原作:重松清、監督:廣木隆一、出演:石橋杏奈、北浦愛、吉高由里子、福士誠治、森田直幸、柄本時生、華恵、山田健太、木村耕二、中村麻美、蜷川みほ、田村有理、沓澤万莉、大森南朋、柄本明、田口トモロヲ、宮崎美子、の映画『きみの友だち』を観てきました。
ストーリーは、山梨県甲府市を舞台に、主人公の和泉恵美(石橋杏奈)と、その親友の楠原由香(北浦愛)との関係を中心に据(す)えて、恵美の周辺の人物たちの「友だち」関係にも焦点を当てた群像劇です。
現在、20歳でフリー・スクールでボランティアをしている恵美が、スクールを取材に来たジャーナリストの中原(福士誠治)の取材を受けた事をキッカケに、自身の中学時代を中心に「友だち」という存在について回想するという形で、物語は進行していきます。
比較的、淡々とした作風で、恵美を中心にはしてはいるものの、各エピソードで主要人物が変化する為に、やや焦点がぼやけてしまった作品のような気がしました。
ひとつには、私が映画鑑賞中に軽い眠気を感じていた為に、各エピソードを通して監督が伝えようとしている主題を受け止め損なったせいもあるのですが…。
あとは、中学時代というのが私にとっては非常に昔の事で、またその大半を孤独の中で過ごした為に、映画で描かれるエピソードを自分の経験に照らし合わせて、作品鑑賞が出来なかった事もあるのかもしれません。
私の体調が万全で、また中学時代に一般的な友人関係を構築していれば、もっと主人公に感情移入が出来て、作品世界に入り込む事が出来たのでしょうけど…。
クライマックスでは泣いている方も沢山いましたし、鑑賞後の売店ではパンフだけでなく、原作本を求める方も見掛けたので、単純に私との相性がイマイチだけだったのだと思います。
残念ながら、私の心を揺り動かす事は殆どありませんでしたが、切なくほろ苦く、郷愁感漂う作品ではあります。
現在、公開館数が非常に限られているので、劇場でこの作品に触れられる方はそう多くはないでしょうけれど、機会と環境に恵まれている方は、サービスデイなど安く観られる日や時間などを利用し、劇場に出掛け、自身の「友だち」について考えてみるのも一興(いっきょう)かもしれません。
あとはDVD化された時にでも借りてみても良いでしょう。
派手さはありませんが、良作ではあると思います。
自分が感動していないので、オススメと言う訳にはいきませんが、決して悪い作品ではないです。
あと、劇中で使用される曲はなかなかセンスが宜しいです。