レイトショウの割引サービスを利用して、映画『夕凪の街 桜の国』を観て来ました。
シネコンの座席数170の劇場に10名程の観客。
大体に於いてレイトショウはこの程度の観客で運営される劇場側のサービスなのかもしれません。
映画の方は「原爆」という重いテーマを扱いながらも、これでもか、という目を背けたくなるような凄まじい原爆の被害映像のオンパレード、という様な作品とは殆ど無縁のものでした。
原爆という放射能を使った大量破壊兵器の使用は、そこで生き残った人々をも長年に渡って心身ともに確実に蝕んでいくから、そしてその悪しき影響は世代を超えて受け継がれてしまうから、NO!なのだ、ということを、そこに強いメッセージ性をはらませながらも、さり気ない語り口で、それとなく伝えようとしていて、その押し付けがましくない点に、かなり好感が持てました。
広島・長崎は平和教育が徹底しています。
私の出身地の長崎県では夏休みの登校日が8月9日になり、そのときに原爆の悲惨さを子供の頃から嫌という程叩き込まれるのですが、以前、東京の学校の先生と話す機会があって、その話しをすると、東京あたりではそんな感じの平和教育の徹底はない、との答えでした。
その話しを聞いたとき、被爆国としてこれで良いのだろうか、と疑問に思ったことを、この映画を観たことでふと思い出しました。