決まり、新しい部分の編曲はなんなくクリアできました。
よしっ、来週は最初からここまで、通してやってみようっと。

こうして、順調に駒を進めていくM&M3コンビです。

星のカービィ・グルメレース

2009年03月24日 | レッスン日記(小中高生)
Tくん(小3):
妹のTちゃんのレッスンが終わるのを待ちかねるように、Tくんがピアノの前に立って「ミッキーマウスマーチ」のメロディーを弾き始めたので、先生も一緒に伴奏を合わせました。

 ♪ ミッキーマウス(ジャンジャジャン!) ミッキーマウス(ジャンジャジャン!)
   さ、歌おう元気よく(ヘイ! ヘイ! ヘイ!)
   みんなで楽しいジャンボリー 
   ミッキーマウス ミッキーマウス ミッキー ミッキーマウス!

「すごいすごい!できたね~♪ Tくんも、楽譜買ってもらったの?」
「ううん、二人で1冊だよ。この曲も出てたんだよ」
へー、いろんな曲が出てるんだ。よかったねえ。

・・・このノリだと、今日はTくん、がんばってきたな? という期待を裏切ることなく、Tくんはバーナムの 転回した和音のアルペジオで練習の跡を見せてくれ、続けてあと2曲も課題をクリアしました。
先週、宿題ができていなかったために ☆マークをもうひとつ書き加えられていたテキストの方も、☆☆となっていた課題に大きくマルをつけてもらって、Tくんは
「やっと終わった~」と 大きく息をつきました。
「今日はがんばったね!ほうら、これが実力なんだよ。前回は実力出さないで☆☆になっちゃって、ムダしたね?」
「うん」
「ちゃんと実力出せば、どんどん進むよ。この調子でね。そうそう、『カービィ』弾いてみた?」
「右手ならね。ここが♭なんだよね?」
Tくんが出した楽譜は、先週、ゲーム音楽の「カービィのグルメレース」を弾きたい、と言っていたTくんのために書いてあげたものです。
原曲通りハ短調なので、なんと♭が3つもついているのです。テンポも速いし、なかなか難しいのですが、子どもたちは「好き」と思えば、そんなこと意外に平気なものなのです。
果たして、Tくんはたくさんの♭を含むメロディーを、あたかもゲームの「敵」をやり過ごしていくように、難なく弾きこなしていきます。
先生はさっそく、伴奏を合わせます。
おお、カービィらしくなってきた。

「メロディー、上手に弾けそうだよね。で、これに伴奏をつけるとできあがりなんだけど・・・」と先生は、ひとつの問題点をあげました。
「これをゲームどおりの感じに弾こうとすると、今 先生がつけたみたいな、ブンチャ、ブンチャ、という伴奏になるの。だけど、一人で両手使って弾くとなると、そのようには弾けないので、ブン、ブン、ブン、ブン、ってベースだけの伴奏になるんだ。(と弾いてみる)
どうする?誰か・・・おかあさんとか・・・に伴奏パート頼んで、連弾にすれば、本物みたいに迫力ある仕上がりになる。そして一方、伴奏は簡単になるけど一人で弾けば、音楽を全部自分で仕上げられて楽しいし、『やった』って気持ちになれると思う。どうしよう? 
つまり、音をとるか、達成感をとるか、ってことなんだけど」
と、先生の相談は、まるで大人相手のようなハイレベルのものになりました。

一瞬考えたTくんは、次の瞬間はっきりと答えました。
「音をとる」
「よし、わかった。君の選択を尊重するよ。それじゃおかあさんに頼んでごらん。先生からも頼んでみるから」
「うん、頼んでみる」

というわけなので、Tくんのおかあさん、「カービィ」の伴奏、頼まれていただけませんでしょうか・・・? (^^;)


1年生は終わった

2009年03月24日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小1):
「こんにちはー!暑い!ずーっとはしってきた。一人で!」
今日は冬がぶり返したような寒い日で、暖房もエアコンも入れたっていうのに・・・ Tちゃん、はりきってるね♪

ピアノの前に駆け寄ったTちゃん、いきなり何かメロディーを弾き始めました。
あっ、これは「トトロ」の「さんぽ」だ!とわかったので、先生は伴奏を合わせ始めました。
二人で1コーラス弾き終わって、「ふふっ」と嬉しそうに笑ったTちゃんは、次に「これはまだ、ぜんぶはひけないんだけど・・・」と、「トトロ」の歌も弾きました。
「すごいね!どうしたの?」と聞くと、
「おかあさんに、ピアノの楽譜買ってもらったの。『やさしく弾ける』って書いてあって、いろんな歌が出てるんだけど、弾くと、やさしくひけちゃうの」
そうなんだ!よかったねえ、いい本買ってもらって♪

