根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

ヤモリ

2008-07-31 23:51:27 | エッセイ、コラム
私は部屋の電気とトイレの電気は点けっ放しなので、毎年夏になるとコイツが現れて、集光性で光に集まってきた蛾などの虫をよく捕食しています。

夜もトイレの窓を網戸にしたまま開けていると、時々僅(わず)かな隙間(すきま)からトイレに入り込むお茶目さんです。
すばしっこいので捕まえて、外に出して逃がすのに苦労するのですが…。

家を守ると書いて家守(ヤモリ)。
昔の人は、動物や植物の特性をよく考えて名前を付けたものだと感心します。

百日紅(サルスベリ)

2008-07-31 19:09:43 | エッセイ、コラム
晩夏を象徴するような花・百日紅(サルスベリ)が咲き出しましたね。
樹皮が何故か剥(は)がれて、幹がツルツルで、木登りが得意な猿も滑(すべ)るという事から、猿滑り→百日紅の名前になったと思われますが、この木が花を付けると夏もピークに達してきたな、という感慨を覚えます。

映画『きみの友だち』

2008-07-30 23:13:46 | エッセイ、コラム
原作:重松清、監督:廣木隆一、出演:石橋杏奈、北浦愛、吉高由里子、福士誠治、森田直幸、柄本時生、華恵、山田健太、木村耕二、中村麻美、蜷川みほ、田村有理、沓澤万莉、大森南朋、柄本明、田口トモロヲ、宮崎美子、の映画『きみの友だち』を観てきました。


ストーリーは、山梨県甲府市を舞台に、主人公の和泉恵美(石橋杏奈)と、その親友の楠原由香(北浦愛)との関係を中心に据(す)えて、恵美の周辺の人物たちの「友だち」関係にも焦点を当てた群像劇です。

現在、20歳でフリー・スクールでボランティアをしている恵美が、スクールを取材に来たジャーナリストの中原(福士誠治)の取材を受けた事をキッカケに、自身の中学時代を中心に「友だち」という存在について回想するという形で、物語は進行していきます。


比較的、淡々とした作風で、恵美を中心にはしてはいるものの、各エピソードで主要人物が変化する為に、やや焦点がぼやけてしまった作品のような気がしました。
ひとつには、私が映画鑑賞中に軽い眠気を感じていた為に、各エピソードを通して監督が伝えようとしている主題を受け止め損なったせいもあるのですが…。
あとは、中学時代というのが私にとっては非常に昔の事で、またその大半を孤独の中で過ごした為に、映画で描かれるエピソードを自分の経験に照らし合わせて、作品鑑賞が出来なかった事もあるのかもしれません。

私の体調が万全で、また中学時代に一般的な友人関係を構築していれば、もっと主人公に感情移入が出来て、作品世界に入り込む事が出来たのでしょうけど…。
クライマックスでは泣いている方も沢山いましたし、鑑賞後の売店ではパンフだけでなく、原作本を求める方も見掛けたので、単純に私との相性がイマイチだけだったのだと思います。


残念ながら、私の心を揺り動かす事は殆どありませんでしたが、切なくほろ苦く、郷愁感漂う作品ではあります。
現在、公開館数が非常に限られているので、劇場でこの作品に触れられる方はそう多くはないでしょうけれど、機会と環境に恵まれている方は、サービスデイなど安く観られる日や時間などを利用し、劇場に出掛け、自身の「友だち」について考えてみるのも一興(いっきょう)かもしれません。
あとはDVD化された時にでも借りてみても良いでしょう。
派手さはありませんが、良作ではあると思います。


自分が感動していないので、オススメと言う訳にはいきませんが、決して悪い作品ではないです。
あと、劇中で使用される曲はなかなかセンスが宜しいです。

映画『ハプニング』

2008-07-30 00:07:15 | エッセイ、コラム
監督:M・ナイト・シャマラン、出演:マーク・ウォールバーグ、ズーイー・ディシャネル、ジョン・レグイザモ、アシュリン・サンチェス、ベティ・バックリー、他、の映画『ハプニング』を観てきました。


