HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

ふっくらフレーズ感

2017年04月26日 | レッスン日記(小中高生)
Hさん(大人):
バッハの平均律10番「フーガ」、ベートーヴェンの選帝侯ソナタ、どちらも順調に練習が進んでいます。
先週末はクラス会の幹事で大変でした、というのに、いつの間にどうやって練習時間を捻出しているのでしょうか。

Hさんの弾くのを聴いていて、この頃ちょっと「アレ?」と気付いたことがあります。
それは、フレーズの弾き方。
バッハを弾いているときに、フレーズが心なしかふっくらとした音で弾けているのです。
音量で言えば、フレーズの弾き始めはやや柔らかく、フレーズの中ほどへ向かうにつれ だんだん音量を増し、そしてフレーズの終わりに向かって徐々に音量を下げる・・・
このように「音量」目線で言葉にすると身もフタもない文章になってしまいますが、ピアノの音で聴くと ごく自然に旋律が湧き出てくるような、とってもふっくらとした響きとなっているのです。
Hさんにそう言うと、予想通り
「あら、そうですか?」と素っ気ない素振り。
多分、Hさん自身も無意識に、微妙な音量を操っているのだと思います。
無意識に・・・ それってなかなかすごいですよね。
楽譜にクレッシェンドやディミニュエンドが書いてあるから、その記号を守って弾く。
先生から「こうしなさい」と言われたから音を膨らませて弾く。
そういうのとは違って、自然に自分の心が歌うように弾いて、無意識の柔らかさが出てきているわけだから。
さすがHさん、ベテランになってきてるんですね。。。