春休みになって、おかあさんとお買い物にでも行ったのでしょうか。
こうして、何気ないチャンスに、子どもの好きそうな簡単な楽譜、CDなど買ってくださるのは、本当にうれしいことです。
子どもたちは どんなにか喜んで、新しい楽譜にワクワクしながら興味をもって弾くことでしょう。
そしてそれが、どんなにか子どもの音楽の世界を広げることでしょう。

Tちゃんのおかあさんは、いつもさり気なく、こうしたフォローをしてくださっていて、しかも「せっかく買ってあげたんだから、しっかり練習しなさいよ」などと言わず ゆったりと子どもたちを楽しませてくれているので、ほんとに素敵だと思います。

先週の宿題だった「ゆかいなまきば」、Tちゃんは今までにも増して力強いタッチでリズムにあふれた弾き方でした。
今までの習熟、体の成長、知能の成長、そして「できる」という自信などが一気に合わさったのでしょうか、Tちゃんはまさにぐーんとジャンプしたような上達を見せたのには驚きでした。

そうか、もう1年生は終わったんだもんね。
来月からは2年生だ。

私は、入門したころの ピアノレッスンって何しにくるんだかほとんどわかってなかったような、幼いTちゃんを思い出し、この 目の前のキビキビした女の子の姿に 感動を覚えずにはいられませんでした。

吹奏楽部 定期演奏会

2009年03月23日 | いろんな楽器
Mくん(高1)が、所属する成城高校吹奏楽部の定期演奏会のお知らせをくれたので、杉並公会堂まで出かけました。
Mくんは、小学校の終わりまでピアノの生徒だったんですが、その後引っ越してピアノからは離れました。
しかし、中学に入ってからずっと吹奏楽部に在籍し、サックス奏者としてがんばっていて、定期演奏会には、こうして誘ってくれるのです。
手元から離れていった生徒が、こうして音楽を続けている、そして会があるときには誘ってくれる、というのは本当に嬉しいです。

前回Mくんの演奏を見せてもらったのは3年前なので、今回は、立派な青年に成長したであろうMくんを ステージ上で見つけることは絶対できない!と確信していたので、事前にMくんから、席順を教えてもらい、無事 ステージ上のMくんを確認することができました。

トランペットファンファーレに始まり、第一部は吹奏楽のスタンダードともいうべき名曲が並び、中高生たちが見事に演奏しているのに驚きました。

第二部ではうって変わって、ジャズやポップスからのアレンジ、アニメの曲にいたるまで、数々のナンバーが カラフルなTシャツに衣装替えした少年たちによって演奏されていきます。
一部・二部ともにそれはそれは力強く、リズミカルで躍動感にあふれ、たいへんすばらしい演奏でした。

彼らがみんなで一緒に努力を重ね、泣いたり笑ったり、時には苦しんだりしながらそれを克服して今日に臨んだであろう 長い日々の努力がしのばれ、感慨にふけってしまいました。
こうして、みんなでひとつの目標に向かって共に努力する、そして本番でその成果を結実させる、というのはすばらしい達成感だということを、私もまた知っている者です。
この喜びは、何物にも代え難い。一度この達成感を味わったら、やめることができなくなります。
本日のマエストロ、実はこの部活のOBであるという方も、そうやって今、後輩たちと喜びも苦しみも分かち合っているのでしょう。
私は彼がうらやましいです。
演奏が終わったとき、マエストロが大きく手を広げて、後ろに並ぶ少年たちを讃えた時の誇らかな表情!
「彼ら一人一人が、私の誇りです!」と言ってるようで、感動的でした。

終演後は、帰るお客さん一人一人に 生徒さんが花束を手渡してくれ、男子校なのに細やかな心遣いで感心しました。
写真はそのお花です。(ジルも写ってる(@o@) )

Mくん、すてきな演奏をありがとう♪
来年は、いよいよ引退公演なんだね。また呼んでね。

カルメンより ハバネラ

2009年03月22日 | いろんな楽器
去年のクリスマスコンサートの時に、スペイン舞踊家のCさんと 初めて「カスタネット&ピアノ」のコラボをやってみて面白かったんですが、3ヶ月ぶりに、再び共演することになりました。
それは、いつも楽しいカジュアルなコンサートを開いてくださっているカフェ・アンサンブルさん恒例の「みんなの音楽会」への出演。
2~3ヶ月に一度くらいの割で催され、プロ・アマ・ビギナー・ベテラン問わず、誰でも気楽に参加して楽しめる「オープンコンサート」なのです。

今回は、カスタネットにはバッチリ似合う カルメンの「ハバネラ」を演ろう、ということになり、今日は試しの音合わせと打ち合わせをやってみました。
・・・って、本番は来週の今日なので、この練習=ゲネプロです(*_*)
どんな感じで演奏しようかなあ、曲の構成はどのように?などと お互いにイメージを出し合いながら なんとなく形を作っていきました。