話しは、ニュー・ヨークのセントラル・パークから始まった謎の大量突然死に端を発します。
その謎の大量突然死は、瞬(またた)く間に、ニュー・ヨークを席巻し、アメリカの東海岸の大都市を中心にその規模を広げ、被害は小さな町にも及びます。

主人公はフィラデルフィアの高校で教鞭をとる科学教師のエリオット(マーク・ウォールバーグ)。
彼が勤める高校にもニュー・ヨークの事件は伝わり、先生同士の話し合いの結果、高校は生徒を途中下校させると共に、高校教師たちも早めの帰宅になります。

エリオットは同僚の数学教師・ジュリアン(ジョン・レグイザモ)の誘いに従い、自身の妻・アルマ(ズーイー・ディシャネル)を連れ、ジュリアンとその娘・ジェス(アシュリン・サンチェス)らと共に、フィラデルフィアからまだ事件が発生していない安全な土地へ列車で逃げますが…というのが、この映画の序章になります。
作品は、ニュー・ヨークでの事件発生時からの、主人公たちの恐怖の1日を描いたものです。


人間は知識を持つ動物である為に、原因が特定出来ない妙な事があると不安になったり、恐怖を感じたりするものなのだな、と思いながら作品を鑑賞していました。
そして、死という結果が分かっている恐怖から逃れる事は、生存本能を持つ人間には、例えられないほどの恐ろしさなのだろうとも。

監督はインド生まれながらもアメリカで育った人物です。
宗教はヒンズー教になるとか。
ヒンズー教は、多神教で、破壊の神であるシヴァ神が一番人気がある、と高校の教科書に載っていたのを思い出します。

インドは広く様々な気候を持つ国です。
穏やかな場所もあれば過酷な土地もあります。
季節によっても自然は色々な表情をみせます。
インド人は理科系に強い国民ですが、国自体はよく自然災害に見舞われる土地柄でもあります。
また同時に自然からの恩恵も沢山受けている事でしょう。
そういった土壌からは、自然への畏怖(いふ)の念も生まれ、幾ら科学が発達しようが、『人間は到底、自然にはかなわない』、という自然に対する尊敬と恐怖、諦念がインド人の思想の根底には流れているのではないでしょうか。

インドとアメリカ、どちらも京都議定書に調印を拒んでいる国です。
その両方の文化・文明を知る監督だからこそ、人間は自然に対して謙虚でなくてはならない、とこの作品を通して伝えたかったのではないか、と私は思いました。

尚、この作品には一部強烈で過激な描写がみられます。
R指定になっているようですが、成人でもそういう事に弱い方は観に行かれない方が無難でしょう。

映画『カンフー・パンダ(吹き替え版)』

2008-07-29 06:19:53 | エッセイ、コラム
監督:ジョン・スティーヴンソン、マーク・オズボーン、声優:山口達也、笹野高史、木村佳乃、中尾彬、MEGUMI、石丸博也、桐本琢也、富田耕生、龍田直樹、高木渉、郷里大輔、他、の映画『カンフー・パンダ(吹き替え版)』を観てきました。


ストーリーは、中国奥地、高い山にそびえる翡翠(ひすい)城というカンフーの修行の地を望む麓(ふもと)の村・平和の谷に店を構える、ラーメン屋を営む家の息子でカンフー好きながら運動神経は無いに等しいパンダでこの映画の主人公・ポー(山口達也)が、ひょんな事から伝説の「龍の戦士」に選ばれ、カンフーの達人として成長していく物語を描いたものです。


非常に面白い作品でした。

登場する者たちが全て、動物である為に体毛なども細かくリアルに描かれ、背景画も非常に奥行きのあるものでした。
日本のアニメは紙芝居にルーツを持ち、欧米のアニメは人形劇にルーツがある、という話しを聞いた事があります。
そして、この作品はアニメの配色に設定してはありますが、欧米の伝統に従い非常に実写に近い立体感を持たせたものになっていました。