「じゃ、こんな感じで・・・」と 一応は決めて「ゲネプロ終了!」ということになったんですが(早や~)、本番ではどんな風になっていくやら、あんまり予想はできません。
だってこれはセッションなんだもん。正直 やるたびに違うんだよね・・・(^_^;)
Cさんも、「本番ちょっとぐらいは、ステップも入れるかもしれないですけど・・・あまりやってうるさいといけないから」とかしおらしく言ってたけど、盛り上がったら 絶対カタカタ踊っちゃうぞ、きっと。
ヒバリの方も、音使いとかポーズ(カデンツァみたいなところ)とか、その時のなりゆきで 調子に乗っちゃうかもしれないよ・・・
ま、曲のサイズ(小節数)さえ決めてあれば大丈夫です。たぶん。
どんな演奏になるかは、その時その時でみんな違う。 それでこそのセッションなのですから。

音楽、それは時間芸術。その時 一度限りの赤い薔薇なのです。 なーんちゃって。

ハンガリア舞曲

2009年03月22日 | レッスン日記(小中高生)
キノパパ(大人):
「大人のためのピアノ教本3」が、終盤に近づきました。
いつも驚異的な努力で コツコツと積み上げてきた、ピアノ学習者の鑑(かがみ)キノパパです。
今やっている課題は「ハンガリア舞曲第5番」。
オリジナルはピアノ連弾ですし、オーケストラで演奏されることの方がむしろ多いこの曲は、ブラームスがジプシー音楽のスタイルをパロって(?)作った、たいへん情熱的な曲です。
キノパパは、この、右手と左手をうまく合わせるのが とても難しいと、苦労しています。
左手の伴奏が、「ドソ・ソソ・ドソ・ソソ」というシンプルな音使いなので、一見して「バイエル」とかによく使われている「ドソミソ・ドソミソ」みたいなもんなのかな、と シンプルに右手メロディーに当てはめようとすると、大変難しいことになってしまいます。
シンプルに見えても、この伴奏、実はベースとリズムの二つのパートが組み込まれているんですよ。
ベースはベース、リズムはリズムと それぞれ独立した流れを把握した上で弾かなきゃいけない。
そして、そのリズムを完全につかみ、勢いよく弾けるようになったら、その上にヴァイオリンで弾いているような 大きなうねりのあるメロディーを乗せていかなければならないのです。
つまり、ベース奏者、リズム(タンバリンとか)奏者、そしてメロディー奏者の三人を、一人で同時に演じ分ける、ってこと。

うわぁー、難しいですねぇ~(@o@)

自分で無意識に弾いている感覚を、言葉で説明してみて、ヒバリは思わずあきれてしまいました。こりゃ難しいわ。
なんでここでこの課題が?
・・・と、テキストに文句言ってもしょうがないので、キノパパさん、乗りかかった船です、完奏めざしてがんばりましょう!
これだけがんばって練習してるんですから、必ずや弾きこなすことができるでしょう。がんばれ~ (^O^)/

いい音!♪

2009年03月18日 | レッスン日記(小中高生)
Rくん(小1):
毎週、なんとかかんとかひととおりピアノを弾かせるのがやっと、というRくん。
それでも以前に比べたら、ぐずぐず言わずに一応弾くようにはなってきてるけど、意欲的に、という姿勢からはほど遠い状態です。
今日は、「バーナム」がなんとか区切りにたどり着き、12番の「元気いっぱい、さあひこう」になりました。
右手のメロディーに対し、左手でCとG7のコードをジャーン、とおさえる伴奏がついています。
和音が並んでいる譜面を見ただけで、Rくんは「やだ。むずかしい」と敬遠して、さっさと退散しようとします。
それをうまいことダマし誘導し、やっとピアノの鍵盤に両手を置いたRくん。
「これでいいのかな」と ひとたび音を出したら・・・
その音は深く力強く、あっと驚くような美しい音色なのでした。
Rくん、こんないい音出せるんじゃない。もっと真剣に弾いたら、すばらしい演奏できそうなのに・・・
そう思いながらも、玄関にお母さんがお迎えにみえた気配がしたので、
「じゃ、おしまいね」とレッスンを終えました。
玄関で待っていらしたお母さんは、
「今の、Rが弾いてたんじゃないよね?」と言いました。
やっぱり。すごい立派な音、と感じられたんだ。
「いいえ~、『R』が弾いたんですよ!」と言うと、お母さんはびっくり。
「えーっ、あんな上手な音、Rじゃないと思ってた」
これは、かなり本気の驚きだと思います。
それほど、Rくんの音はいいんだ!
いつの日か、かっこいい曲をたっぷり情感こめて弾いてほしい・・・
それには、本人が音楽やピアノに心を揺さぶられ、「弾きたい」と焦がれないとダメだよね。それだけ大人にならなきゃ、ってことだと思うけど・・・

Rくん、早くかっこいい男に成長しておくれ。