アクションもスピーディーさとスローな場面を巧みに使い分け緩急を付ける事で非常に迫力あるものになっていて、香港のカンフー映画をよく研究しているな、という事がよく分かるものでした。
エピソードについても同じく。


キャラクター・デザインや武闘会に関しては、漫画家の鳥山明の影響もみられる感じがしました。
鳥山明の代表作『ドラゴンボール』も『西遊記』を下地にしながら香港のカンフー映画や『スター・ウォーズ』、『ベスト・キッド』のエピソードのオマージュを感じさせるものでしたが、さらにそれが海を越え影響を与え、回り廻って、ハリウッド製のCGアニメとして日本に戻ってくるという、優れた作品が相互に影響を与え受けながら質を高めていくというとても理想的な状態を目の当たりにした気がしました。
劇中、ポーの師匠となるシーフー老師(笹野高史)などは『スター・ウォーズ』に登場するルークの師匠に近い容姿をしているし、それにインスパイアされたキャラは『ドラゴンボール』にも登場します。


作品のテーマは、「ありのままの自分を信じること。信じれば奇跡は起こる!」、事だそうです。

とかく先が見えず、閉塞感が漂い、人生に希望を見いだす事が難しい世の中です。
夢をみる事はありますが、それに向かって夢を叶える努力をしている人はどれくらいいるでしょうか?
初めから諦めている子供も多いのではないでしょうか?
ある程度の年齢になったら現実との折り合いをつける事も、大事ですが、自分がみた将来に対する夢を叶える努力をして生きていく事も非常に重要なような気がします。
夢は叶える為にあるもの、そういった事を教えてくれる作品という感じがしました。

時間も90分と手頃です。
コミカルさとシリアスさ、アクションもよく練られていて子供が飽きない工夫もよくされています。
この夏『崖の上のポニョ』と共に子供から大人まで観て欲しい作品です。
オススメです。


余談ですが、私この作品を昨夜レイトショウで観たのですが、2百~3百人収容出来るシネコンの劇場に観客は私1人っきり。
自分の為だけに映写機が稼働しているという、大変な贅沢を味わいました。

映画『テネイシャスD~運命のピックをさがせ!~』

2008-07-27 07:53:34 | エッセイ、コラム
監督:リアム・リンチ、出演:ジャック・ブラック、カイル・ガス、J・R・リード、フレッド・アーミセン、ネッド・ベラミー、ロニー・ジェイムス・ディオ、ミート・ローフ、エイミー・ポーラー、ポール・F・トンプキンス、ベン・スティラー、ティム・ロビンス、他、の映画『テネイシャスD~運命のピックをさがせ!~』を観てきました。


ストーリーは、実在するロック・デュオ“テネイシャスD”が、現実とは少々設定は違いますが、彼ら本人たちとして出演し、ロック・スターとして成功出来る、悪魔の歯から作られたとされるギター・ピックを手に入れる為に、そのギター・ピックが所蔵展示されている「ロックンロール歴史博物館」に向かう様を描いたコメディ映画です。
随所にロック・ミュージカル的要素を取り入れた作品でもありました。


非常に楽しみにしていた作品で、昨日の公開初日の最初の回で観てきました。
そこそこ前から予告編を劇場で流したり、チラシが映画館に置いてあったりしたせいもあり、227の座席は殆ど埋まり、観終わったあと、ロビーに出てきたら、次の回を観る観客が溢れていていました。

いやぁ、ホントに下らなくて、下品で、最高に面白い作品でした。
劇中、使用される音楽も非常にカッチョ良く、クールでパワフル、グルーヴィでした。
ルックスはイマイチでも、やっている音楽が良ければ、売れてしまうアメリカと、ルックスもまた非常に重要視される日本の音楽シーンの違いをまざまざとみせつけられる映画でした。
実際、テネイシャスDは全米でかなりの人気があるロック・デュオだそうです。


内容はあってないようなものです。
出演者たちも楽しみながらバカをやっています。
お笑いの好みにもよりますが、2時間キッチリ楽しめる作品でもあります。
現実を忘れ、笑ってストレス発散するにはもってこいの映画と言えるでしょう。
オススメです。